天才2人の遠足日記
2017/04/30 22:44
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投稿者:雲絶間姫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
コミカルでちょっと斜に構えた建築史家の藤森照信と、現代のファンタジーを細密なやまと絵で表現する山口晃画伯による、名建築を訪ね歩く遠足日記に目が離せません。読みながら何度声に出して笑ってしまったか。一流の2人だからこそ口に出る感想が素敵です。
建築家と画家の建物探訪
2017/10/09 09:11
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投稿者:想井兼人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
建築家である藤森照信氏と日本画家である山口晃氏が、日本各地の建築物を探訪する1冊。
取り上げられた建築物は13件になります。
お城や神社、寺院はもちろん、江戸時代の学校建築や室町時代の民家まで幅広く探訪して、二人で語り合い、本書ができあがりました。
基本的には建築家の藤森氏が語り手で、画家の山口氏が聞き手となりますが、山口氏もいろいろと語りますし、彼のさらりと描いた素描がいい味を出しています。
この2人だから完成した1冊であり、建物訪問の参考になるはずです。
それは、本書に掲載されていない建物にも応用できるはずです。
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意外と藤森さんの古建築評論はやってないのか
対象の建築も
待庵や投入堂みたいな定番以外に
へえみたいなのがあってよかった
行きたくなったのは
法隆寺(回廊がよさそう)
旧閑谷学校(床のつるつると暗さ)
三渓園(初めて聞いた、横浜)
西本願寺(絵がすごそう、見れるのか)
山口画伯とのかけあいは
いまひとつかなと思ったけど
さいごの西本願寺で息ぴったり
もうちょっと
写真がほしいかな
(コメントの部分が見たい)
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いやぁ~、藤森先生と山口画伯の掛け合いが実に楽しい。(^^)
機会があれば、この本をガイドブックにしてあちこち見学したいなと思った次第デス。
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≪目次≫
1 法隆寺
2 日吉大社
3 旧岩崎家住宅
4 投入堂
5 聴竹居
6 待庵
7 修学院離宮
8 旧閑谷学校
9 箱木千年家
10 角屋
11 松本城
12 三渓園
おまけ 西本願寺
≪内容≫
ぼけとつっこみ…こっから始めちゃダメだった。日本の建築史について、詳しい藤森照信と奇才の日本画家山口晃のコラボ。ぼけの山口さんも実は高邁な知識をお持ちで、最初はその漫才についていけない感じだが、慣れるとお二人の講義を聞きながら、こうした建築物を鑑賞したくなるとても素晴らしい本です。
特に待庵と角屋はいいですね…。
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「ヘンは日本美術史」以来、気になるのが日本画家の山口晃。売れっ子だからとても本物は手が出ないし画集も高いのでちょっと買うのを躊躇ってしまうが、これはあの「トマソン」と赤瀬川邸を設計した建築士である藤森サンとの日本の代表的建築物を訪問する対談エッセイ集。似たような企画では、今年刊行された作家の万城目学と門井慶喜氏による「ぼくらの近代建築デラックス」があるが、流石にこのコンビだと法隆寺などの代表的日本建築物を見て廻るというもの。あれこれと建物に関する蘊蓄もあればオトボケ感想もあって楽しみながら建築を学べる内容。
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法隆寺から旧岩崎邸まで、代表的な日本建築を見て廻り、対談をするという企画。二人共ものの見方がユニークで妄想癖も有るようだ。その掛け合いは、最高に楽しく笑える。画伯の漫画も臨場感を伝えていて楽しい。番外編のタンポポハウス探訪記をもっと詳しく書いて欲しかった。
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変な建築ばかりしてるひと、藤森照信セレクションの日本建築を、変な日本絵を描いてる人、山口晃に藤森照信自身が講義する形で行われた対談紀行文です。とても読みやすく、一晩で読みきれました。雑誌の連載だったみたい。
軽い対談と、ほぼ謙遜と4コマ漫画でちゃかししかしない山口晃の様子に笑いつつ、日本様式及び建築における光と美について本気で学べるいい本でありました。
曰く、インテリアは布化する、とか、金は上からの光には奥行きを無くし、横からの光で奥行きを生む、とか。そうだったのか。
とりあえず金箔使って内装やってるひと(極限定向け提案)は、これ読んで西本願寺と角屋に行ってみると面白いと思います!
