紙の本
ビジネス書
2020/02/15 09:54
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投稿者:ペンギン - この投稿者のレビュー一覧を見る
企業の中で創造性を求められる仕事に就いているビジネスパーソンに向けて書かれた一冊。私がジブリ映画の久石譲の音楽に感じる底抜けの優しさの源を本書から見出すことができなかったという点では期待外れだった。ただ、本書で紹介されている養老猛司のコメントにあるように「久石さんって、まともだねえ」と言ったというのはわかる気がした。感覚的な世界を説相手にしながら、非常に論理的な考え方を持って活動されていることがわかる。
電子書籍
前半は感動するものの...
2024/01/19 01:26
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投稿者:バンビ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前半は流石「ジブリ音楽の巨匠」という感じですが、後半は政治的主張も強く若干偏っているものの見方をされている方なのだという印象でした。既に議論され尽くしていることに関して、あたかもご自身で考えたことのように書いているのも不思議です。日々多くのことを吸収しているからこそ、それらの所在を細かく覚えていない所以かもしれません。読者の多くも同じように、所在は覚えていないけれど何処かで「聞いたことある話」だと思うような内容が展開されていたので少し残念でした。
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待望の久石さんの書籍。後半になるにつれ、クリエイティブに対して熱く語っています。共感もできるし納得もできる意見ばかり。久石さんの素晴らしさを改めて感じた一冊です。
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趣味としての作曲ではなく、
プロとしての作曲という意識が
節々に感じさせられる作品。
言葉が平易で読みやすい。
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弟の課題図書を横取りする(笑)映画音楽の好きなところは、ストーリーの色が濃いところ。でもそれは、決して作家の思い通りなストーリーではない。久石譲ってすごい自由に音楽をしている感じだけれど、そうではないということが知れました。根っからの芸術家だけど、大きいものを相手にしている分強くなければいけない。彼の覚悟が固まりになったような文章でした。
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久石譲が音楽を作る上での考え方なんかを楽しめます。ただ、「日本人はまだまだ働いていない」のようなことを言っている久石譲の取り巻く環境と、僕の知ってる周りの現状には差異がある気もしてしまいます。トップクリエータと比較しても当たり前といえば当たり前ですけどね。何かものを創りたいと考えているひとにはタメになるんじゃないかと思います。
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芸術に携わる人の言葉はいつも真摯で素敵だと思う。
『ときどき、音楽は僕自身を決して幸せにしてくれないのではないか、と思うことがある。それほどに僕を悩ませ、苦しめる。しかし、それでも僕は音楽がやめられない。何もないところから曲をつくり出す瞬間が、何物にも代えがたく幸せであるから。』
音楽そのものも形を持つわけではない。だけどたしかに、彼の音楽は幸せを運ぶ翼となりえている。すごいなぁ。
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その仕事にとって本当に必要なものをきちんと提供すること、はなから上司やクライアントに気に入ってもらうことを意識して作ることはない。
時間の経過のうえで成り立っているものは、論理的構造を持っている。
95%の論理的思考と5%のセンス、感性、その論理性に基づいて思考していけば、あるレベルに達するものはいつでもできるが..。
論理や理性がなければ人に受け入れてもらえるようなものは作れないが、すべてを頭で整理して考えようとしても、人の心を震わせる音楽はできない。
秩序立てて考えられなところで苦しんで、もがいて、必死の思いで何かを生み出そうとする。その先の、自分でつくってやろう、こうしてやろうといった作為のようなものが意識から削ぎ落とされたところに到達すると、人を感動させるような力を持った音楽が生まれてくるのだと思う。
迷路に彷徨い込んだときは、最初のイメージの立ち返る。考えすぎて見失ってしまうものもある。
この仕事で何を求められているのか、それを自分は最初にどう受け止めたのか、というところに戻るのが一番いい。感覚は欺かない。判断が欺くのだ。(ゲーテ)
つくろう、つくろうという意識が強い時は、まだ頭で考えようとしている。
恥ずかしさというのは、自分をよく見せたいと思う心の裏返しだ。自分をさらけ出すことを恐れているということでもある。
頭の中に自意識があったのでは、本当に人を楽しませたり喜ばせたりするものをつくることはできないだろう。
作らない。感じたことを大事にする。
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ジブリ音楽を手がける久石譲氏の「ものづくりの姿勢」論。
感性とは?映画と音楽とは?
いろんな角度から芸術やものづくりの姿勢を斬る!
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彼の音楽、特にジブリ音楽が好きだったので。
クリエイターとしての視点がちりばめられていてすごく参考になった。
日々をパターン化するとか、環境を整えるとか。
前半は考え方・姿勢の紹介で読みやすく、良かったが、後半は音楽的視点で書かれていたので結構流し読んだ感じ。
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宮崎駿・北野武監督などの映画音楽を手がけだりしている作曲家・久石譲の本。久石譲の曲を全く聴いたことないという日本人はあまりいないと思う。彼の曲に感動した人も多いと思う。その感動を作るプロセスを語っている。
音楽制作って感性(←そもそも感性ってなんだ?って話も本書に書いてある)によるものが大きくて、考えるというよりもイマジネーションを膨らます感じで作るのかなと思っていた。しかし、久石 譲は理詰めで作るのだという。
考えて考えて考えて曲を作る人だから、文章も論理的で分かりやすい。しかも、含蓄に富んでいて、とても面白い!
