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紙の本
春狂い (幻冬舎文庫)
著者 宮木 あや子 (著)
人を狂わすほどの美しさを内包した一人の少女。父親や男たちの欲望から逃れ女子校に入学するが、教師に襲われ学園を去る。しかし転校先でも同級生からのいじめと教師からの暴行は繰り...
春狂い (幻冬舎文庫)
春狂い
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商品説明
人を狂わすほどの美しさを内包した一人の少女。父親や男たちの欲望から逃れ女子校に入学するが、教師に襲われ学園を去る。しかし転校先でも同級生からのいじめと教師からの暴行は繰り返され―。やがて少女は安息を求め、教師の前でスカートを捲り言う。「私をあと二年、守ってください」。桜咲く園は、天国か地獄か。十代の絶望を描く美しき青春小説。【「BOOK」データベースの商品解説】
生まれながらにして、人を狂わすほどの美しさを内包していたひとりの少女。男たちの欲望に曝され、身体を穢された美少女が、桜咲く園で望んだ未来とは? 十代の絶望を描く、官能ミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
美しさは些事だと思う
2018/09/15 16:58
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:休暇旅行 - この投稿者のレビュー一覧を見る
星3つ「わりと良い」
宮木あや子さん、初めて読みました。文庫本の背表紙あらすじおよびそれにもとづいていた(と記憶している)新聞広告に刺激されて購入したのですが、ぶっちゃけその惹句とは作品実態がまるで異なった気がします。
じつは本作にとって、主人公の少女が美しいかどうかなんてどうでもいいのではないでしょうか。美しさに主眼を置きたいなら、直接関係のない美女をもう一人出す必要もないし(弐)、少女の美しさに左右されない人間をそう何人も出す必要はないし(参・伍)、生きる理由として仲間を与える必要もなかったし(四)、なによりちゃんと少女にセリフを与え一人称で語らせ、そして最後の最後に名前まで与えてしまう必要はないのですから。
「美しさ」を捨てて少女に語らせる覚悟、そして最後まで少女を肯定せずに前原に語らせ続ける覚悟。……って、解説の綾瀬まるさんがいってることそのままじゃん、と今気づきましたが。あまりこの手の(R-18文学賞的な? って雰囲気でいっていますが)小説を読んだことがなかったので、そのためにこちらの感受性が鈍かった面もあるし、一方で新鮮な衝撃を受けた面もあります。
文章も、桜で冒頭から西行→梶井と来るようなところに鼻白みましたが、それもまた覚悟なのでしょうね。結局そうした文章の喚起力を私は否定できない。
好きとはいえないし、再読も多分しないでしょうが、なんというか勝てる気がしない。