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SFラノベとしては及第点
2021/02/04 03:51
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投稿者:S910 - この投稿者のレビュー一覧を見る
エネルギー問題によって突如訪れた氷河期により、「揺り籠」で冷凍睡眠されている人類と、それを管理して100年以上の時間氷に閉ざされた地下で生活しているロボット達。
次第になくなっていくバッテリーや交換パーツ。
このまま人類を守って死ぬか、人類を見捨てて少しでも長く稼働するか、ロボット達は選択を迫られる。
終末系SFで、終わりには救いがある良作。
ただ、中盤から終盤にかけての度重なる地震は頻度多すぎじゃない?
それ以外に存亡の危機を用意できなかったのかな。
せめて地上が氷河期から回復してきているから、氷が溶けて地盤が脆くなってるとか、なんかもうちょっと納得のいく説明が入ってたら終盤に高頻度で地震が起きるのも気にならなかったけど、3回も4回も「揺り籠」が危機的状況に陥るほどの地震がくるのはちょっと白けてしまったなぁ。
アイスバーンの過去も、隠していたほどの理由ではなかったし。
アマリリスとアイスバーンの関係も、もっと丁寧に描かれていたら最後にもっと切ない気持ちになった気がするけど、そこまでは至らなかったかな。
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たまたま電撃文庫の新刊情報を見ていて面白そうな感じだったので買ってみたら当たりでした。ラブコメ要素?の強いものばかりが最近のラノベは多い気がして(勝手な偏見ですが...)ここのところあまり買っていなかったのです。これはあらすじを見る限りSF要素?がどちらかというと強そうだったので惹かれました。
一巻限りで終わりですし、そんなに長くもないのでサクッと物語を楽しみたい人にはオススメです。中身のたっぷり詰まった重厚な物語が読みたいと言う方は別の本をあたって下さい。
最後は、割りと在り来たりな終わり方だったのように思えましたが、最近どうにも涙腺が弱いのか若干うるっと来てしまいました。
逢えて難を挙げるなら、最後の方が急展開過ぎたので、もっと丁寧に書き込んでもらいたかったです。
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前情報なしである意味では勢いで買ったライトノベル。でもこの1冊で世界観からキャラクター性に至るまで網羅し、かつ物語りも起承転結しっかりしていて読みやすかった。ロボット、といっても感情も五感もある設定はある意味では斬新さはない。でもその分氷の下でのロボット達の生活、ご主人様との関係性、ある映像を見てからのロボット達の苦悩などを丁寧に表現していてとても良かった。久々に読み応えのあるラノベだった。
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同著者の「雨の日のアイリス」と同じく、アレどうなってんのとかコレどうなってんのとか質問攻めしたくなるようなあれそれを、ふんだんに盛り込んだ感動系のお話。
もはやこの脇の甘さも個性みたいなもんなんで、この路線行って欲しいわぁ話自体は好きだし。今回は冒険譚もあって熱かったし。
タイトルが過去作と似たような感じで、これは「○○シリーズ」みたいな扱いなんだろうか。
しかしまぁ、10代相当の容姿を持つ清純な保育士の少女に、ご奉仕可能な程の性的オプションを搭載するとは、人間の業の深さを感じますね…。
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フリージア、アイリスと読んできて、いい話なのは分かってたし、泣かされる展開も予想できた。それでも涙が止まらなかった。ギャーピーでやられ、村長でやられ、ゲッツ、アイスバーンと主に男たちにやられました。特に最後のアイスバーンがこの上なくかっこよかった。376ページの挿絵の彼の笑顔がもう。完全なる大団円ではなかったけど、ハッピーエンドと言えるもので安心しました。月並みな感想しか書けない自分が悔しいな。
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ここは地下にある閉ざされた氷の世界。
そこには人間達が眠る施設を守るロボット達が住み、生活していた。
しかしある日、偶然発見された部屋の中にあった1枚の映像を見て、彼らは人間達を生かすか殺すかの選択を迫られることに。
これはロボット達の「生き方」が描かれた物語。
毎度のことですが本当に読みやすい作品です。
キャラもそれぞれ個性的で、役割がはっきりしている感じです。
ロボット達の身近な生活が見れ、彼らの思いや苦悩が細かく描かれていて個人的に好きな作品でした。
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2013 6/12読了。
『雨の日のアイリス』の松山さんの新刊、『~の~』3冊め。
アイリスに比べると、世界の絶望感はこっちの方が上だったけど、主人公の境遇の痛さとかいうか、読むのが辛くなるような展開はそこまでだはなかった。
その分、最後の方のカタルシスもそこまで大きくは・・・なんだけど、落ち着いて、淡々と進んでいくロボットたちの日々や話し合いは、読んでて悪くなかった。
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あらすじに釣られて買ったら連作の三番目だった
これ単品でも面白かったし大丈夫らしい
新たなプレイに目覚めるピースフルストーリー今うまいこと言った
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氷河期が訪れ、すべてが氷の下に閉ざされた世界。
人間は冷凍冬眠施設で眠り続け、それを守るためのロボットたちは小さな村を形成し、細々と生活を続けていたが・・・。
機械たちの生き方を描く物語。
松山さんは世界観の雰囲気を出すのはホントにうまいですね!
