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商品説明
向田邦子「ゆでたまご」、寺山修司「愛され方」など、中学生までに読んでおきたい、「愛」「恋」について考える話を収録。小学5年生以上の漢字にルビをふり、見やすい図版入り脚注を付ける。松田哲夫による解説も掲載。【「TRC MARC」の商品解説】
向田邦子「ゆでたまご」、杉浦日向子「恋人の食卓」、吉行淳之介「嫉妬について」、太宰治「満願」、森鷗外「じいさんばあさん」など、“愛”についての19編を収録。【商品解説】
収録作品一覧
ロボとピュー太 | 南伸坊 作 | 7−10 |
---|---|---|
ゆでたまご | 向田邦子 著 | 11−15 |
親ごころ | 円地文子 著 | 17−23 |
著者紹介
松田 哲夫
- 略歴
- 〈松田哲夫〉1947年東京生まれ。筑摩書房の書籍編集者としてちくま文庫、ちくま文学の森、ちくまプリマー新書などを創刊する。著書に「編集狂時代」「印刷に恋して」など。
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紙の本
大人の人も哲学してみませんか
2020/06/19 08:25
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
全8冊になるシリーズの編者である松田哲夫さんは、哲学は哲学書や哲学講義の中にだけあるのではなく、日常の暮らしの中にも考えるためのヒントがあると、記しています。
その上で、自分の頭で考えるきっかけになるような文章を集めたそうです。
つまり、哲学というのは「自分で考えること」なのでしょう。
では、何を考えるのでしょう。
それこそ、人生のありとあらゆること。このシリーズの各巻のタイトルということになります。
その第1巻がこの本で、「中学生までに読んでおきたい」それの最初が、「愛のうらおもて」っていうのが、またなんともいいと思いませんか。
この巻で紹介されている書き手は、向田邦子、円地文子、森瑤子。坂口安吾。吉行淳之介。佐野洋子、倉橋由美子。幸田文。太宰治、桂文楽、森鴎外、小泉八雲など総勢19名の豪華さ。
しかもその文章がエッセイあり小説あり落語あり、最後には戦没学生が死を前にして恋人に宛てて書いた日記ですから、なんとも幅広い。
こんな贅沢な本を子供たちだけに読ませるのはもったいない。
きっと大人の人でもこれだけ多くの「恋愛話」を読んだ経験はないのではないでしょうか。
「愛」といっても、男と女の愛だけではありません。
向田邦子の「ゆでたまご」というエッセイは母の愛を描いて秀逸。「私にとって愛は、ぬくもりです。」なんていう決めセリフに、中学生たちでもドキッとするのではないかしら。
親から子への性教育を描いた幸田文もいい。
一番読み応えがあったのは森鴎外の「じいさんばあさん」だったのは、自分でも意外だったですが。