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- カテゴリ:一般
- 発売日:2015/12/10
- 出版社: 文藝春秋
- サイズ:20cm/333p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-16-390382-8
紙の本
10代の脳 反抗期と思春期の子どもにどう対処するか
著者 フランシス・ジェンセン (著),エイミー・エリス・ナット (著),野中 香方子 (訳)
可愛かったあの子が、「死ね」と豹変する反抗期。この10年で飛躍的に進んだ10代の脳の研究によって、成長過程ゆえの様々な問題と利点が判明した。脳科学の最先端から、思春期の子...
10代の脳 反抗期と思春期の子どもにどう対処するか
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商品説明
可愛かったあの子が、「死ね」と豹変する反抗期。この10年で飛躍的に進んだ10代の脳の研究によって、成長過程ゆえの様々な問題と利点が判明した。脳科学の最先端から、思春期の子どもへの接し方を探る。【「TRC MARC」の商品解説】
これまでは甘えてきて天使のようだった子どもが、豹変する思春期。
暴言を吐き、タバコや酒に手を出し、信じられないような衝動的なことをしてケガをしたりする。
子どもに「ウザい」「死ね」と言われて、自分の子育てや人生は何だったのかと途方にくれ、何が間違っていたのか、と自分を責める。そんな苦しい思いをしている方も多いだろう。
それは育児が間違っていたからではなく、子どもの脳が成長するなかでの必然だとしたら?
実は、脳研究では乳幼児と高齢者ばかりが取り上げられ、10代はあまり研究されてこなかった。小学校に入るころには脳は完成する、と科学者も思いこんでいた。
しかしこの10年、10代の脳の研究が大きく進み、その時期にはまだ脳はまったくできあがっていないとわかってきた。それが、思春期特有の数々の問題の大きな原因だったのだ。
だが、このことは一般にはまだほとんど知られていない。
著者ジェンセン博士は、小児科医・脳科学者であり、自身もシングルマザーとしてふたりの男児を育て、思春期を乗り越えてきた。
科学者と親の両方の立場から、10代の脳の新たな知識を伝え、それに基づいて思春期の育児に悩む親にアドバイスするために書かれたのが、本書だ。
・脳は30歳ころまで完成しない
・10代は脳が新しいことを覚える学習能力の黄金期
・しかし感情を司る部分や、リスクを推し量り行動をコントロールする部分は未成熟
・フル回転する脳を制御しきれないために、キレやすい、中毒になりやすい、がまんがきかない、といった特有の問題が起きる
こうしたことを知った上で、具体的にどう子どもに接したらいいのかを、ジェンセン博士が真摯にアドバイスする。ひとりでも多くの悩める親に、ぜひ手に取ってほしい。
日本版では、専門機関へ行くべき問題行動と、親が対処できる行動について、40年以上にわたり、毎年数千人の子どもを診てきた元慶應大学病院小児科の児童精神科医、渡辺久子先生が解説を特別寄稿する。
[目次]
序 文 悪いのは親でも子どもでもない
可愛かった我が子が突如別人のようになる反抗期。脳科学を学び、
小児病院とハーバードで医師として働いていたわたしの息子たちも
同じだった。それは子育ての問題? いいえ、原因は「脳」にある
第1章 ホルモンのせいなのか?
