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宇宙食 人間は宇宙で何を食べてきたのか (共立スマートセレクション)
宇宙日本食の開発から10年。その開発の歴史は、日本ならではの特徴がある。宇宙食の歴史から、NASAアポロ計画で導入された食品加工技術、現在の宇宙食、未来の宇宙食まで、専門...
宇宙食 人間は宇宙で何を食べてきたのか (共立スマートセレクション)
宇宙食
05/09まで通常1,760円
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商品説明
宇宙日本食の開発から10年。その開発の歴史は、日本ならではの特徴がある。宇宙食の歴史から、NASAアポロ計画で導入された食品加工技術、現在の宇宙食、未来の宇宙食まで、専門知識がなくともわかるように解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
宇宙食の誕生から現在のISSで利用されている宇宙食までを詳細に解説。
1.我が国の食品業界の総力をあげて開発した「宇宙日本食」の開発秘話から将来まで
2.宇宙食のために開発された技術が私たちの食生活をどう変えてきたのか
フリーズドライ食品、レトルト食品、衛生管理技術を実用化
3.今後の食生活に影響を与える技術も宇宙食にそのヒントがあった
災害対応食、介護食、機能性食品
4.未来の宇宙旅行への提言
植物工場、3Dプリンターによる食品の製造【商品解説】
目次
- 1 宇宙食の歴史
- 1.1 黎明期
- 1.2 宇宙食の歴史に革命をもたらしたアポロ計画
- 1.3 スペースシャトルの時代
- 1.4 国際宇宙ステーションの時代
- 1.5 宇宙日本食の誕生
- 1.6 国際ワーキンググループ
- 2 宇宙食に求められる条件
- 2.1 宇宙環境が身体に与える影響
著者紹介
田島 眞
- 略歴
- 〈田島眞〉東京大学大学院農学研究科博士課程修了。農学博士。実践女子大学名誉教授・学長。
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書店員レビュー
いつもの味を、宇宙でも。
ジュンク堂書店ロフト名古屋店さん
宇宙食といえば、歯磨き粉のチューブや錠剤の形をした食べ物を未だに思い浮かべる人もいるのではないか?いやそれは50年も前の話。最初は、宇宙で人が食べ物を飲み込むことに不安があったため、そのような形状の宇宙食を持ち込んだようだ。
その後、無重力下でも人の嚥下機能には支障はないことがわかり、宇宙食開発が本格化した。
私たちの日常でもおなじみのフリーズドライやレトルトパウチ技術は、アポロ計画のために開発された加工技術であり、HACCP(加工食品を製造する際の衛生管理の方法)も宇宙食開発の過程で考案された。
宇宙食開発は、食品加工技術の発展と密接に結びついているのだ。
開発において、宇宙食には求められる条件がある。
さらさらの液体ではなく、適度な粘度が必要。密室のために匂いがきついものはダメ。砕けやすいものは、浮遊してしまうからいけない。ナイフを使わずに一口で食べられるもの。
これらは食べ方においての条件だ。
加えて、栄養面における条件を満たしていなければならない。
宇宙空間での長期滞在は、骨の退化や筋肉の減少、放射線被爆や精神的ストレスなど宇宙飛行士の身体に様々な影響を及ぼす。
影響を最小限に抑えるため、宇宙食に含まれるたんぱく質やカルシウム、ビタミンDは地上の基準より多く定められている。
また、精神的ストレスを緩和するという点においては、宇宙飛行士が好きなものを持ち込める「ボーナス食」の採用がはじまった効果は大きいだろう。
スペースシャトルの時代から、より多くの荷物が運搬可能になり実現したそうだ。宇宙飛行士も各国から集まるようになり、食事の多様性も重視される向きとなった。
宇宙日本食の開発は2003年以降にはじまる。日本人宇宙飛行士のストレスを食事によって解消しようと、当時のNASDA有人宇宙飛行部の医長である精神科医の松本暁子博士が中心となって開発にのりだした。
日本人宇宙飛行士の持ち込んだボーナス食のリストが掲載されていて、その項目がおもしろい。
鰯のトマト煮やサンマの蒲焼きは他国の飛行士にも人気があるそうだ。
ラーメンは麺が飛び散らないあんかけラーメンのようなものだ。ごはんものでは白米、山菜おこわ、赤飯もありお祝い事にも対応可能。
また、疲れた時に欲しくなるのが甘いもの。デザートには羊羹や黒飴など、口に含めばほっとする馴染みの甘味がそろっている。
宇宙日本食には、普段から食べられている食品が採用されているのだ。
本書終わりでは、未来の宇宙食の展望も窺い知れる。
現在は地上で加工した食品を宇宙に運搬しているが、今後は材料を持ち込んで3Dプリンターで作ったり、飛行の途中で植物栽培するという計画が期待されているそうだ。
そうなれば長期間の火星探査にも即した宇宙食が誕生する。地上食により近い味が、堪能できるかもしれない。
自分が宇宙で食べるとしたら何がいいだろう?そんな風に思いをめぐらせると、宇宙食が少し身近なものに感じられた。