紙の本
悲しく美しく、
2016/01/30 11:28
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投稿者:雪空スウィング - この投稿者のレビュー一覧を見る
まず、ひがしちかさんの装画、名久井直子さんの装丁でカバーは6種類、中身は9種類あります。どれも美しく、悩んだ末に選んだ1冊、愛着はひとしおです。
本の美しさと同じ、またはそれ以上に美しいのは若松英輔さんのことば。ひとの心の悲しみと美しさを、丁寧な筆致で辿ったエッセイは、私の心にぴたりと寄り添ってくれています。
本を買う、読む楽しみがこの本には詰まっています。
紙の本
読むと書く
2016/01/27 09:23
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Bonnie - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジュンク堂大阪本店での『悲しみの秘義』刊行記念の若松さんのトークイベントに参加しました。
書くことで読むことが深まり、読むことで書くことが深まる、お互いに密接に関わることは知っていましたが、実際に意識して書くことで、さらに認識が強くなりました。イベントの後、ほぼ毎日書き、読書をしています。
自分の中にあるたくさんの可能性を発見しています。ありがとうございました。
本の中の奥様のくだり、胸が締めつけられました。
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悲しみに、美しみに、絶望しみに。
孤独のうちに。
目を養うよう努めなければ。
なんとなれば、いまは,,,。
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読む前からそんな予感がしていたけれど。
この本は、きっと何度も読み返したくなる。
忘れられない光景、大切な人々の顔が浮かぶ。
25のエッセイ、ひとつひとつが「私」のこころのありかに静かに響く。
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自分には少し難しかったけど美しい本でした。悲しみは『悲し』だけでなく『愛し』『美し』と書くこともできるそうです。悲しみのなかにあるいろんな感情を感じることが確かにあります。その気持ちを大切にさまざまな想いを味わいながら生きていきたいと思える一冊でした。
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いいですね。悲しみの秘義は、誰もが宿している詩情を、書くことの秘義を通して、読み手に託され、孤独をつかむ。ひがしちかの装画がすばらしい。ブックリストもいい。
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2016年40冊目。
読み始めてすぐ、あまりにも洗練された言葉に驚いた。
恐ろしいほど過不足がない言葉で綴られた25のエッセイ集。
語り得ないものへのまなざし、空白や沈黙への敬意、惑うことへの心持ち、そして悲しみのとらえ方。
心に残る多くの言葉に出会えた。
読んでいる最中、周りがしんとするような静寂さをこの本自体が持っているように感じる。
「たとえ一点の作品がなくても君は君の人格と生活の態度に因って高邁なる芸術家であった」
一番響いた言葉。そういう風に生きたいと思う。
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以前イベントで若松さんのお姿を見たとき、
なんともいえないやさしさ、やわらかさを感じたのを覚えている。
この本もとてもやさしい、やわらかい。
開く、ページをめくるひとつひとつがやわらかい。
わたしは死別を体験するのが嫌すぎて、
生まれてこなきゃよかったと思うことがある。
そういう気持ちを毛布で包んでくれるような本だった。
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「かなしみ」に耐えるための言葉。
書くことと読むことの相補性。
それぞれの章に引かれている文章の、なんと美しく魅力的なことか。
とりわけ、第14章の「できれば、声に出して、ゆっくり読んで頂きたい。一度でなく二度、読んで頂きたい。」のところ、素直にやってみることを勧める。私はそうして、「読むことで言葉を生みだすこと」を信じることができた。
もうひとつ、第17章、バウハウスのヨハネス・イッテン——理論家で冷静な人とばかり思い込んでいたこともあってさらに驚いたのだが——の「とても模写などできない、というのでなければ、芸術家とはいえない」が印象に残った。
その題材となったグリューネヴァルトの「嘆きのマグダラのマリア」の図像は検索すると見つかった。想像を超えて生々しく強い絵であった。
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25編のエッセー
心に残る詩や言葉を引用しながら深く自分の心を掘り下げていく,その佇まいに惹かれる.読み手があってこそ生きる本,そして書くことによって自分を知るというような在り方が素敵だ.短いながら1編1編が重く心に響いた.
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若松さんのトークは2回拝聴したことがあったのに、ご著作を読むのがこんなに遅れてしまった。
少し恐かったのだ。
大体「悲しみの秘義」というタイトルだけで、もう泣きそうになるではないか。
それ以外のご著書も、なんか痛いところを突かれる、いや弱いところを突かれる、いやちょっと違うな、痒いところに手が届くでもないし、とにかくちょっと恐かった。
でも、もう怖がらなくてもいいような気がする。
清らかで優しい、なんて陳腐な言葉で表してはダメだな…
涙で心が洗われるように、言葉で心が洗われる。
んー、うまく言えない。
こんな雑な言葉で感想を書いたら、なんかこの本を汚してしまう。
若松さん、ごめんなさい。
なんて、著者に謝ったのは初めてだ。
こんなガサツな私でも大事に大事に丁寧に読まずにはいられず、心を澄ませてくれる本だ。
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はじめての大失恋のあとしばらくしてこの本に出会う。きっと巡り会うタイミングだったのだ。電車の中でも涙がこぼれた。とてもとても心の深く染み込みときに突き刺さる言葉。コトバ。万葉集の時代から、人類はコトバで表現してきたのだな。嗚呼、わたしもコトバに救われる。
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◆きっかけ
俵万智さんの書評(https://allreviews.jp/review/813)を読んで読みたくなって。2018/3/21
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「誰かを愛しむことは、いつも悲しみを育むことになる。」
たしかにズシンと射抜かれたような気持ちになっているのに、それを言葉にできない。。
静かに自分と話をしたいとき、また読むことになる本だと思う。
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若松英輔 「悲しみの秘儀」 良書。生きる力が湧くエッセイ集。文章に 悲しみを乗り越えた人の 優しさ を感じる引用した本の言葉を借りて、著者の心の声を伝えている。
人生について
*生きるとは 人生とは何かを問うことではなく、人生からの問いに応えること
*人生には悲しみを通じてしか開かない扉がある
*絶望のあるところには必ず希望が隠れている
心を開くとは 他者を迎合することではない〜自らの非力を受け入れ、露呈し、変貌を切望すること