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図書館で借りて。山口さんの漫画目当てなところがあったけど、お二人の対談も建築講義としても楽しく読んだ。
紹介されている建物を訪ねたくなる。
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う〜ん、この本面白い!この本持って「第1回法隆寺」や「第11回松本城」へもういっぺん行ってみたくなりました。まだ行ったことのないところでは「第12回三渓園」ぜひ行ってみたいなぁ〜。「第3回旧岩崎家住宅」も近いから行けそうだな。
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この本のジャンルはなんだろうとしばし悩む。建築物についての本ではあるが、旅の要素もあり、対談風でもあり、山口画伯の漫画あり、、でまあ、ちょっと蘊蓄ある見物日記のようなもの。
行ったことのある所も行ってない所も行きたくなる案内書です。でも私達が行っても見ることの出来ない所も多いでしょうが。
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誰もが知っている日本建築。でもどんな由来で、どうやって作られているの?そんな疑問に答えてくれる本。脇道にそれたうんちくも面白い。現地に行ってみたくなること間違いなし。(院生アルバイトスタッフ)
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平成の絵師、山口晃と、縄文建築家(?)藤森照信がコラボを組んで面白くないはずがない!
自分も行ったことがあるところ(松本城、三渓園、法隆寺など)もとりあげられていたけれど、そんな見方ができるのかとびっくり。
建築を鑑賞するというのはただ目で形を見るだけではないということに気づかされた。
特に山口さんの鑑賞スタイルはすごいと思った。
体との調和、開口部の開閉(による明るさの変化)による印象の変化、音や湿度、温度などの周囲の環境からの影響などなど、あらゆるものを関わらせ、動員させて味わっている。
さすが芸術家だなあ・・・。
藤森さんの建築史的解説も、もちろん面白かった。
冒頭の法隆寺の太柱は、ギリシャのエンタシスだという説は・・・全く立証されていないという話にはびっくり。
奇人、二笑亭渡辺金藏のこととか、お寺の、鐘楼のような形のあの独特な窓を華頭窓というとかといった、ちょっとした話もとても興味深い。
山口さんの図解・・・というか、漫画もふんだんにあって楽しい。
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これはタイトルを変えたらどうかな。「日本建築漫遊記」とかどうでしょう。
ほんとに真面目な「集中講義」かと思ってパスしてたのよ。東大名誉教授と天才絵師の組み合わせだもの。でもこのお二人、「路上観察学会」と「ヱセイ漫画」の方でもあるわけで、いやまったく面白い。こういう本って他にあるかしらん。
山口画伯の絵については、もうあれこれ言う必要もないだろうけど、何とも味わい深く、実に楽しい。圧倒的な画力あってこその飄々とした筆遣いに魅了される。今更ながら「省略」の凄さに感嘆。ささっと描かれているのに、しっかり量感や奥行きがある。各章の扉となっている絵に特にそういう感じがあって、旧閑谷学校の回などすばらしい。ご自身をヒゲのオジサン風に描かれているが、実物は長身の男前。かっこいいなあ。
そして藤森先生がこれまたケッサク。えらい先生なのに、どこへ行っても言いたいことを言い、すぐに寝っ転がり、団体行動ができない。山口画伯による似顔絵がその雰囲気をすごくよく伝えていると思う。でももちろん、お話は深い。教養と見識に裏打ちされた「講義」はもっともっと聴いていたくなる。今でも学生を連れてあちこち見学に行かれるそうだ。学生たちがうらやましくなる。
