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  • みんなの評価 5つ星のうち 4.7 1件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2014/02/22
  • 出版社: シーライトパブリッシング
  • サイズ:20cm/262p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:978-4-903439-97-6

紙の本

モンド9

著者 ダリオ・トナーニ (著),久保 耕司 (訳)

不気味な巨大船“ロブレド”を軸に展開される、生物と機械を巡る四つの物語。機械と生物が境界を越えて、互いを侵食する。機械部品は血肉と混ざり合い、肉体は毒に蝕まれて真鍮に変容...

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モンド9

税込 1,980 18pt

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商品説明

不気味な巨大船“ロブレド”を軸に展開される、生物と機械を巡る四つの物語。機械と生物が境界を越えて、互いを侵食する。機械部品は血肉と混ざり合い、肉体は毒に蝕まれて真鍮に変容していく。機械は毒薬によって死に、機械の命令で巨大な鳥が産んだ卵から生まれるのは機械部品。生物は金属に侵され、機械は生命の営みを行なう。砂の下に潜むのは屑鉄を食する奇妙な植物“錆喰らい”、そして勃発する機械と機械の戦い…イタリア賞、カシオペア賞受賞作品。【「BOOK」データベースの商品解説】

【イタリア賞】【カシオペア賞】機械と生物が境界を越えて、互いを侵食する惑星・モンドノーヴェ。生物は金属に侵され、機械は生命を営んでいた…。巨大船ロブレドを軸に展開される、生物と機械を巡る4つの物語。【「TRC MARC」の商品解説】

目次

  •  プロローグ
  • カルダニク
  •  間奏
  • ロブレド
  •  間奏

著者紹介

ダリオ・トナーニ

略歴
〈ダリオ・トナーニ〉1959年ミラノ生まれ。ボッコーニ大学で政治経済学を専攻。作家、ジャーナリスト。「モンド9」でイタリア賞とカシオペア賞を受賞。現代イタリアSFを代表する作家の一人。

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書店員レビュー

MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店

恐怖のSF

MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店さん

世界9(モンドノーヴェ)は広い果てしの無い世界。
砂漠が永遠に続き、砂には毒がある(!)
移動は機械の超巨大船または船型の都市。
船は、移動手段でありながらも、人を喰い、疫病をもたらす。

4つの短編で構成されているが、バラバラでいてひとつの物語となっている。
物語だけでなく、文章そのものがバラバラに感じ、
気持ちを入れずらいのだが、
恐怖だけがジワジワ広がる、不思議なイタリアのSF。

みんなのレビュー1件

みんなの評価4.7

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (0件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)

紙の本

……あまりにも、絶望的じゃないか。

2015/08/24 17:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ef - この投稿者のレビュー一覧を見る

SFの魅力の一つに、その世界構築の驚きというのがあると思います。
 本作は、まさにとんでもない世界を作り上げてしまったところに大きな魅力があります。モンド9(モンド・ノーヴェ)とは、ある広大な惑星の名前です。本作は、この惑星を舞台にした連作短編と言って良いかと思います。
○ カルダニカ
 巨大な船が広大な砂漠の上を進んでいきます。車輪を持った船で、蒸気機関で進んでいきます。
 ところが、砂漠の真ん中で故障してしまうのです。
 助かるためには、「継手タイヤ」と呼ばれる、非常時には脱出艇にもなるタイヤ部分に潜り込んで、本体から分離して逃げ出すしかありません。
 砂漠の砂は毒性を帯びており、船外に出るなどもってのほかです。
 「継手タイヤ」は非常時には自動的に変形し、勝手に近くの港に向かうのですが、マニュアルで操作することは不可能です。
 どこか一番近い港に着いた時点で初めてハッチが開けられる仕組みになっており、それまで何年かかるか分からないのですが、自動操縦に任せるしかないのです。
 これは……まるで囚人じゃないか!
○ ロブレド
 父親と息子は、砂漠の毒に犯されながらも、何とか食料を採って生き延びようとしています。頭上には沢山の鳥が飛んでおり、それを弓矢で打ち落とそうとするのですが……。
 そんな砂漠の中に、遺棄された巨大な船を見つけます。それがロブレドです。
 どういうわけか、鳥達はロブレドの中にネズミやトカゲなど、捕獲した食べ物を落としているようなのです。
 ある日、父親の姿が見えないことに気づいた息子は、ロブレドの中に入り込んでいきます。すると……閉じこめられた!
 お前は卵の孵化を見守り世話をするのだ……船が語りかけてきます。
 鳥達が生み付ける卵の中からは様々な物が生まれてきます。それは、船の代替部品達。
○ チャタッラ
 ここは腐ったような海です。砂漠を走っていた船も、遺棄されると何故かこの海域に流れ着いてしまうようです。
 気が遠くなる程沢山の船がからみあい、島のように固まっています。
 この船達は、遺棄されたとは言え、未だに生きているのです。
 <毒使い>の姉と弟は、この船に毒入りの餌を与えてその命を絶つことを生業としていました。しかし、海水も汚染されています。
 そんな海水を浴びてしまうと、身体が金属に変化してしまうのです。
○ アフリタニア
 最初の作品で登場した船長が再度登場します。船長はあの脱出行を生き延びたのでしょうか?
 船長はもう随分年をとっていますし、汚染されており、足がもう金属に変わりつつありました。船長は、今度はアフリタニアという砂漠を進む巨大な船に乗っていました。この作品で、船の<外部者>と<内部者>という存在が明らかにされます。
 どうやら、船の外には通常の人間がいるのですが、船の内部にも何らかの生命体がいるようなのです。
 そして、船に意思を持たせ、操っているのはその<内部者>らしいのです。
 アフリタニアは、目的の港目前まで進んできますが、何と、そこでロブレドに出くわします。
 はい、2番目の作品に登場した遺棄された船ですね。
 ロブレドは、アフリタニアに向かって攻撃してくるのですが……。

 とにかく、この異常とも言える絶望的な世界描写にやられてしまいます。
 ストーリーとしてはあまりに絶望的な展開になっていくのですが、それが大変魅力的な味わいになっていると感じました。
 機械と人間が融合するようなサイバーチックな雰囲気やスチームパンク的要素もふんだんにあるので、お好きな方は気に入るのではないでしょうか?

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