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紙の本
世界でいちばん石器時代に近い国パプアニューギニア (幻冬舎新書)
著者 山口 由美 (著)
いまだに存在する復讐や呪いといった呪術、お金として使われる貝殻、祖先がカマキリだと信じる村…。現代人が想像もできない世界が繰り広げられているパプアニューギニア。その文化を...
世界でいちばん石器時代に近い国パプアニューギニア (幻冬舎新書)
世界でいちばん石器時代に近い国パプアニューギニア
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商品説明
いまだに存在する復讐や呪いといった呪術、お金として使われる貝殻、祖先がカマキリだと信じる村…。現代人が想像もできない世界が繰り広げられているパプアニューギニア。その文化をはじめ、歴史、未来などを紹介する。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
山口 由美
- 略歴
- 〈山口由美〉1962年神奈川県生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。海外旅行とホテルの業界誌紙のフリーランス記者を経て作家活動に入る。「ユージン・スミス」で小学館ノンフィクション大賞受賞。
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緑蔭で読める民族学のフィールドワーク
2023/03/05 16:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大阪の北国ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
素晴らしいパプアニューギニアの入門書だった。
著者はもともと旅行関係の記者だったということで、現地の見どころについて大変わかりやすく簡潔に書いていて愉しく読める。臨場感溢れる記述で、現地を旅行している感覚を味わえる。
しかし本書はそれだけの薄っぺらな本ではない。期待を遙かに上回る質・量の民族学的情報を提供してくれる。何しろ百年少し前までは石器と火による生活をしていた場所である。現地では800以上の言語に分かれていること、現地人には年齢を正確に記録する習慣がなく自分が何歳かもわからないし年齢に興味もないこと、呪術発祥の伝統について今でも強く信じられていること、ゲゲゲの鬼太郎の妖怪の起源はこの島にあること、根栽文化そのものの芋食、そして現地で食べられたのではないかといわれているロックフェラー家の御曹司失踪事件から説き起こした食人の習慣、狂牛病もクールー病もそれぞれ牛と人間が自身の種を食べたことにより発生したたんぱく質の変異から発生していること、など民族誌としても飽きることのない濃い内容が展開する。最後に日本人がかつて戦時中にこれ以上はないというほどの残虐行為を働いていながら現在では親日国となっている様子も紹介されている。ここは非常に納得できる。民族学の古典であるA.R.ウォーレス著の「マレー諸島」の舞台の一つでもあるこの島をまことに身近に感じた一冊であった。
著者はダイビングの絶好のロケーションとして訪れており、そこで素晴らしい生物多様性を体験している由。生物多様性を心から素晴らしいことと考え、その保全はわれわれ人類の重要な責務だと考えていらっしゃる。心から賛同する。ダイビングで海に入る際にはキツイ香りのサンオイルを体にたっぷり塗って海面に油の膜を作るような行為はされていないことを願う。
紙の本
多様なニューギニアを知る為の最新のガイドブック
2022/04/30 16:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ひでくん - この投稿者のレビュー一覧を見る
題名をみると「誇張した表現の売らんかな!」の本に思える。確かに石器時代云々は、奇異にも思える。が、「ニューギニア=石器時代」という表現は、すでにいくつかの本で提供された話題でもある。例えば、1978年に出版された「キキ自伝」(学生社:近森正訳)の副題は「1万年以上の人類の歴史を経験した男」(10Thounsand Years in one‘s life)だ。キキ氏は、パプアニューギニアの独立運動ナンバーツウとしてソマーレ氏を支え、独立時副首相兼外相となった人物だ。