ポール・マッカートニー心のサウンド 全活動・全作品パーフェクトブック （日経ＢＰムック）

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投稿者：みなとかずあき　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

何と、ポール・マッカートニーのビートルズ以降の活動を網羅したムックです！
世界的にはどうなのか知りませんが、これだけ年月が経っているにも関わらず日本では未だに「元ビートルズの」という言い方をされてしまうポールですが、すでにビートルズ以降のキャリアの方が断然長く、またそのキャリアもビートルズに負けず劣らずなのにその全容を知ることはなかなか難しいものでした。
でも、このムックはそこを補って余りあるくらいに充実した内容です。
巻頭の、現在行われているワールド・ツアーのレポートからすごいです。写真はもとよりセットリストやレポートと、これを見ているだけでライブを観たくなってしまいます。
Part1はポールの活動を全般的に理解するのによい、様々な人たちによるポールのレビューになっています。個人的には、松村雄策氏の「パフォーマーとしてのポール考」が良かったですね。
そして、Part2　オリジナルアルバム＆シングル徹底ガイドとPart3 パフォーマンス＆関連作品ガイドが圧巻です。1970年以降のポールの作品とパフォーマンスがすべてわかってしまうのではないかというくらいに詳細に書かれています。自分の記憶と重ね合わせ、いつしかしばらく聴いていなかったアルバムを取り出したくなってしまいました。1970年代になってから知った世代としては、ポールと言えばウイングスで、その頃の作品がきちんと扱われているのが何と言ってもうれしいです。
Part4 マルチアーティストとしての全作品ガイドは、ポールのミュージシャン以外の活動を知る手掛かりとなりました。こちらも、まとめて知ることがなかなかできなかったので、非常に参考になりました。
全体を通じてともかく、ビートルズについてほとんど書かれていないのが潔くて良いです。上にも書いたように、50年にも及ぶ活動のうちビートルズは10年ほどにしか過ぎず、それ以降の方がはるかに長いキャリアがあるわけですから、そちらに光を当てるということが今までなかったと言うことの方がおかしいとも言えます。
それに、どこを読んでも単なる感想や個人的な見解に止まっておらず、公正に評価しているところもうれしいです。
ともかく、どんどん読んでしまいましたし、読めば読むほどアルバムを聴き直したくなりましたし、ライブを観たくなってしまいました。
ムックでありながら、こんなに充実して、楽しめるものはないと思います。

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投稿者：おかぴー　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

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