ワハハ!と笑ったり、なるほど!と唸ったりする所があちこちにあるが、二箇所だけ抜粋。
(訪れた「聴竹居」のあまりに完璧なしつらえに辟易して)
藤森「あのさ、めちゃくちゃデッサンがうまくて有名な藝大の先生っていましたよね。合唱する女学生たちを描いた…」
山口「小磯良平でしょうか」
藤森「そう。もう、ヤだよねえ(笑)」
山口(笑いながらうなずく山口さん)
藤森「あまりに非の打ちどころがなくて、直しようのないものをつくれちゃう人がいるんだ」
この後、藝大時代デッサンは上手だったかと尋ねられた山口さん、「人並み、でしょうか」と答えていた。とんでもなくうまい人っていうのがやっぱりいたけど(白黒写真で撮ったようなデッサンなんだって)、そういう人は絵を描かなくなってしまうんだそうだ。ふーん。
(横浜の三渓園がお二人ともいたく気に入って)
藤森「僕の構想段階にある建築に『車の茶室』っていうのがあるんです。(略)本物の車を茶室化して、街を走って好きな所でお茶を飲む。今まで自家用車でそれができればと思ってたけど、船形の聴秋閣を見てたら、バスでやれば、と思ったの。『建築が走ってる』ように見えるのが大事!デザインは和風にしないだろうけど、フロントガラスは障子でね」
山口「しょ、障子ですか」
藤森「フロントガラスの障子をあけて『さあ、出発!』ってなかなかいいでしょ?運転手は僕で、車掌は山口さん(笑)」
藤森先生のご自宅であるタンポポハウス(屋根にタンポポが植えてある)や、茶室「高過庵」(名前通り木の上で揺れている)、「空飛ぶ泥舟」(ワイヤーで吊ってある)などを見ると、これがあながち冗談でもない所がすごいです。
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たまもひさんのレビューを見て購入。たしかに漫遊記のタイトルの方が内容に合っているかな。でなければ放談記とか。
藤森先生の建築探偵の本や赤瀬川源平氏たちとの路上観察学会の本は30年ぐらい前の愛読書。先生の著書も面白いのだが、先生の後書きにあるボケ役というか話の引き出し役があるとまた一味違った面白さが得られる。赤瀬川氏のような芸術家や井上雄彦さんや山口氏のような絵師とが波長が合うんだろうな。
しかし、藤森先生って団体行動や人の話を聞くのが苦手にようで、勝手にどんどん先に行っちゃうし、畳があると寝ころぶし、マイペース振りが何とも可笑しい。しかし、出てくる学識の豊かなこと。宗教と建築の関係や都市の成り立ちなど。あ~そうなのかと何度も思った。僕も先生の解説付きで建築探偵したいよ。ホント羨ましい。
で、その羨ましい人、山口画伯の絵はどこかで見ているのだろうが、僕は浅学でよく存じ上げない。サラサラと描いたスケッチも良い味だが、何箇所か克明な絵にゾクッとした。投入堂の建築の図。先生監修で本気で描いたら凄そう。
しかし、下膨れの中年オヤジの自画像と写真のハンサムなオジサンは全然似てないゾ。食事に無頓着な先生や編集者にブツブツ言っているのも可笑しい。タイミングの良いボケ役の妙。
突発的に藤森先生の作品、矩庵や高過庵、空飛ぶ泥船の探訪もある。本人が作品を語るのは読んだが、他人の体験記は貴重。(やっぱり揺れるんだ。)
箱木千年家で山口画伯が竪穴式と高床式の途中と描いているのにアレッと思う。雑誌に連載されたころは先生の茶室学は出版されていなかったのかな。著作では竪穴式は進化して土間のある民家になる縄文系の流れで、高床式は寝殿造り、数寄屋に進化する弥生系の流れとのこと。茶室は縄文系と藤森先生は認識している様子。そんな訳で読了後、民家園や民俗博物館(大阪・千里)で囲炉裏や土間を見ると成程、成程、竪穴から進化したのかと納得してしまうぐらい影響受けてます。
千年家は一度でいいから見てみたいな。
伊勢神宮に白石を献上したいとの言葉もあったが、これは井上雄彦さんをソソノカシテ実現していますな。
最後に文句を一つ。写真や画伯の絵にカラーがないのが残念だった。