プレミアム・ザ・ビーンズ ＶＯＬ．２ （カドカワムック）

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投稿者：やまめ　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

花神遊戯伝目的で購入しました、ネタバレありです。
糸森さんのネット掲載作品が好きで、同様の作品を期待して花神遊戯伝1巻、プレザビと購入しました。
主人公の性格自体が苦手で、ぶっちゃけ主人公が好きじゃないというのもあるので期待値自体が低かったのですが、それを上回る期待はずれさでした。

心理描写とストーリーラインがちぐはぐな印象です。

山場に至るまでのためがすくない（主人公の自己主張の強いアホの子発言で台無しになってる）ので山場がきても全く感慨がわかないです。
落として上げての落差があってこそ楽しいと思うのですが、主人公の発言と思考がそれをさせません。
シリアスシーンくらいは主人公もテンション落として真剣に考えて欲しいです。

脇キャラがシリアスモードで展開させている内容を、主人公がテンション高くコメディ調（？）に実況（正直そのことに対してショックを受けてるようには見えなかった）していてチグハグさを感じました。
そして主人公はそのこととは別の理由で逃走。
なのに、主人公が戻ってきたときにその脇キャラが「俺のせい～」っていうのに、違うとも何もいわず、自分も軽率だし汚いし脇役の汚い部分も認める話が展開して終了しました。

脇キャラがシリアスに気にしてるのに、主人公はその”行為”自体に対して真剣に考えるシーンが一切ないまま容認する考えを述べていて、本当にわかってんの？と。
気にしてないというのならその通りなので別に気にならなかったと思うのですが、「貴方を許す」というのなら、その人が許されたいと思っている行為に対して真剣に考えるシーンがないと上っ面だけの発言にみえます。

上っ面に見える脇役の行為に対する許しと自分の軽率な行為の反省を同列に語っているので言葉に重みが無いです。
皆のためになる醜い行為はいいといってますが、主人公の行為は誰のためにもなっていません。
なのに同列にかったってるので、自分の軽率な行為に対しての反省も実はないんじゃねーのと。

「自分の意図しないところで脇キャラを傷つけた」という事に対する反省（その部分に対してだけは一瞬シリアスになってはいたので）はあるのでしょうが、もう薄っぺらく感じまくって駄目でした。

軽いノリの場面として読むには脇役がシリアスモードすぎ、シリアスな場面として読むには主人公のノリが軽すぎました。
そして主人公が重要視していない脇役の行為を軸に絡めて話を〆ていてとっても微妙に感じました。

キャラクターが好きでキャラクターの場面場面の言動を楽しめるのなら、楽しいのかなと思いました。
自分はキャラ自体が駄目だったので非常にきつかったです。

ネットで読んだ分には展開演出の上手い作家さんという印象だっただけに、本当に期待はずれでした。
お話を詰め込みすぎ・展開いそぎすぎ・シリアスシーンを避けて変になってるという印象でした。