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投稿者:ねこさん - この投稿者のレビュー一覧を見る
短編集だけどとても面白かった。
憧れの女の子は特に最後が良かった。
どの話も何度も読み返しています。
電子書籍
朝比奈あすか
2019/09/23 18:52
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投稿者:まち - この投稿者のレビュー一覧を見る
はじめて読んだ。読みやすかった。けれどストーリーが残らない。もうしばらくしてから、また読もうと思う。
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推薦者(宮下奈都さん)買いしたものの、幸福な出会いだと思う。
物語はとつとつと進み、派手な事件が起きたりはしないけど、丁寧に描かれた文章なのかなと思うけど、とてもするりと気持ちに入ってくるカンジ。
物語の機微を楽しめる。
「ある男女をとりまく風景」は叙述的トリックというか、そのギミックに目を奪われるが、そうと気づいて尚、納得というか、理解というか、無理解というか、ふと思いを添わせてしまう自分に驚くのだ。
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初読み作家さん。なかなか読み応えあった。
表題作は展開が意外というか・・・、敦子の女の子への並々ならぬ想いと、結果を受け止める強さの振れ幅に目をみはる思いがした。そしてさらに、先へ進もうとする強さ。親心とはまた少し違う、ひとりの人間としての思い、考え方を見た気がした。
夫の俊彦目線だから感情的になりすぎることなく、その強い思いを感じられる。
「わたくしたちの境目は」も味がある。妻を亡くした老人・勇造が、息子夫婦と孫とともに、妻とよく行った湯治旅館へ行く話。
ガンで乳房をなくした妻、初子とあちこちめぐった温泉の記憶をたどりつつ、孫としりとりするという微笑ましい現実を交えつつ。
混浴場で弾みから嫁の体の輪郭を目の当たりにし、その美しい曲線に息を呑む勇造。なぜ、乳房を再建したいという初子の願いを聞いてやらなかったのかと、後悔に襲われる。
年老いてしわだらけになっても、そのしわひとつひとつに、彼女の生きた時間が凝縮されていた。体とはつまり生きた証なのだ。そう気付く場面が印象的。
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いろんな年代の女の人の心理描写がおもしろい。男性目線だったりね。女の子産みたいって気持ちはよくわかるけど、夫はこんな風に思うのかなー笑
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ジャケット、タイトルから、普段自発的に読むタイプの本ではないかな…と読まずに避けていたのがもったいなかった!というくらいに、巧い。
表題作「憧れの女の子」の、相反する気持ちが素直に同居している登場人物たちや白とも黒ともつけられない出来事の描写にリアリティが詰まっていて沁みた。
「ある男女をとりまく風景」にはやられた。自分は持っていないと思いこもうとしていた先入観が実はありありと存在していることを突き付けられる。
電車に乗る前に読む本がなかったため急いで買った本だったけど、良い出会いだった。
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典型的な帯買い(帯を見て惹かれて買った)した本。そして帯を信じて買ってよかった、と思った本。
「次は女の子を産むわ」と宣言して産み分けに必死になる妻を、言い表せない違和感を持ちながら見つめつつともに暮らす夫が主人公の表題作。その他四編。
全てにおいて、ハッピーエンドではないけれど希望が見えないわけでもないラストが秀逸で、独特な読後感だった。
ちくりと胸が痛むけれど、泣きたいのとは違うような。
“普通”な人間なんてこの世の中にはいないのかもしれない。一見何の問題もなく、何の悩みもないように見えても、その実はわからない。
そして“普通の関係”というものもない。
それぞれ個性がある人間同士の関係には、それぞれの進み方があり、それぞれ様々な出来事がある。
危ういバランスながらもうまくいくこともあるし、努力をしてもうまくいかないこともある。
ほんの些細な心理描写や登場人物の言葉が、胸に刺さったり、こういう感情ってあるなぁと思ったり。
いわゆる叙述トリックの物語もあるのだけど、本当に騙された気分ですごく楽しかった。
えっえっ何なに?(戻って読み返す)そういうことか!巧い!一本取られた!みたいな。笑
叙述トリックの小説ってけっこう話題になるから事前に知っちゃってて疑いながら読むパターンが多いけど、まったく知らなくてしかも巧いと本当に楽しいんだと思った。
朝比奈あすかさん。初めて読んだ作家さんだけど、他のもこんなに面白いのだろうか。
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甘いタイトルにつられて読んでみれば苦い物語の連続。人の心のこんなところまで踏み込むんだ、という描写にうなりました。
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うまい!!現実味がありつつも物語的な背景描写と、心情描写。その上でこの物語を通して訴えたいことがなんだったのか、とても明確。そんな数編。ノンフィクション作家だったことが影響してるのかしら?
