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・萩尾望都の作品に登場しそうな、天使顔のルシフェル。
・リゴベルトの滑稽とルクレシアのだらしのなさ。
・絵のモチーフ……美しく官能的なものから、おぞましいものを経て、受胎告知へ。
・フランシス・ベーコンがあんなふうに描かれるとは。
・デ・シシュロという画家は初めて知った。
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最初はただのシチュエーションを楽しむエロい小説かと思って読んでたけど、エピローグでおお!!と驚かされた。
シンプルながらすごい話だなと。
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ノーベル文学賞作家の作品読了というとかっこいいけどエロスがテーマの小説だったのでさくさく読めた。
内容は過激だけれど、芸術かわいせつかという話にならなさそうなのは、比喩が繊細なのと絵画や寓話をモチーフにした挿話がふんだんに使われているからだと思われる。
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モチーフになった絵画のカラー絵つきで、イメージしやすく、大変楽しめる本でした。
めくるめく官能、悪魔的な(前母の)少年、レズビアンフレンドっぽいメイドというツボをついた登場人物達がいずれも魅力的に書かれています。
また読み直すと思います。
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変態礼讃! アンファンテリブルものだが、続編を先に読み結末を知っているだけに、ふたりの愛の純粋な歪みっぷりを大いに楽しめる。こういう愛情を分かてる人が理想だ☆ 偉大な恋愛物語だ。
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みんなそれぞれ際立ってるな~。
ルクレシアの尻。リゴベルトのこだわり。アルフォンソの表裏。
しかしフォンチートは悪いやっちゃ。
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原書名:ELOGIO DE LA MADRASTRA(Vargas Llosa, Mario, 1936-)
ルクレシアの誕生日◆リディア王カンダウレス◆水曜日の耳◆蛍の眼◆水浴の後のディアナ◆リゴベルトの沐浴◆愛と音楽のウェヌス◆涙の塩◆人間のようなもの◆膨らんだ官能的な鼻◆食後の会話◆愛の迷宮◆悪い言葉◆薔薇いろの若者◆エピローグ
著者:マリオ・ヴァルガス=リョサ(1936-)
訳者:西村英一郎(1949-)
解説:池内紀(1940-)
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【隠語有り・電車の中で読むの注意】
ちょうどこの本の前にオンダーチェ『イギリス人の患者』を読んでいて、その中にカンダレウス王が側近ギュゲスに妃の自慢をしてそれから…というエピソードが記憶に残ってたところでいきなりこの本の巻頭にはその絵があるのでした。ヤコブ・ヨルダーエンス「カンダウレス王寝室のギュゲス」 、妻が美しいと自慢するあまり、その裸身をこっそり覗きたまえという王から家臣への欲求。そのエピソードを踏まえて描かれるこのリョサの小説は、裕福な男のの後妻にはいった豊満な妻が思春期の義理の息子を悶々とさせるという、なかなかそそる内容です。官能的な描写が延々と続くが欲望に振り回される登場人物たちが滑稽にも思えてきて愛おしい。身体にすり込まれる香油、湿ったこもった場面の空気、発酵する体液の匂いが立ち上る作品。
巻末、中公文庫既刊の宣伝ページに谷崎の『夢の浮橋』、ホイジンガ『ホモ・ルーデンス』が含まれているのもニヤリとさせるぜ、このご愛嬌!やるな中公!
