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紙の本
女たちの平安宮廷 『栄花物語』によむ権力と性 (講談社選書メチエ)
著者 木村 朗子 (著)
平安時代の摂関政治はどのように権力を生み出していったか。婚戚関係によって権力構造を組みなおした摂関政治のしくみが鮮明に刻まれた「栄花物語」を読み解き、男たちの権力を陰で支...
女たちの平安宮廷 『栄花物語』によむ権力と性 (講談社選書メチエ)
女たちの平安宮廷 『栄花物語』によむ権力と性
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商品説明
平安時代の摂関政治はどのように権力を生み出していったか。婚戚関係によって権力構造を組みなおした摂関政治のしくみが鮮明に刻まれた「栄花物語」を読み解き、男たちの権力を陰で支えた女たちの歴史を明らかにする。【「TRC MARC」の商品解説】
本書は、平安時代の摂関政治がどのように権力を生み出していったか、そのしくみについて女たちの後宮世界からみていくものです。
平安時代の宮廷サロンが生み出した文学作品に、「歴史物語」とよばれるジャンルがあります。男たちが漢文で記す「正史」にたいして、女たちの使う仮名であらわしたものです。できごとを羅列する無味乾燥な「記録」にたいして、できごとを活き活きと語る「物語」です。
平安宮廷の表舞台は摂関政治に代表される男の世界ですが、周知のようにその根底を支えているのは男と女の性の営み、天皇の閨房にありました。摂政関白という地位は、天皇の外祖父が後見役になることで得られるものですから、大臣たちは次々と娘を天皇に嫁入りさせ、親族関係を築くことに必死でした。
そうした要請から、摂関政治は結果として一夫多妻婚を必然としました。後宮に集う女たちは、天皇の寵愛を得るために、そして天皇の子、とりわけ次代の天皇となる第一皇子を身ごもるために競いあいました。
天皇の後見と称して、その権限を乗っ取るようにして発揮する最大の権力が、天皇と女たちの情事に賭けられていたというのは、ずいぶんと滑稽な話ですが、「歴史」はそういうことをあからさまにしたりはしません。あくまで男同士の権力闘争として書くわけで、むしろその本質であるはずの、いくつものサロンの抗争や女たちの闘争は「物語」にこそ明らかになるのです。
その恰好の例が『栄花物語』です。作者は歴史的事実をあえて無視したり操作することで、女であること・生むこと・母となることの連なりに走る裂け目こそが、男たちの世界をつくってはやがて掘り崩し、そうした変化が新しい権力構造を生みだしていくことをはからずも明らかにします。【商品解説】
目次
- はじめに なぜ『栄花物語』なのか
- 第一章 「オモテ」の権力と「ウラ」の権力
- 第二章 後宮からの出発
- 第三章 花山帝という存在
- 第四章 生む政治
著者紹介
木村 朗子
- 略歴
- 〈木村朗子〉1968年横浜市生まれ。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了。博士(学術)。津田塾大学教授。著書に「乳房はだれのものか」など。
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栄花物語から見た摂関政治
2020/12/31 07:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:福原京だるま - この投稿者のレビュー一覧を見る
摂関政治のあり方を男たちの世界からではなく栄花物語を通して後宮のあり方から見るという内容で興味深かった。