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リボンやわたくしたちの境目は、が考えさせられる。産むこと、女性、っていうのは、生きてく上で忘れてはいられない、一生ついて回る問題だと思う。
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「憧れの女の子」
男児二人の母親が、女の子を産みたいと必死になる話を、夫目線で綴る。女はいつまで経っても見栄っ張りでマウンティングの世界から抜けられない。男は無神経で無責任。
結果、三人目も男の子だったことにケロッとしていた彼女は、前向きでで強い女性だなと思った。
「ある男女をとりまく風情」
ジェンダー論モリモリ。男と女と社会、結論なんてきっと出ない。
「弟の婚約者」
過去の婚約者とは姑問題で破綻し、趣味に毛の生えたような仕事で実家暮らしをしている主人公。
弟の婚約者が気に入らない主人公は結婚に反対したい気持ちと弟に嫌われたくない気持ちでエゴ空回りする話。
個性的で社会性はないかもしれない婚約者の女の子、幸せになれるといいね。
主人公はエゴゴリラだよ。
「リボン」
イケメンでゲイのカフェオーナーの身の上話。
壁を作って生きていく。
「わたくしたちの境目は」
息子と嫁と孫と、亡き妻との思い出の温泉へ旅行する話。
病気の話は苦手だ。
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ふつう、と、ふつうじゃない。
当たり前、と、当たり前じゃない。
大丈夫、と、大丈夫じゃない。
境目はあいまいで、自由で、不自由だ。
強く美しく生きるってなんだろう。
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男女の心の行き違いから浮かび上がる人間の本質を鮮やかに描く5編の短編集。他人事のようで、実は私たち自身の物語。
ある男女の特殊な状況を、斜め目線から捉えるような印象を抱くが、いちいち心に小さな棘が刺さったような気持ちになる。まさに、痛いとこ突かれたという感じ。男は男の、女は女の考えと感情があり、関係がうまくいくかどうかは、たとえ同姓でも分からない。その微妙な心うちを作者は捉えるのが非常に巧い。
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年末恒例の「おすすめ文庫王国」が出たので早速購入。
お金を払う前にそのまま手にして載っている面白そうな本を物色するが、棚に刺さっているものがなく、ようやくこの本を見つけた。
“憧れの女の子”って、お話を読んでみれば、ああそういうことかと分かるのだけど、あまり惹かれないタイトルね。
男の子ふたりを授かっているところに、妻が3人目にどうしても女の子を産むのだと頑張る夫婦の姿を描く第1話。
私のところは男の子ばかりで、元々男の子が欲しかったので満足なのだけど、大きくなってくるとむさくるしさも増すので、女の子がいたらなぁと思ったこともないではない。だけども、これは天の配剤だからなぁ。
というように思っているところに、この話、作りとしてはなかなか巧みだと思うけど、私自身の3人目の子供が出来た時の出来事や職場恋愛の経験からすれば、事実はとてもベタでも余程劇的だったという思いもあって、ああいう風にまとめられると綺麗事に過ぎるように感じた。
最初の話もそうだけど、第2話以降もこの本を貫いているのは個人の価値観をもとにしたすれ違い。
2話目の彼の言っていることは尤ものように聞こえるけれど、相手のことを思った役割分担とか現状に満足しない努力などを放棄しているように思え、3話目の母親のあの態度に共感するところはないけれど、周りには理解しにくい弟の結婚はうまくいかないのではないかという気持ちとしては良く分かる。
古いか新しいかということだけでなく、色々な視点があると思うのだけど、この本の作者は何に重きを置いているのか、良く感じ取れなかった。
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表題作は、どうしても女の子の母になりたがっていた妻を見下していた夫が、物語の後半にいくに従い女の子の父になれない寂しさに気持ちが変わっていくのが意外性があり怖くてリアル。
出産前の検査も生み分けも個人の自由だと思うが営みそのものや、命の芽生から神々しさが失われるのは確かかも。
他の短編もどれも身近に感じられる物語で、ラストが爽やかな光が想像出来るのがとても良い。
もがいてあがいて、何かが終わって見えてくるものがあるという事を教えてくれる。