紙の本
近畿大学の上昇
2020/07/19 15:07
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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
2020年7月19日現在、本書には2016年に文庫の新版が出たようだ。現在は、そちらで読むのが良いだろう。
近畿大学は、本書で多くの紙面が割かれているマグロだけでなく、紙の出願を廃止したりなど、様々な施策を行い、評価されてきた大学である。日本は首都圏に一極集中の状態で、東京の大学ばかりが目立つ構造となっているが、近畿大学は関西にありながら、志願者数が1位となり、その存在は輝いてみえる。
紙の出願を廃止してネットでの出願にしたのも、受験生への配慮からという側面が大きかったようだ。もちろんネットを使えない人に対しての配慮も忘れていないようだ。また、オープンキャンパスでも、来場者への気配りを忘れず、入学式では、不本意入学であった学生でも前を向けるようにと派手なものを行うなど、おもてなしの精神が表れているようだ。確かに堅苦しい入学式を形式的に行うことにそれほど意味はないのかもしれない。
広報も、漫然とそれまでの広告媒体に出稿するのではなく、本当に効果があると見込まれるところに集中して露出する。さらにプレスリリースを多くし、新聞に取り上げられるようにする、レスポンスを早くして、たくさん記事を書いてもらうなど戦略を練っているようだ。
関関同立や産近甲龍などの括りは、“入れ替え戦のないリーグ戦みたいなもの”(p205)とあるが、まさしく、この偏差値によるグルーピングから抜け出すことはほぼ不可能だろう。しかし、近畿大学はこの不可能とも思える壁に対してもどん欲に挑戦しているようだ。
電子書籍
近大躍進の秘密が・・・。
2015/03/29 13:25
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投稿者:JAY - この投稿者のレビュー一覧を見る
関西に住む私にとって身近な大学である「近畿大学」に関する書籍であり、その表題に惹かれ読み進めました。
内容は、関西の一中堅大学である、近畿大学がいかにして日本一の受験者数を獲得するに至ったかを、この大学のもう一つの話題である「近大マグロ」の養殖の苦闘と成功を絡めて推測されており、興味深く読むことができた。
また、この大学の取り組みは、大学経営だけではなく、一般の企業経営にもつながるものだと思う。
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【選んだ理由】
アマゾンで評価が良かったから。近大マグロが気になったから
【読んだ感想】
志願者が日本一になったことは、素直にすごいと思うが、マーケティングの一つな気がする。それよりも、近大マグロに代表される海産物系の話にもったページを割いて欲しかった。
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⚫︎近大がno1になった理由
1,入試改革
①試験日程拡充②併願促進(全学部統一問題、センター利用)③ネット出願
2,女子学生の獲得
3,エコ出願、近大マグロのメディア露出
1,今までターゲット外だった女子に受け入れられるようにした。
-男子より2倍広く、パウダールームとしての役割を果たすトイレ
-キレイなキャンパス
-英語村E3(日本語NGのおしゃれなカフェ)
2,完全インターネット出願による受験料と手間の削減(エコ割)
3,オープンキャンパスでの細やかなホスピタリティー
-「来場ありがとうございます」などのへりくだった言葉
-夏場を考慮した水の配布
⚫︎マグロの養殖に成功した理由
-マグロの養殖が難しい理由
(そもそも)
1,動き続けなければならないため、大きな生簀と食費が必要
2,非常にナイーブ(薄く傷付きやすい皮膚、ストレス耐性の弱さ)
(さらに)
1,どこで受精しているかわからない
2,孵化したばかり、稚魚それぞれの段階での飼育法が全く不明。
これらを一つ一つ解決していった結果成功したが、他の研究機関と異なり継続できた理由は自主自立の精神による養殖ビジネスで研究機関費用を捻出できたから。
⚫︎近大マグロ店舗
小売していた時の人気から飲食店の可能性は考えていたが、サントリーの登場で一気に実現に向かう。結果、潜在的な日本人のマグロ嗜好性と世界初の完全養殖の注目度で大ヒット。
また、実学教育の場として文芸学部の学生が制作した陶芸の器の利用や農学部学生の考案したメニュー提供をしている。
⚫︎近大の広告戦略
1,広告の役割は、メディアで取り上げられたら終わりではなく、圧倒的な露出のもと、視聴者読者に記憶されて初めてPRになる。
豊田通商との協定という地味な記者会見においても、数多くのメディアに取り上げてもらうためワイドショーなどの要素やブロガーを利用した。
2,選択と集中。今までの広告媒体の見直し。
無料受験媒体誌や大学連合広告は大学の魅力をメッセージできないこと、通過率の悪さから掲載をやめ、自大学で作るメディアに力を入れることにした。
3,費用対効果の考え方→志願者が増えるかどうか。
+賞をとること。
4,広告出稿にあたっての3つの基本
①大学界の常識を逸脱したとしても目立つ
②大学名を隠しても近畿大の広告だとわかるようにすること
③クリエイティブを代理店に丸投げしないこと
5,広報(会社の活動の告知)において重要視していること。
