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- カテゴリ:一般
- 発売日:2014/03/01
- 出版社: 山川出版社
- サイズ:21cm/109p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-634-47481-9
紙の本
ムスリムNGO 信仰と社会奉仕活動 (イスラームを知る)
著者 子島 進 (著),NIHUプログラムイスラーム地域研究 (監修)
イスラームの信仰に根ざしつつ、緊急救援や教育、福祉といった分野で社会奉仕に努めるムスリムNGO。東日本大震災における彼らの活動を皮切りに、著者が長年調査を続けるパキスタン...
ムスリムNGO 信仰と社会奉仕活動 (イスラームを知る)
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商品説明
イスラームの信仰に根ざしつつ、緊急救援や教育、福祉といった分野で社会奉仕に努めるムスリムNGO。東日本大震災における彼らの活動を皮切りに、著者が長年調査を続けるパキスタンの事例を紹介し、その姿と特質に迫る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
子島 進
- 略歴
- 〈子島進〉1964年生まれ。総合研究大学院大学文化科学研究科博士課程修了。博士(文学)。東洋大学国際地域学部教授。専攻は文化人類学、南アジア地域研究。著書に「イスラームと開発」など。
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書店員レビュー
イスラームの社会奉仕活動
ジュンク堂書店ロフト名古屋店さん
東日本大震災では多くのNGOがボランティアに参加し、復興支援活動に従事した。そのなかにはムスリムたちの姿もあった。
イスラームは弱者を助けることを美徳としている。困っている人を助けることはアッラーの教えであり、困っている人を助ければアッラーが喜んでくれる。それだけの理由で彼らは異国の地の被災地のため、そのネットワークをフル活用して支援活動を行ってくれたのであった。そこには「過激」「厳格」「閉鎖的」とイメージされがちなイスラームの姿は存在しない。
実際に彼らの活動に触れたことで、そうしたネガティブな先入観がすっかりなくなり、以後は積極的に彼らの活動の手伝いに加わるようにさえなったという。
東日本大震災での事例を第一章としているが本書の中心は筆者の専門であるパキスタンのムスリムNGOである。NGO活動をとおしてイスラームの姿に迫ろうと試みている。
例えばパキスタンで主に教育活動・職業訓練を重視し学校を運営しているファラーヒードライン財団というムスリムNGOが取り上げられている。創始者のムハンマド・トファイル・クレーシーはNGO活動をはじめるにあたって息子と次のようなやり取りをしている(本書の38ページ)。
「今度、ラーホールでジハードをすることにした」
「へえ、ジハードをするんですか。何をするんですか」
「貧しい子どもたちのために、無料で勉強できる学校をつくる」
ここでジハードという言葉に注目して欲しい。しばしば日本では「聖戦」と訳されているが、本来の意味は「アッラーの道のために奮闘努力すること」である。こうした弱者への支援活動は、イスラームにとってジハードなのである。また、彼の息子は日本で活動するムスリムNGOであるJITの事務局長を務めており、東日本大震災の際には、ファラーヒードライン財団も支援活動を行っている。こうした活動を知ることでイスラームへの理解を深められることを願うばかりである。
また、本書で扱っているAKRSPはイスマイール派の指導者が率いるNGOであるが宗教性を強調することなく農村開発に大きな貢献を果たしている。このような事例はムスリムであるかどうかを問わず、NGOという活動自体がこれからの社会で果たす役割・課題・可能性を考える上でも興味深い。