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マンデラ自身の著書ではないが筆者による取材を元に彼の人生論、人柄が描かれている。
アパルトヘイト下の南アフリカを多面的な視点と調整型のリーダーシップで内戦の危機を回避し黒人大統領となる彼の行動哲学が様々なエピソードとともに伝わってくる。色々なリーダーがいるが今日の日本でも受け入れやすいリーダシップだと思う。
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これは、いい本でした。
長い牢獄生活の後、国を変革するリーダーとして活躍した
ネルソン・マンデラの行動哲学について書き綴られたもの。
深い人生観が、マンデラの言葉から伝わってきます。
「誠実」であるが故に「生実」となるのですね。
以下、心に響いた箇所です。
・変化する環境と異なる状況に置かれた時、自ら意思決定し、
選択したその行動にこそ勇気が宿るというのが彼の持論だ。
・勇気とは、恐れを知らないということではない。抱いた恐れ
を克服していく意志を持つ。それが勇気なのだ。
・マンデラは人生のそれぞれのステージにおいて、自分が演じる
べき役柄を設定し、役になりきった。そして、最終的には
本当にその役通りの人間になっていった。このようにして、
マンデラは自身がなりたいと思っていた人物に本当になって
いったのだ。
・相手を誠実で信用できる人物であると考え、その前提で
自分も相手に対して誠実に行動するべきだと考えている。
なぜなら、人の誠実さというのは、誠実な人間にこそ
引き出せるものだからだ。
・どんなものでもいい。大切なことは、私達にも外の世界から
少し距離をおいて、自分に喜びと満足を与えてくれる場所が
必要だということだ。
・「すべての物事には理由がある」という人に対して、マンデラ
なら自分たちこそがその理由であり、自分自身が物事を動かす
同期であると答えるだろう。「自分の行く末を決めるのは運命
ではない。自分自身が決めるのだ」と。
この本を読まれた方には、映画「インビクタス」もオススメです。
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30年も監獄に入れられていたのに赦すというのは偉大。
アパルトヘイトを無くし、南アフリカを虹色の国にするという信念には凄まじいものがある。
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恥ずかしながらネルソン・マンダラのことを名前程度しか知らなかった。
信念を持ち続け、リーダーとしてやり遂げる“志”というものに触れられたような気がします。
極限の状態や理不尽な扱いを受けても信念を曲げることなく、戦い続けることで、国や制度、文化、人を動かす力や周りへの影響力について感銘を受けました。まだまだ自分には足りない何かを感じることができました。
すばらしい本に出会えました。
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■信念
A.リーダーシップの要諦は、ゴールに向かって人を動かすことにある。
マンデラは、そのための方法として、先頭に立つだけではなく、自らは背後に立ち、前にいる人々が一歩を踏み出せるように背中を押すというう方法も重視した。
B.勇気とは、恐れを知らないということではない。
抱いた恐れを克服していく意思を持つ。
それが勇気。
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マンデラの人物像およびその行動哲学を描いている。まとめると、多面的で多くの矛盾を内包しつつ深い洞察力を持ち忍耐強い成熟した人物。
著者がマンデラのことが好き過ぎて、分析の鋭さが減っている感じがする。
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チェック項目9箇所。「成熟する」とは、若いときにむき出しにしていた感情を胸の内に秘める術を得ることだ、「成熟する」とは、決して、不公平や不正に対する怒りや反発を感じなくなってしまうことではない、何をすっべきで、どのように行うべきかを知っていることだけが、「成熟している」ということではない、一時の感情を抑え、様々な思考を冷静に判断し、物事をありのままに見ることができる、これこそが、「成熟している」ということなのだ。勇気とは、恐れを知らないということではない、抱いた恐れを克服していく意志を持つ、これが勇気なのだ。日々続く困難な状況下において、恐怖心に負けることなく不安に苛まれながらも確固たる自己を失わない
、そのような勇敢さこそ、私たちが行動で示していくべき勇敢さであり、私たちにはそれができるのだ。マンダラにとって、「先陣を切るリーダーシップ」とは、説明責任を伴うことを意味する。「人間の邪悪な面だけを見てはいけない。この世には、完全な悪人も完全な善人も存在しない。」。「敵の心を掴んだ、
