紙の本
名古屋嬢
2016/03/14 22:02
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投稿者:テラちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
名古屋駅近くの予備校で事務を執るみのりは、アラサー。通っているいけばな教室で、先生の孫・透、通称センセイと知り合う。センセイは高校を出て未だ2年。東京の大学に進むのだが、年の差、遠距離の壁を越えて恋愛関係に。大垣北高で、朝井リョウ氏の先輩にあたる中村氏だから当然、名古屋の街や食べ物が登場。みのりは、言ってみれば名古屋嬢で、東海地方の読者には親しめる一冊。氏の作品としては軽いタッチ。
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ちょっとだけ遠回りした歳の差カップル。臆病になっている年上の彼女と彼女の気持ちがわからず戸惑う年下の彼。なんていうか、2人にしてみりゃものすごく大変な日々だったのだろうけど、読んでる方はどきどきのちニヤニヤ。いいねいいね。恋っていいね。
仕事でも一つの転機を迎えているみのりと、新しい人生を模索し始めた透の恋の始まりが初々しくて、照れちゃいますね(遠い眼
女性にとって30歳って一つの大きな区切りだったりして。そこをなんていうことなしに通り過ぎるか手前で足踏みしたり立ち止まって動けなくなるか、そのカギが「仕事と恋」なのかもね、と。
人生はまだまだこれからも続いて行くんだし、どうせ一度きりの人生なら思うように楽しく生きなきゃね、と、航さんはいつも元気玉を読み手に放り投げてくれます。
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予備校職員として勤務する本山みのりは、休日に華道を習う。その華道教室で師匠の孫としてアシスタントしていた透と出会う。
透は春から東京で大学生になることが決まっていた。出発の10日前にみのりは透が働くバーに行き、食事する。その晩、透はみのりの家に泊まる。
ところが透はみのりへの気持ちを抑えられなくなるが、みのりも透への気持ちに気付き、この恋を終わらせようとする。
数ヶ月経ち、メールをしたり、再会したりして、2人はお互いの気持ちを確かめ、遠距離恋愛を楽しむようになる。
純愛。正統派な恋愛小説。
初々しさと気持ちのすれ違いと幸せと…
できない理由を探すのではなく、
できることにチャレンジする、というこの小説のメッセージ性もいい。
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綺麗な文を書く方だなぁと思った。
生け花みたいに繊細で、でも凛としていて、それでいて儚い、そんな文が散りばめられている小説。
みのりが余りにも意気地なしでイライラしたりもしたけど、生け花を通して育まれる恋愛が、すごく綺麗でもどかしくて、恋っていいなぁと思った。
生け花は空間をつくること。自分もその世界に入りたいと思った。
☆創ることや、没頭することは、きっと神さまに近づくことに似ている
☆正面から見るよりも、横顔のほうが、その人の眼差しがわかる気がした。正面はその人が世界に向けた顔だけど、横顔にはその人の魂が見える
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『正面から見るよりも横顔のほうがその人の眼差しがわかる気がした』
あぁもう恋です。魂やられてます。
感性に惹かれる相手を自分から遠ざけるなんて無理。今幸せに過ごすために貪欲でいいのです。
なんて言いつつ生花教室に私はこんな出逢いなかったのが悔しい。
この先またいろんなことがあるかもだけどみのりとセンセイは生花みたいに生の頂点を切り取った永遠の関係を作っていけると思えます。
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愚か者の得意なフットワークー失う前か失うことを恐れ、得る前から失うことを恐れる
すけーとりんくー前を向いて滑り続ければ余計なものが削ぎ落とされ、色んなことが吹っ切れる
1人でじっと考えるより何かをしながら考える
やきもちを焼くのは武士のたしなみ
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恋をしたら傷つきたくない、ひたすら愛されてひたすら優しくされたい、彼が自分の知らない時間を持つのが耐えられない、
でも、どっちかが心変わりするかも知れないし、二人の思いが永遠に続くかなんてわかんない、それをちゃんとわかった上で、気持ちを交わして、「今」を大切にする。
今の、この、「好き」って気持ちがどんなに素敵なことか。
私も「今」思ってること、ちゃんと、大事にしなきゃなって、「今」思ってることをちゃんと抱き締めてあげなきゃなって思って、号泣だった。
