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ヒップホップの詩人たち ROADSIDE POETS
著者 都築 響一 (著)
パイオニア、アンダーグラウンド、気鋭の若手まで―孤高の言葉を刻むラッパー=現代詩人15人の肖像。【「BOOK」データベースの商品解説】刺激的な音楽は、東京ではなく地方から...
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ヒップホップの詩人たち
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商品説明
パイオニア、アンダーグラウンド、気鋭の若手まで―孤高の言葉を刻むラッパー=現代詩人15人の肖像。【「BOOK」データベースの商品解説】
刺激的な音楽は、東京ではなく地方からやってくる−。札幌、仙台、名古屋、広島といった地方に生まれ育ち、そこに住みつづけながら活動しているラッパー=現代詩人15人の詩とインタビューを収録。『新潮』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
だからタトゥーのように音に痛みを乗せる | 田我流 述 | 23−60 |
---|---|---|
あの日の夢なら今見てんだ | NORIKIYO 述 | 61−97 |
夢もなく生きるならせめて笑え | 鬼 述 | 103−132 |
著者紹介
都築 響一
- 略歴
- 〈都築響一〉1956年東京生まれ。現代美術・建築・写真・デザインなどの分野で執筆、編集活動を続ける。「ROADSIDE JAPAN珍日本紀行」で木村伊兵衛賞受賞。
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紙の本
マイクを握って世界は変わるか?
2023/12/27 19:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:sekainohate - この投稿者のレビュー一覧を見る
「いちばん新しいファッションは、田舎の不良が生み出している。
いちばん刺激的な音楽もまた、東京ではなく地方からやってくる。」(p.17)
本書のまえがきにはこうある。
日本の津々浦々、鬱々とした日々を過ごす人は、例えば別に東京にも当たり前に存在しているが、そこからヒップホップを選ぶ人は本当にごく少数だ。自分の詩とリズムが溢れ出し、憤懣を詩に託して、マイクを握れるのはほんの一握りである、ということは常に頭の片隅に置いておかねばならない。大半の人が、詩を書くことなく、日々の暮らしを送っている。
本書は限りなく挑戦的な本である。つまり、重低音の揺れ、暗闇、何から立ち上るのかよく分からない紫煙、人混み、ライターの火、歓声、そういったもの全てなしに、ただ詩と詩人のライフヒストリーのみで勝負をしようというのだから。
だからこそ、登場した音楽を聴くことのできる特設サイトの案内が、最後に出てくるのはちょっと残念だった。
しかし、600ページ近い本書は、内容の細かいところにケチをつけたところでびくともしない、塊としての否応ない迫力を持っている。詩の技巧がどうであれ、日本のいろいろなところにこれだけの詩がある、と物理的に見せてくる。
まえがきの文章はあまり好きではない。新しいものが地方発祥だったとしても、そのままであればそれは結局中心としての東京に流れてくるわけで、流れを変えることにはならず、東京中心主義を固定化してしまうだけだ。そして、東京を経由してNYに皆が行くというのも、所詮はただのフラクタル図形でしかない。
一番新しいものがどこで生まれるかは多分かなりどうでもいい。場所ではなくて、あなたが(おれが)詩を書くことこそが大事なのだ。本書を読めば、それは十分に伝わってくるはずだ。
例えばこういう形の表現の仕方がある、という先行事例として読むと、今現在進行形でしんどい思いを抱えている人にとって、何かの突破口になるようにも思うのだ。