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▼ 100文字感想 ▼
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なるほど。表現方法はいろいろあっていい。大事なのは
「何を伝えたいのか」。いや、いいですねぇ。感性という
言葉の素晴らしさと重さを実感した。作曲には「論理的な
思考」と「感覚的なひらめき」が必要。これは広告も同じ。
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▼ 5つの共感ポイント ▼
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■感性とは、過去の経験、知識、出会った音楽、学んだ
こと、考えたこと、バックボーンと蓄積
■感性を磨くとは、『直感』を磨くこと
■つくり手がへんに気取っているようなものは人間味が
感じられず、つまらない
■歳をとるほど経験も知識も豊富になるというが、それは
ウソだ
■シンプルで印象的なメロディと乗りのいいリズムをもった
音楽は、親しみやすく覚えやすい
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2009年11冊目。
ジブリの曲を作ってることで有名な久石譲さんの本。
文体からもラディカルなアーティストという印象を受けそうだが、
実は自分のペース、自分のスタンスを大事にしている人だと思う。
また、アンテナを常に張ってて、どこからでもヒントを取り入れてやろうっていう考えを持っていると思う。
とりあえず、久石さんの曲、実際に聞いてみようと思った。
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やっぱこの人カッコイイ!!
説得力がめちゃくちゃある。
一貫性があるし、絶対に妥協しないし、常に変化し続けて行こうってゆう姿勢。
んー、カッコイイぜ。
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p5
ものづくりの基本は感性だとよくいう。感性も創造も答えでは説明しにくい。だが、人間はものを考えるという行為を、言葉を介してやっている。ということは、僕が音楽家としてやっている方法、考え方、視点、もっと無意識下の感覚、そういうものをできるだけ言葉で表現することで、透けて見えるものがあるのではないか。
p23
創造的でありながら、同時にたくさんの仕事をこなしていく。そのためには、気分の波に揺るがされないような環境づくりも重要だ。僕の場合、作曲の作業に入っているときは生活も一定のペースを保ち、できるだけ規則的に坦々と過ごすように心がけている。〜まず期限までに毎日どのくらいのペースでやっていかなければならないか考える。今日は気分が乗らないから書けない、などと悠長なことをいって自分を甘やかすことはできない。気分が乗らなかろうが、調子がよくなかろうが、ノルマを達成するとうに進めていかなければこなしきれない。多少体調が悪くても、気分が優れなくてもペースは崩さないように努める。
p28
〜だから、絵の人は考え方や行動においても、感覚的なものが突出する面が強いらしいのだ。
p30
「感性」という言葉でくくられているものを冷静に分析して整理していくと、もちろんその人の持つ感覚的なものもあるが、それ以上に、その人のバックボーンにあるものが基盤になっているのではないかと考えられる。〜作曲には、論理的な思考と感覚的なひらめきを要する。〜肝心な要素は、残りの5パーセントの中にある。それが作り手のセンス。感覚的ひらめきである。創作にオリジナリティを与えるその人ならではのスパイスのようなもの。これこそが〝創造力の肝〟だ。
p35
ゲーテの言葉にもある。「感覚は欺かない。判断が欺くのだ」と。
p48
創造力の源である感性、その土台になっているのは自分の中の知識や経験の蓄積だ。そのストックを、絶対量を増やしていくことが、自分のキャパシティ(受容力)を広げることにつながる。
p68
ある歌舞伎の女形が「私はバカが大っ嫌いです。バカってうつるんですよ」といったのを聞いたことがある。名言だと思う。
自分の置かれている環境を整備しないと、レベルというものはいとも簡単に下がっていく。
p73
新しいことに挑戦しようとするとき、経験則で水を差す人がいる。その人にとって、経験がプラスになっていない。むしろ進歩を妨げている。
うまくいかなかったのはなぜなのか、今度はそういうことがないようにするにはどうしたらいいのか、そこをきちんと踏まえてやればいい。それが経験を活かすということだ。
p101
ものをつくる人間に必要なのは、自分の作品に対してのこだわり、独善に陥らないバランス感覚、そしてタフな精神力、この三つだと思っている。どれが欠けてもうまくはいかない。
p128
〜ストラヴィンスキーにしろ、バルトークにしろ、マーラーにしろ、本当に素晴らしい。それに負けないくらいのスコアが書けたら、と僕は夢を見る。
p131
ステージに立つ前、僕は毎回必ず同じ行動をする。〜それをしながら集中力を高めていく。〜テーブルの上にタオルを敷いて、その上で鍵盤をイメージしながら手を動かしてハノンとかをやって、指を温める。
p133
〜商業作家としてこう在ろうとするものと、ものづくりとしての立場、作家としての純粋な満足との間には開きがある。
p138
人に聴いてもらう音楽として非常に重要なのはまず自分が一番目に聴衆として喜べること。自分が感動できるものを提出していかないと、周りの人、ひいては観客には響いていかない。そのためには、絶えず自分が興奮するものに向かっていくことになる。しかし、ただやみくもに「いい」「好き」と興奮しているわけではなくて、頭で考えたこと、感覚的なもの、映画や絵画などで感動したものを総動員したうえでつくっている。
〜ときどき、音楽は僕自身を決して幸せにしてくれないのではないか、と思うことがある。それほどに僕を悩ませ、苦しめる。しかし、それでも僕は音楽がやめられない。何もないところから曲をつくり出す瞬間が、何事にも代えがたく幸せであるから。
p157
〜時間というのは、自分でひねり出し、つくるものである。
p184
会社というシステムに入った限りは、男性も女性も関係なく、社長を目指そう。〜僕がそういう状況にあったら、絶対社長になってやると誓う。そのためにどうやって生きていくかを考える一番頭を使うのはそこになる。
p188
僕は、とにかく曲を書きつづけていきたい。たとえ周りの人間がバタバタと斃れようとも、それが許されるのであれば、屍を乗り越えてでも、いい曲を書くために邁進していくことが、作家としてあるべき姿だと思っている。