果歩の、
「相手のことを考えすぎても、しょうがないでしょ。必要とか、相応しいとか、それは相手が考えて判断すればいいことだし。無理なことや足りないことはさ、二人で補っていけばいいんだから」
というセリフに勇気をもらった。
篠山先生の、「花以外のことを大切にするんだぞ。作品というのは、その人間の世界観を表したものだからな。いい花をいけようとおもったら、自分の世界観を広く、深くするしかない。将来、よい花をいけようと思うなら、花以外のことも全部大切にしなさい。」
というセリフも、心にささった。
実は、私も役者のはしくれでして。先日主宰に「何かを一生懸命にやること」が大切と教わった。篠山先生のいうことと、同じことだ、これって。
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中村さんの作品、久しぶりでした!よかったー
恋を意識するまでの時間、くすぐったくなるような。
そのあとで訪れる苦しい気持ち。
なかったことにはできないと心が叫ぶような。
いいなー。恋したい。
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読み始めてすぐに結末は読めてしまうのですが、それが少しも瑕疵に感じられない希有なラブストーリー。ほっこりと癒やされたいあなたに。
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予備校で働く主人公と、華道の年下のセンセイ。
主人公・みのりが透センセイへの気持ちを認めるのに時間がかかりすぎ。とんでもなくジレジレしている。
透の方もウジウジしていて、このままマスターや愛麻に持って行かれてしまうのかと思った。
終盤まで悲恋に終わるような流れから一転、再び心を通い合わせたみのりと終わる透センセイは、やたら甘々になってしまった。
何はともあれ、未来を感じさせる終わりで良かった。
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年の差恋愛のストーリーとして、最初の方はは楽しめました。
年下のセンセイは初々しいし、生け花の描写などは綺麗なので良かったのですが…
主人公の女性の、後半の行動が謎で、最後は納得できず仕舞い。
年齢差に悩むのは分かるんですけど、悩んでいる期間が長い割には、決心したら振り切れたように積極的になるところとか、極端すぎて驚きました。
同著者の作品は、『僕の好きな人が~』に続いて2作目なのですが、どちらも何となく残念感が拭えないです。
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苦しくて、切なくて、もどかしくて、きゅんとなる。そんな恋愛小説。主人公のみのりとは同い年なので、私も8歳下の子と恋愛をしたらこんな感じなのかと疑似体験をした気分になってしまった。年下の方とお付き合いはしたことがないため、疑似体験的な気分はいい経験になった気がする。恋愛に我慢ってしたらダメなのかなと思ったりするが、時には我慢も必要な気がしてならない。何事もほどほどが一番なのかもしれない。
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『年下のセンセイ』というタイトルですが、別にエロい話ではありません。
それどころか、ものすごくピュアでキラキラとした恋物語でした。
本当に魅かれ合う二人ならば、気持ちに正直に
磁石が吸い寄せられるごとく、ちゃっちゃとくっついてしまえば良いものを
歳の差やら、距離やら、時間やら
(もっと言えば、年収やら家柄やら職業やら、もしかしたらプライドやら・・・)
恋心を阻止する要因となりうる事柄が
この世の中には掃いて捨てるほど存在するのでしょうね。
28歳のOLと20歳の華道のセンセイの恋は
歳の差を除けばオーソドックスで、平凡な恋なのだけれど
読み終わった私に
恋ってやっぱ、い~わ~(・・・タメ息)
と、思わせてくれたのでした^^
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30代が見えてきた、いわゆるアラサー女子の恋愛のストーリー。
なんだけれど、大人になりたいがそうもしたくない、するべきではない、という意思をいかに表現するか、そこに悶々とする、まさに30代になろうとする人達が押しなべて持つであろう気持ちを代弁してくれるような、そんな小説だと感じた。
恋愛面しか書いてないようで、実はそうでもない、というにくい演出、と私は捉えている。
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中村さんの作品がとても好きだ。
気持ちのうつりかわりを、こんなにぴたーっと文章にしてくれるひと、他にいない。
んまあー、と私も思った。
人を好きになる気持ちってすてきだなー、って思うことのできる作品でした。