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バルガス=リョサは、私にとっては『緑の家』に続いて2作目だが、随分と作風が違うようだ。ただ、ここでも小説の構成には独特の創意が凝らされていて、ストレートな「読み」では全体像を把握し損なうかも知れない。しかも、本編には数点の絵画も添えられている。表紙にも採用されているブロンツィーノの「愛の寓意」は、まさしく小説のタイトルそのものだが、フラ=アンジェリコの「受胎告知」などは、小説の構成そのものとともに、解釈に戸惑いもする。妖艶でコケットリーなエロティシズムと、無垢だけが持ち得る明るい残酷さが共存する作品だ。
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ノーベル賞受賞した作家の作品を読んでみようと
読みやすい厚さの作品を選んで買ってみたら
おもいっきし官能小説だった。
背徳的で淫靡な物語でありながらも
フラ・アンジェリコの「受胎告知」や
フランシス・ベーコンの「頭部Ⅰ」などの
有名絵画と古代ギリシアの神話、伝承を取り混ぜて
幻想的な世界を作り上げている。
ともあれ
おっさんの鼻毛切るくだりで10Pも書いちゃうんだから
ノーベル賞作家っていうのはやっぱり凄いと思う。
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【R15】◆耳・眼・鼻。 尻・肌・髪・血管…。官能がフェティッシュに・部分に解剖され、神話がコラージュされ、行為者は観察者と被観察者に解体される。芸術と神話が喚起する妄想こそは豊満で、その歪んだ膨らみゆえに美しいが、全体に溶け合うことがない。現実は神話・芸術と対照的にきわめてちぐはぐで卑小にとどまる。◆リョサはどういう意図で第十四章のマリアを置いたのか、はかりかねている。続編やリョサの他の著作を読んで、もう一度読み返してみたい。【2014.04.16】
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2014初読み。継子にそそのかされて父親と三角関係になる危険な話、だけど、もっとファニーで雅やかな、牧歌的性幻想といった趣。リゴベルトの丹念なる自分へのお手入れの様が、微に入り細に入りで面白い。
カラー図版も入って、本としても優雅なり。
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第一章を読んでいる時、”このエロさは本当に『都会と犬ども』や『緑の家』『世界終末戦争』を書いたバルガス=リョサの作品かと思わず表紙を見直した。が読み終るとエロさだけでは無かった。
基本の話の美少年と継母、父親の三角関係はありがち(?)ではあるが、挿入画や神話をもとに語られる幻想的な世界と現実世界の対比や父親の儀式等の繊密な描写と相まって、とても美しくでも少し滑稽でそして途轍もなく残酷だった。
いやー堪能した!!!続編の『ドン・リゴベルトの手帖』も続けて読みたい。
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美しい金髪の巻毛の無邪気な青い目をしたクピドは長い睫を震わせ、耳朶を咬みながらアモーレと甘く囁く。注ぎ込まれる甘美な毒。ウェヌスは夏の太陽と熱い砂浜を夢見て、血管を流れる葡萄酒のような熱い血に酔い痴れる。6枚の絵が紡ぎ出す幻想、美しい女体、純真無垢な悪意、粘液質の欲望はベッドの〈魔術的空間〉で絡まり合い、至高の快楽へ変わる。美と醜、聖と性が対比され、美しい旋律を紡ぎ出す。『ロリータ』の倒置だ。《おまえは…おまえはだれなのだ?》トランプの城は壊された。クピドは堕天使ルシフェルとなり夜空に飛翔する。
〈彼は睫をふるわせ、訴えるような目つきをした。泣きべそになって口をゆがめ、えくぼのある頬をぴくぴくさせて哀願した。〉
巻頭の6枚の絵画。
ヤコブ・ヨルダーエンス「カンダウレス王寝室のギュネス」
フランソワ・ブッシュ「水浴の後のディアナ」
ティツィアーノ・ベルチュリオ「ビーナスとキューピッドと音楽」
フランシス・ベーコン「頭部1」
フェルナンド・デ・シシェロ「メンディアータ10への道」
フラ・アンジェリコ「受胎告知」
日本語訳も美しくて書き写したくなる表現がたくさんあった。訳者あとがきによると原文はナボコフやジョイスのような言葉遊びにあふれているらしい。川端の淫靡なエロさに対してリョサは開放的なエロさだ。
カバーの絵はアーニョロ・ブロンツィーノ「愛のアレゴリー」。原題はBromzino,Allègorie avec Vènus et Cupidon 直訳すると多分、ウェヌスとクピドの寓意。なんで愛のアレゴリーなんだろう?解説にもあるようにこの絵がこの物語を全て表している。
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Mario Vargas Llosa, he was awarded the novel award, had fetishism ('_'?) first, i thought, it was a fantasy drama of the eroticism. but, it was the boy's project.