子どもでもおとなでもない10代の激しい変化の原因によく挙げられ
るホルモン。けれどこれから紹介するようにこの10年で思春期の脳
の研究は飛躍的に進み、それは脳の変革のごく一部とわかってきた
第2章 10代の脳は未完成
昔は10代で脳は完成すると思われていた。だが実は、10代の脳は判
断・知性を担う「前頭葉」や感情を担う「扁桃体」がまだ未熟。こ
うした近年の知識をもとに、思春期にどう向き合うか考えていこう
第3【商品解説】
著者紹介
フランシス・ジェンセン
- 略歴
- 〈フランシス・ジェンセン〉ペンシルベニア大学メディカルスクール教授、神経学科長。脳の発達の研究が専門で、ハーバード・メディカルスクールの神経学科の教授を務め、ボストン小児病院などで多くの子どもを診察。
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紙の本
脳が完成するのは、30代。
2016/01/25 22:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:朝に道を聞かば夕に死すとも。かなり。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
19世紀を通じて子供は「小さな大人」とみなされていました。18世紀後半の独立革命の頃までアメリカの植民地の人口の半分は16歳以下でした。20世紀の初頭でのアメリカは実に200万人以上の子供が働いていました。
じゃ、ティーンエイジャーとは「半分大人」なのか?実際の子育てではその急速な成長、可塑性は諸刃の剣で柔軟で興奮しやすいのは脳が活発すぎるために、大人にはわかりにくかった生物学的理由が脳科学の知見からほんの少しだけわかってきたことが紹介されています。
10代後半の脳は未完成なだけでなく、極めてアンバランスです。灰白質という神経細胞の束は有り余っていますが、白質(情報伝達の配線)が足りません。本書では「新品のフェラーリでエンジンは唸りを上げているのだが、路上テストはまだで、どこに行けばわからない状態」としています。
学習によるシナプスの結合がまだ十分でなく、前頭葉の各領域間の繋がりは30代ほどでようやく完成します。少なくとも脳の成長は脳科学的には20歳以降も続いている。だけど抽象的思考はうまくなるので、判断力、洞察力、物事を包括的に把握す能力も向上し、前頭葉との接続がスムーズになる過程ですので、なんか「大人みたい」と考えてしまいます。
発展途上であるこの脳は「可塑性」であり、脳はとにかく新しい情報を得ることに特別に熱心になるようなプログラムされています。新しい情報を得ることこそが学習の核心です。ティーンは一晩に9時間~10時間眠ります。それは脳でいろいろな事が起きており、様々なことを急速に学習しているからで、平均的に若者に必要な睡眠時間は CDC推奨で一日8時間半~9時間半としています。
反抗期のキレやすさの原因は前頭葉の未成熟があり、扁桃体(根源的な感情と反応の源)という性や感情的行動を担当する場所が非常に活発です。68ページに成人の脳のシナプスに対する割合で抑制性シナプスよりも興奮性シナプスの方が若い脳には高いがグラフがあります。
自分を客観的に見る洞察力があればいいのですが、この能力は前頭葉と頭頂葉から生じるので成熟までに時間がかかります。外見がほぼ大人で、大人のような考えをしているから、成人式で変なことをしたり、大学のサークルで過剰に飲酒してしまうのを見て、私たちは眉をひそめます。
若い子はキャバの働きが弱く、そのせいで酒を飲んでも小脳運動(協調性をコントロールする)などの活動が抑制されず運動機能や協調が損なわれにくいので、抑制が効きにくい故に飲酒への耐性が強く、飲み過ぎちゃいます。
「僕が悪いんじゃなくて脳がそうさせたんだ。」と屁理屈をこねる若い子も出てくるでしょうが、本書では、彼らには自分の行動を判断する能力があり、それは不道徳なり行為の言い訳にはならず、脳は理由の一つでしかない、とします。
未成年者を自らの行動に責任を持たなければならないけど、彼らは概して意思決定能力が未熟で仲間の影響を受けやすく、将来への影響を慮ることができません。ソマリアとアメリカだけが18歳未満の被告への重罪を課している、と述べています。
私見です。まとめが各章ごとについているので立ち読みでもなんか納得できます。しかし寝室からTV、PCを撤去とかできねーよ、って部分もあるし、ラットの実験が人間に応用可能なのか?とかデータの整合性の問題もあるけど、未成年者への厳罰重視が広がる中、自分の思いを理論的に展開できない子の理解の一助になります。
結局、実際の子育ては根気強く、一度に一つのことを言い続けるっていうことになります。ここまで読んで読みたいと思った方はぜひ「まとめ」だけでも。
紙の本
ある意味役立つ
2022/01/12 22:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:IYIY - この投稿者のレビュー一覧を見る
ある意味役立つ
しかし子どもは一人ひとり個性があることも同時に思い出させる一冊