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商品説明
あのバブルの夜、君はどんな夢を見ていた?経済の最前線で夢現の境を見失ったエリート商社マンの告解がいま始まる。近代日本の実像に迫る渾身の現代小説!【「BOOK」データベースの商品解説】
エリート商社マンの輝かしい未来を、美しい悪夢が呑み込んでいく-。経済の最前線で夢現の境を見失った一人の男を通して近代日本、そして日本経済の実像に迫る現代小説。『週刊新潮』連載を単行本化。【「TRC MARC」の商品解説】
夢を見なければ人生の三分の一は空白だ。それは罪だと思わないか。「近ごろ、よく眠れるかい」久しぶりに再会した都築君はそう言って語り始めた。三代続くエリート商社マンだった彼の輝かしい人生を暗転させた美しい悪夢の数々、そしてその果てに見たこの国の本性を――。バブル全盛期、経済の最前線に立った一人の男の「夢」を通して近代日本の実像を描き出す、野心に満ちた長篇現代小説。【商品解説】
エリート商社マンの輝かしい未来を、美しい悪夢が呑み込んでいく――一人の男の「夢」を通して近代日本、そして日本経済の実像を暴き出す野心的現代長篇。 【本の内容】
著者紹介
浅田 次郎
- 略歴
- 〈浅田次郎〉1951年東京生まれ。日本ペンクラブ会長。95年「地下鉄に乗って」で吉川英治文学新人賞、97年「鉄道員」で直木賞、2000年「壬生義士伝」で柴田錬三郎賞を受賞。
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紙の本
浅田次郎、復調か?!
2015/08/19 00:37
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:arima0831 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本作の主人公はエリート商社マン。
古き良き、と言われた時代から少し時代が過ぎて、ちょうど今の団塊世代が若手から中堅ベテランになるくらいの時代が背景になっている。携帯電話もEメールもないころだから、時間感覚は今よりかなり牧歌的だが、それだけに海外で現場に立ち向かうビジネスマンたちには、その場その場を自己裁量で決めて引っ張る胆力が必要とされた時代だったともいえる。
そんな主人公がふとしたきっかけで、眠るときに白い枕か黒い枕を選ぶことになる。白い枕を選ぶと、極上の幸福感に満ちた夢を見られるのだが、何故か続いて黒い枕で眠ることになり、そのたびに闇と恐怖に満ちた夢を見る。そしてその後、現実のビジネス上の苦境に陥って左遷されてしまう。
ビジネスと夢の舞台はスイスの湖畔、パラオ、インドのジャイプール、北京、そして京都。
それぞれの場所を背景に、昼間は商社マンらしい仕事を展開する主人公が、夜に見ることになる「良い夢」と「悪い夢」とは・・・?
話はわかりやすい結末に至りながら、うまくオチを付けずにふんわりと流れる部分もあり、なんだか不思議だがちょっと面白い後味となった。
つまるところは「昭和の一時期、日本の男が追い求めた夢って何だったんだ?」という問いかけのように思えるエピソードの数々が、リアリティーと夢幻性を併せて描かれていく。たまたま商社関係者が身近にいろいろといるので、不思議な親近感を感じながら読んだ。
それなりにうまく枯れてきた浅田次郎の、一つの到達点なのかもしれない。
上手くできていて面白い小説だった。