と得意になってはいけない。自分が勝っているときこそ、最大の慈悲の心を持って相手に接しなくてはならない。いかなる状況においても、相手を侮辱してはならない。相手の誇りを大切にしなさい。そうすれば、敵はやがてあなたの友となるのだから。」。起こりそうもないことに対する準備よりも、起こりうる確率が高いものに対して十分な準備をする必要があるのだ、例えば、見えている敵に対する準備がその一つだ。「決断力がある人物」というのは、意思決定のスピードが速い人という意味ではない、
なぜなら、本当の意味の決断力とは、十分な時間をかけて幅広い角度から分析し、ひつようとあらば自分の温めていた考えを曲げてでも、最善の判断をする力を指すものだからだ。過去の優れたリーダーたちは、時代の要求によって、リーダーになっていったのである、つまり、時代の要求があってこそ、リーダーにが育まれる、その時代の要求に応えるべく、彼ら自身が尽力し、本物のリーダーになっていくのだ、決して、リーダーが歴史を創るのではないのである。
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伝記というよりは今どきの自己啓発書っぽくまとめられていて読みやすいです。マンデラ氏を思えば多少のツライことは乗り越えられるっ!って、比べてスミマセン。普通の人が最も活躍するであろう時期をずっと獄中で過ごしたと知って改めて驚きました。何事も諦めてはいけないな、と。
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27年間の獄中生活に耐え、アパルトヘイト撤廃を成し遂げたネルソン・マンデラ。
この偉大なリーダーの行動哲学を、多くの時間を共に過ごしたジャーナリストが紹介。
以下、備忘録的に。
・原理原則と戦術を区別せよ
マンデラの原理原則は「人間は人種、階級、性別を問わず平等な権利を有する」というもの。
この原理原則が絶対であり、それに従うための手段、戦術・戦略とは分けて理解しておく必要がある。
ゴールへたどり着けるなら、妥協も譲歩も戦略転換も厭わない。その顕著な例として、マンデラとANC(アフリカ民族会議)が自由への闘争活動の戦術として暴力を容認したことがあげられる。
・「負けて勝つ」勇気を持て
マンデラが偉大なリーダーである最大の理由の1つが、リーダーであることを放棄したことだ。
マンデラは自分の役割は「進むべき道筋を示すことで、実際に船を操縦することではない」ということをわかっていた。
1995年、大統領着任1年目に「私は1999年には80歳になる。80代の老人が政治に口を挿むべきではない」と公言し、大統領2期目も立候補するかと問われて「それはあり得ない」と答え、事実、立候補しなかった。
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マンデラがどのような人物だったか。どのような思いで行動をしたのか。マンデラの行動を15章に分けてまとめた本。ここに描かれたのは、非常に忍耐強く、長期的な視野を持った人物であり、優れたリーダーであろうと示した人物だった。マンデラのようなリーダーになる事は難しいが、これらは優れたリーダーへ近づくための重要な示唆になると感じた。
特に牛の群れの話は興味深い。チームのリーダーとは違う。
<メモ>
〇勇敢に見える行動をとれ
・勇敢とは恐れを知らないのではなく、恐れを克服する意識を持つこと
・勇敢なふりをすること
・息子の死に直面しても悲嘆にくれず、他の受刑者同様採掘場に現われた。行動で勇敢さを示す
・勇敢に示すため、主導権を握るため。何度もどう振る舞うかを描いた
・マンデラが贈る賛辞「よく成し遂げた」は不安を抱えながらも確固たる自己を失わないことへの賞賛
〇常に冷静沈着であれ
「何事もよく考えなくてはならない。そして即座に反応しなくてはならない」
「急いではならない。物事を深く考えて分析しなさい。行動するのは、そのあとだ」
〇先陣を切れ
マンデラが歩くだけで他の受刑者の気持ちを高揚させた。それこそがマンデラの真骨頂だ。歩き方一つでリーダーシップを発揮した
・マンデラは無罪を主張する事も出来た。だが、理想社会を求める発言をおこなった。自分の最後の言葉を覚悟した。
・説明責任を伴う。意思決定に対して結果責任をもつ
・自分たちが望む結果でないとしても、避けられないものならば先延ばしにすべきではない
・過ちは認める
〇背後から指揮を取れ
・自分たちがマンデラの意思決定に関わってる当事者意識を持たせる
・個人の知恵より集団の知恵が勝る
〇役になりきれ
・外見が人を物語る
・印象操作
・映像の持続性
・笑顔が持つ力
・舞台裏の自分を見せない。人は本当の気持ちをすべて出すべきでない
〇原理原則と戦術を区別せよ
・現実主義者
・戦略をもちながらも表に出さない
・状況が変わればとるべき戦略、思考も変わる。それは信念のブレではなく現実主義的思考だ
〇相手の良い面を見出せ
・この世に完全な人間はいない
・自分の利益だけを考える人間もいる
・リーダーには守るべき道徳がある
・感情のリスク。だが人の誠実さは誠実な人間にこそ引き出せる
〇己の敵を知れ
・相手の言葉、文化、歴史を知る
