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商品説明
集合論、中間値の定理と最大値の定理、組み合わせの思想など基礎からていねいに解説した、4次元を知るための入門書。「低次元トポロジーの50年」を語るインタビューを増補した新版。【「TRC MARC」の商品解説】
目次
- 第1章 まったく素朴な集合論
- 第2章 ユークリッド空間から位相空間へ
- 第3章 多様体はめぐる
- 第4章 中間値の定理と最大値の定理
- 第5章 組み合わせの思想
著者紹介
松本 幸夫
- 略歴
- 1944年埼玉県生まれ。1967年東京大学理学部数学科卒業。現在、学習院大学理学部数学科教授、東京大学名誉教授(09年12月現在)
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紙の本
大学数学の入門にも
2019/03/16 06:28
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:類太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
概念の説明が, 言葉と図を多用する非常にわかりやすいもので, 集合と写像・位相・群についてもわざわざ1章分を割いている. 言い換えや直観的な説明も欠かさず, またかなりのページに図が例示または証明のために載っている. ひとつの概念に対して多くの例を挙げている. 逆に誤植はかなり少ない.
高校数学を学び終えた人が無理なく専門的な数学に入門するためにも, 学び直しのためにもおすすめである. 専門的な数学で出会う様々な用語や表現をわかりやすく説明しているからである. 群論についても群が可算集合の場合に限っているように見えるが群論の良き入門にもなると思う. 特に正規部分群の動機付けと定義および準同型定理の証明や群の表示の定義が工夫されている.
位相幾何の関心事は何か, を早くも19ページ目で明らかにしているのは, 読む気力の維持に役立つはずである. 高校数学Aで学んだオイラーの多面体定理の意味もよくわかる. ただ射影平面については初学では難しいので, メビウスの帯を知っていれば初読の際には飛ばしてもよいであろう.
中間値の定理と最大値の定理については証明を解析学の本に譲ることにしながらも, 他の殆んど全ての基礎的な定理に証明が付いているのも良い点である.
付録と後書きからも幾何学のおもしろさがわかる. 特に4次元多様体の異質な様がよくわかる. じっくりていねいに読んでいけば代数学のありがたみもわかる.
手元にあって損は絶対にない一冊である.
なお単体的複体とホモロジーについては「数学セミナー2017年12月号」もかなり参考になるので同時に読まれるとよいであろう.
ちなみに私は知人から「トポロジーでも微分形式の積分でルベーグ積分を使う」と聞いて, また「数学ガール ポアンカレ予想」を読んで, 位相幾何に興味を持った. 本書で位相幾何に入門していけると信じている.