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- カテゴリ:一般
- 発売日:2014/04/22
- 出版社: 弦書房
- サイズ:19cm/232p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-86329-100-3
紙の本
小笠原諸島をめぐる世界史
著者 松尾 龍之介 (著)
小笠原諸島はなぜ日本の領土になりえたのか? 江戸時代には「無人島」と呼ばれていた島々が、幕末に「小笠原」に変更された経緯を解き明かす。小笠原諸島からみた近代日本の外交史。...
小笠原諸島をめぐる世界史
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商品説明
小笠原諸島はなぜ日本の領土になりえたのか? 江戸時代には「無人島」と呼ばれていた島々が、幕末に「小笠原」に変更された経緯を解き明かす。小笠原諸島からみた近代日本の外交史。【「TRC MARC」の商品解説】
小笠原諸島からみた近代日本の外交史。かつて無人島(ムニンシマ)と呼ばれた世界自然遺産の島々が、1968年の返還から46周年。延宝3年(1675)日本人として初めて島々を探検した嶋谷市左衛門とは何者なのか。そのときの航海術はどこから学んだのか。そして船はどのような型だったのか。どのようにして辿り着いたのか。幕末期、なぜ島々は「小笠原」と呼ばれるようになったのか。明治9年(1876)小笠原諸島はなぜ日本の領土になりえたのか。本書は、それらの疑問点を『嶋谷市左衛門覚書』(17世紀後半)『三国通覧図説』(林子平、1785年)さらに『仏訳・三国通覧図説』(クラプロート訳、1832年)を中心に解き明かしてゆく。【商品解説】
目次
- 第1章 小笠原諸島の発見
- 第2章 日本人の大航海時代
- 第3章 小笠原探検
- 第4章「無人島」から「ボニンアイランド」へ
- 第5章 太平洋の世紀
- 第6章 ペリー提督の小笠原
- 第7章 幕末の小笠原
- * 小笠原をめぐる主要関連年表
著者紹介
松尾 龍之介
- 略歴
- 〈松尾龍之介〉昭和21年長崎市生まれ。北九州市立大学外国語学部卒。主に「漫画社」を中心に仕事をする。洋学史研究会々員。俳句結社『空』同人。著書に「漫画俳句入門」「長崎蘭学の巨人」など。
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歴史年表の書き換えが必要な史実。
2014/08/20 14:52
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投稿者:浦辺 登 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和43年(1968)6月、アメリカの統治下にあった小笠原諸島は日本に返還された。これはアメリカによる二度目の返還になる。最初の返還は開国を求めて江戸にやってきたペリーからだった。ペリーは小笠原の父島在住のアメリカ人を海軍に組み込み、黒船艦隊の石炭貯蔵所の管理をさせた。小笠原諸島を最初に発見したのは日本であることを知りながら支配が及んでいない、放棄したものとしての処断だった。強硬に開国を求めたペリーだったが、まるで侵略者の行為。文明人の行いではない。
「小笠原諸島はなぜ日本の領土になりえたのか」を主題に本書は解説されている。文禄二年(一五九三)、小笠原頼貞による発見から小笠原諸島は日本の領土に組み込まれた。誰もが、そのように教えられた。しかし、真実は長崎人の嶋谷市左衛門による探検だった。それも幕府の指示によるものだった。しかし、この嶋谷の無人島記録が海外に伝わっていたことで、「漁夫の利」として日本に転がり込んできた小笠原諸島だった。
本書では、領土問題の根本から説き始める。いったい、誰が、何をもって領土の決定を下したのか。その起源は海洋国家スペイン、ポルトガルの争いにあった。時のローマ法王に裁決を委ね、一四九三年にトリデシャス条約が締結された。日本は室町末期、戦国時代に突入して領地の奪い合いをしていた。西洋列強の事情によって、地球が二分割されたことも知らず。
本書は、諸外国の市場獲得競争の狭間で、なぜ、小笠原が日本領に繰り入れられたかの歴史を解き明かす。この小笠原諸島は、現代日本に経済水域という資源をもたらした。この史実は、領土領海という概念を理解する上で有用である。執筆した著者は小笠原発見は嶋谷市左衛門と歴史年表に記載して欲しいだけ。その著者の執筆目的を飛び越え、近代史に問題提起をしている。
ミズーリ号艦上での降伏文書調印式では、ペリーの星条旗が艦橋にあった。アメリカの日本侵略の完遂の印として。