・相手の言語を丁寧にしゃべることで敬意を示す
〇敵から目を離すな
・想定できる物事に対してすら十分な準備をしているというのか
〇しかるべきときにしかるべく「ノー」といえ
・耳当たりの良い適当な答えをしない
・選択。いつ行動するか、ノーというか、前進するか
〇長期的な視野を持て
・歴史は短期間で変えることはできない
・進むスピードよりも方向が大切
・すべての物事は人間の血と汗のにじむ努力から成し遂げられたものであり、軌跡や神業ではない
・短期的な視点と長期的な視点が同じ方向を目指しているかに心を砕く
・特定の出来事で評価するのではなく、人生の中で何を成し遂げてきたかで評価する
〇愛ですべてを包め
〇「負けて勝つ」勇気を持て
・進むべき道筋を示すことで船を操縦する事ではない
〇すべての角度から物を見よ
・人間は複雑な生き物で行動の裏には無数の動機と理由がある
〇自分だけの畑を耕せ
〇その他
・人間は他の人々の存在を通して人となる
・信頼されるリーダーとは公的な場でも私的な場でも一貫性のある人物
・マンデラの偉大さは自らの欠点を克服したことにある
・あるべき姿にふさわしい方法でその目標を目指せ
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尊敬という言葉。
これは、いくら頑張ってもかなわない人に対していう言葉だと思う。
私はまさに彼を尊敬する。とても真似できない人物だった。
しかし学ぶところはある。それをどのように自分にいかすかではないか。
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マンデラの行動(哲学)を通して、リーダーシップを紹介する著書です。
国や歴史を変えた人物と自分のような企業の中間管理職では、背景や思い、リーダーシップの範囲・影響力が大きく異なり、シンクラナイズさせることが難しい場面もありましたが、気づきも多くありました。
以下に、印象に残っている部分を紹介します。
・アフリカのウブントゥの概念
→私たちは他者を通してのみ人間として存在する
・清濁併せ呑む力を持つ、多面的な人物
・いつでも冷静沈着
・フォロワーに対して、権限を与え行動を促すことで、リーダーの考えや方向性をフォロワー自らに理解してもらう
・原理原則と戦術を区別せよ
・人は「良い人間だ」と信じて期待をかければかけるほど、本当に良い人間になっていく。
→相手の良い面を見出す、
→敵でさえも共感できる部分がある
・自分が問題に向き合いたくないがために、意思決定を先延ばしにすることはやめる
・人々の内面に隠された蜘蛛の巣のように複雑に絡まる動機を理解する
・あなたが求めているものに、あなた自身がなりなさい
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人が生きる上での知恵やヒントのつまった本。ただし、哲学という言葉を使っているが、哲学という程専門的ではないので注意。
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マンデラの考え方って日本人には共感し易いと思った。
内容は広く浅くって感じで、がっつりを求めるとちょっと物足りないかな。
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僕が子どもの頃、南アフリカは「人種差別の国」として、その特異な法律や生活が、教科書などで扱われていました。
その南アフリカから人種差別をなくし、新しい国として再出発させたのが、ネルソン・マンデラ。
のちに米『タイム』誌の編集長となるライターが、マンデラに約3年間に渡って同行しまとめた、伝記です。
若いころ、部族の王の元で育ったマンデラはやがて、活動家となります。
そして30年という途方も無い年月を、政治犯として刑務所で過ごします。
その苦難のなかで、自らの行動を律し人望を集め、出所後に大きな役割を果たすという、まさに波乱万丈な人生。
小説的にその半生を追うという形ではなく、著者がマンデラに問いかけ、その答えとそこから汲み取ったマンデラの哲学を、テーマに分けて記述するという形で構成されています。
読み終えて感じたのは、以下のようなことです。
・大きな役割を果たす人と言うのは、自分の人格を磨くことの大切さを知っている。
・その人格によって人望を集め、集まった人々の力を、目指す方向に向けることで、大きなことをなし遂げる。
そして、マンデラという人について感じたことは、次のようなことです。
・自分がなすべき役割はどのようなことか?つねに考える。
・その役割について、人々がどのように期待しているかを汲み取る。
・その期待される姿になれるように自分を律し、自らを変革していく。
そのほか個別のエピソードの中でも、「敵を身近に置く」など、マンデラの”器の大きさ”を感じる記述が、数多くありました。
マンデラと著者の関係も、「師と弟子」のようで、読んで暖かくなる一冊でした。
偉大な人物の伝記と言うのは、読むと前向きな気持ちになれますね。今後も継続して読んでいきたいと思います。