キャラもしっかり立てるし、読んでいていつの間にか引き込まれてしまいます。
ただ、今回はロボットたちの立ち位置というか性能というか感情というかそのあたりに若干の違和感を感じました。
全体的なまとまりや伏線回収は素晴らしさを感じましたけど、そこだけがねぇ。
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どうしてもアイリス並みのインパクトを求めてしまうけど、それは酷というもの。それを抜きにしても楽しめる作品。
アイリスが『再生』 フリージアは『再起』なら、このアマリリスは『共存』でしょうか。
わりと厚めの388ページは絵本や童話のようなノリで読みやすい印象。
この感動を「半分こ」しませんか?
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ロボットたちがご主人様の目覚めを待ちながら細々と暮らす話。
このゆったりとした時間の流れというか優しい世界という感じが好き。
ご主人様が思ったような人格者ではなくても、たとえ誰かを蹴落としても助かりたいと思うエゴイストでも守りたいと思う気持ちは素晴らしいと思う。
「半分こ」という考え方が結果的にご主人様とロボットを救ったと思うと、優しい気持ちになれる。
アイスバーンの前職がまさかのあの職業。意外。
だからこそあのチャラチャラとしたキャラなのかもしれない。
それにしてもアマリリスが可愛いあい、ビスカリアってちょっと進撃の巨人のハンジさんっぽい。
ところでシークレットルームのエロビデオの需要は誰なのだろうか。男女なのはともかく男同士のものも存在するって……。
というよりも、ちゃんと仕事してくれ……。
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SFチックなファンタジー、という印象のライトノベル。
序盤、世界観に馴染むまではちょっとしんどいかもしれないが、そこを越えれば、するすると読み進められる。話の筋としては面白い。また、SF作品が志向するような文学的な要素も楽しめる。が、後半、ややバタバタしている感じは否めない。
とりあえずアイスバーン君は格好いい、ということで。
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前作「雨の日のアイリス」と同じく、ロボットを題材にした作品(続編ではなく、世界観は別物)。ロボットの存在意義については前作も触れられていたが、今作ではさらに深く掘り下げられており、ロボット達がご主人様こと人間に奉仕する姿には胸を打つものがあった。
テーマや全体的な内容自体は面白かったのだが、どうにも腑に落ちないところがあった。その最たるが、本作のキーキャラクターであるアイスバーンの過去と設定である。
序盤から、彼の過去だけは隠されており、「この世界の真実に関係があることなのかな?」と期待していた。一人だけ殺傷能力の高い武器を搭載していた点も、「普通の奉仕ロボットではない」という予想を裏付けているように思えた。
だが、ひた隠しにされていた過去は「やんごとない身分のお嬢様に仕える執事ロボットでした」というもの。明らかに終盤まで引っ張るような大層なネタではない。しかもそのネタばらしのあるシーンは、なぜか視点が移動している。そんな小細工をする意味もわからないし、執事だった過去を隠していた理由もわからない。長らく積み重ねていた伏線を一気に回収して読者を驚かせてくれるのでは、と期待していたが見事に肩透かしを食らい、結果として読後感も微妙なものになってしまった。
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1巻完結。
数多あるライトノベルでも相当、辛辣なことを描いている。
話しの中で『人間』って助ける必要あるの?と問われてるシーンがあるけど、ここで言う『人間』とは種としての意味の他、『人間』らしく優雅で知的な『上流人』を指している、とも思った。そういう人達にとって他の輩はロボット同然に見えているんでしょうけど、その『ロボット』達の献身が無ければ『人間』など簡単に死ぬんだよ、と指弾している、との感想を持ちました。
物語ラストシーンの世界は救いでしょうか?
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こんな健気な存在、人間ではそうそう見つけられないね。でもまぁ、氷河期でも地表の状況は観測するだろうし、スノウホワイトのエネルギー源が大寒波の原因と同じってのも引っかかる。これだけの感情と思考能力を持っていながらマスターを見捨てられないのは、いいことにしておこうか。