プレスリリースの量→取り上げられる量を増やす&マスメディアの仲介のもとジャーナリストを介して取り組みや考えを伝えてもらう機会を増やすため。
スピード→ジャーナリストからすると即座の情報提供は嬉しいもので、先に来たものから精査する。結果取り上げられやすくなる。教授ごとの専門をまとめた冊子を報道機関に配布も。
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なるほど、最近マグロで話題の近大もなかなか頑張っているじゃないかと思わせる本であった。一つ気になったのが関関同立を10年以内に超える(偏差値で)という目標を掲げたについてもっと詳しい具体的な情報を得て欲しかった。10年後の近大はか関関同立近となっているだろうか、楽しみである
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建学の精神が単純明快に「実学教育」とあり、大学の研究の成果を社会に還元していくことが第一であるため、マグロの完全養殖から消費者が口にし、評判を聞くところまで大学でやってみて、確かなものになれば漁業者の支援にまわる。建学の精神どおりの営みがユニークな大学と受け止められることになるのだから、全国の大学が建学の精神を見つめ直すともっともっと各大学から興味深いメッセージを発信できるのかなと思いました。
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近大はマグロだけではない。最近の躍進の裏に迫る良い本。ビジネスの目利きと集中投資、そして学校を上げての対外アピールの旨さというのが、読んだ感想。大学も競争していかなければならないなか、1人勝ちが続くかもしれない。
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#読書開始
・2015/7/1
#読了日
・2015/7/7
#経緯
・関西在住で近大と同じグループの大学を卒業したものとして気になったため、購入。
#達成、満足
・大学の固定観念を覆す取り組みによって生まれた結果。
・問題解決、経営感を養うのに満足。
#感想
・大学という固い業界で動きも遅いと思っていたが、近大は組織一体となって改革に取り組んでいる。
・大学とは、近大とはを理解しながら、学生、世情のニーズに合わせて先駆者として対応しておく。18歳人口が減少していく影響を先にかかる教育業界において模範的といえるのではないか。
・組織的に、自主自律して問題解決に取り組み結果を出す。これが大きい。
#オススメ
・教育業界やそれに近い固い業界に勤務している方にはオススメと思う。
以上
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恥ずかしながら近大マグロについても本書で初めて知ったほど、近大について何も知らなかったが、こんなに面白い大学が関西にあったとは。大学という変革を起こしにくい環境にありながらも、こんなにも変革を起こそうとする姿勢は企業も見習わなけらばと思う。
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大学ってもっとつまらないところだと思っていた。
そんな固定観念をぶち壊してくれた近大。
ここなら社会人になった今からでも入りたい。ここに人生の貴重な時間を委ねたい。
そんな気持ちにさせてくれるチャレンジング溢れる大学!
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業界内で中位のポジションにいるプレイヤーが上位に対抗する良い実例。
近代の場合、ある程度の規模と歴史があり、かつ独自性があったことをうまく活用して、明治大を抜いて志願者数が日本一となった。
参考になる部分もあったが、ならない部分も半分くらいあった。
しかし、投資金額を考えれば良い買い物だったか。
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新聞で志願者数日本一の記事を見つけた時の衝撃は、忘れられない。
何が起こったのか!?と。
この本は、度々職場で話題になり、上司に借りて読みました。
全員で一体になって成し遂げようとしてきた結果であることがわかって、素晴らしいなと思った。
一人の天才より、100人の中堅を育てる理念にも共感した。
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既成概念や前例にとらわれず前に前に進んでる姿が印象的。やっぱ大学も経営。なんとなくだった感覚が、ようやく実感になったかな。
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近大は近大という立ち位置を把握して、近大らしい良さを浮き彫りにさせた。伝統校ならできないことを近大だからこそやってのける。そこは物凄いリスクを伴う。失敗をすれば社会から批判されるか笑い者にされるだろう。そうならなかったのはなぜか。この本にはビジネス上でも役立つ内容が書かれていると思います。
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ちょっと礼賛すぎるところもあるけど(笑)大学のひとは、象牙の塔的なところに閉じ籠ってる自覚はなくても、感覚が井の中の蛙ってところはあるんだよね。一般のひとに訴えるようなアピールの仕方と、うちのガッコはこれでいく!っていうわかりやすくかつユニークなコンセプト。これが絶対必要、ということがよくわかる本。マグロのつぎは、ナマズらしいよ…!