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- カテゴリ:一般
- 発売日:2016/10/27
- 出版社: 白水社
- サイズ:20cm/422,67p 図版16p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-560-09518-8
- 国内送料無料
紙の本
ヒトラーの元帥マンシュタイン 上
ドイツの「名将」マンシュタイン。生誕からエリート参謀、ヒトラーに仕えたフランス侵攻、クリミア戦役まで、英国陸軍少将の著者が史料や私文書を渉猟し、その栄光と挫折の生涯を描く...
ヒトラーの元帥マンシュタイン 上
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商品説明
ドイツの「名将」マンシュタイン。生誕からエリート参謀、ヒトラーに仕えたフランス侵攻、クリミア戦役まで、英国陸軍少将の著者が史料や私文書を渉猟し、その栄光と挫折の生涯を描く。カラー口絵地図・写真多数収録。【「TRC MARC」の商品解説】
「名将」の栄光と挫折の生涯を描く評伝
マンシュタインは第二次世界大戦のドイツ軍の「名将」として知られる。名家に生まれ、第一次世界大戦に従軍し、やがて参謀将校として頭角を現し、エリート街道を進む。ヒトラーが権力を掌握し、彼に仕えてフランスを電撃的に打ち破り、降伏に追いやる。独ソ戦ではレニングラードに猛進、またセヴァストポリを陥落させるなど、多大なる戦果をあげる。しかしマンシュタインは、スターリングラードを死守せよとするヒトラーと対立し、解任される。失意のマンシュタインは、戦後、戦犯裁判の訴追という窮境に追い込まれる。マンシュタインは指揮下の部隊が戦争犯罪を行うのを止めず、責任を問われたのだ。すべての訴因について有罪ではなかったものの、禁錮刑に処せられる……。
英陸軍少将の著者は、戦後、称賛と非難の両極端に分かれたマンシュタイン評価に対し、その生涯を包括的に再構成し、ドイツ近現代史の流れを投影しつつ、ドイツの興亡を活写する。マンシュタインはナチ犯罪・戦争犯罪にどこまで関与したのか? 新史料や私文書を駆使し、「名将」の光と影、実像に迫る評伝の決定版。【商品解説】
「名将」の光と影、実像に迫る評伝。英国陸軍少将の著者が新史料や私文書を渉猟し、栄光と挫折の生涯を精彩に描く。地図・写真収録。【本の内容】
著者紹介
マンゴウ・メルヴィン
- 略歴
- 〈マンゴウ・メルヴィン〉英国陸軍の軍人。王立工兵隊に入隊して以来、陸軍戦略・戦闘研究所長、NATO連合軍即応兵団工兵隊長など要職を歴任。2011年退役、最終階級は少将で、バス勲章と大英帝国勲章を受ける。
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軍人と政治
2021/01/06 03:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:mt - この投稿者のレビュー一覧を見る
イギリス人軍事史家によるマンシュタインの評伝。上巻は独ソ戦の前半、クリミア半島攻略まで。訳者のグデーリアン本でも感じたことだが、ドイツ帝国で生まれ育った生粋の君主主義者故に、ヒトラーの「生存圏」を求める闘争にも素朴な共感を示し、その蛮行には「見て見ぬふり」をする。優秀な作戦家という面以外に、こうした政治的な立ち居振る舞いをどう評価するかがポイントであろう。意外だったのは「知将」というイメージと違い、積極的に前線を回り将兵と交わる指揮官だったということ。優れたリーダーシップの持ち主だったことは間違いない。
紙の本
元帥とユダヤ人
2016/11/29 21:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
この高名な元帥について日本語でまとまって読めるのは本人の回想録の他は副官で弟が元帥の姪と結婚したシュタールベルクの回想録、あとはグイド・クノップの「ヒトラーの戦士たち」で書かれている箇所ぐらいだろう。
さて、この本の著者は元帥の実家の姓が「フォン・レヴィンスキー」という典型的なユダヤ人の姓である事に何も書いていない。ラインハルト・ハイドリヒのように祖母の再婚相手がユダヤ人風の姓だったばかりに、未だに「ユダヤ人の血を引いている」という風説が流布されている人物と同じ時代の軍人なのに、「解放処置」の対象どころか「ワルシャワのラビ長だったかもしれない」という「ユダヤ人の子孫」だと「非難」されなかったのは、シュタールベルクの回想録の記述から見当がつく。何しろ、この伝記はシュタールベルクの系図を曾祖父の代にプロテスタントに改宗したユダヤ人の子孫ではなく、「長い伝統を有する、プロイセンの保守的で富裕な旧家の典型といえる家柄の出」と書いているから、著者は「ユダヤ人問題」自体に関心がないのだろう。
著者自身が書いているように、この高名な元帥は第11軍司令官時代に発したユダヤ人を虐殺する命令について回想録では一言も触れていない。元帥とシュタールベルクの系図について肝心なところを触れていないのだから、第11軍がユダヤ人の虐殺に関わった事を触れたくないのかも知れないと思える。もっともグイド・クノップの「ヒトラーの戦士たち」のような本でも、この事については同じだが。
これは翻訳者の方だが、「ドイツ軍事史」で「管見の限りであるが翻訳ものの戦記やミリタリー関係の雑誌の記事などでも『ランツァー』が使われているのをみた記憶がないのだ」と書いている。ビーヴァーの「ノルマンディー上陸作戦1944」で「ランツァー」を使っていたし、著者御自身がビーヴァーの本に言及したのを聞いた事があるので、この本を読んだはずだが。ビーヴァーが引用しているディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍の「最悪の仕事」発言は「ドイツ軍事史」で二章を割いて利用しているナイツェルの本が出典だが、英訳の電子版で見る限り、どこで行った「仕事」なのか、書かれていない。どうやら邦訳者はフォン・コルティッツ発言は第11軍傘下の第22歩兵師団時代の「仕事」だと薄々思っているので、触れないのだろう。
元帥とは関係ないが、どこかのマニア向けライターの本で取り上げたロードス突撃師団と師団長ウルリヒ・クレーマン将軍がロードス島で何をしたのか、「ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅」を読めば分かる事を知らないので書かないような真似はしてほしくないものだ。
この伝記の注釈で批判的に引用されているマーティン・ギルバートの本は邦訳はないと思うが、「エルサレムの20世紀」ではパレスチナからクリミア半島に移住したユダヤ人達に見舞った運命が書かれている。