紙の本
博覧強記
2017/02/08 11:37
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:センター長 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の博覧強記ぶりに驚きを禁じ得ない。これだけの幅広いテーマを扱っておきながら、そのテーマのすべてにおいて奥が深い議論を展開している。近い将来、きっと日本を代表する知識人となっているのではなかろうか。内容的にも現在の20代30代は必読に値すると思う。繰り返し、この本を読むことで、自身の将来形成に大きな気づきがあるはずである。
なお、些細な点で恐縮だが、一つ注文をつけるとすれば、299頁に「リベラル・アーツ・カレッジ全米ランキング」第2位「アマースト大学」の著名な卒業生として、著者は「内村鑑三」の名前だけを掲載しているが、アメリカ第30代大統領のカルビン・クーリッジや日本初の学士である「新島襄(同志社創設者)」の名もあげるべきであろう。
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スタートアップ企業に欠かせない戦略として、リード・ホフマンは「ブリッツスケール」という概念を提唱しています。ブリッツスケールとは、ブリッツクリークという「電撃戦」を意味するドイツ語に、スケール(拡大)を組み合わせた造語です。ブリッツクリークとは、第二次世界大戦時にドイツ軍が編み出した軍事戦略であり、「必要最低限のものだけを持ち、素早く動くことで、敵の不意を突き、一気に敵陣を攻略する」という手法です。これをスタートアップ経営に当てはめてみると、勝負どころと見極めたら、素早く組織を拡大し、一気に顧客を囲い込み、収益を拡大するということです。まさに電撃作戦です。p189
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日本では、街は安全で、ご飯はおいしく、経済の低迷が続いているとはいえ、世界の中ではまだ相対的に豊かです。しかしながら、そんな平和な時代もついに終わりを告げようとしています。安寧の日々が続くのもせいぜい2020年まで。それに前後して、日本にはほぼ確実に修羅場が訪れます。それは、数年に一度のものではなく、数十年、おおげさに言えば、100年に一度と言ってもいいインパクトのあるものとなるでしょう。 日本の近代は、1868年の明治改元から始まり、その第1ステージは、1945年の敗戦によって幕を閉じました。その後、敗戦から立ち直った日本は、奇跡の経済成長を遂げ、輝かしい「近代の第2ステージ」を創り上げました。しかし、その時代にも終わりが近づいています。戦後モデルのガラガラポンがあらゆる領域に迫っているのです。 2020年前後から始まる「日本近代の第3ステージ」、通称「日本3・0」は、これまでとはまったく異なる思想、システム、人を必要とします。 新しい時代にもっとも不要なのは、「チャレンジ童貞」です。求められるのは、失敗してもはいあがり、しつこく挑戦する人間。常識を疑い、ゼロからイチを生み出せる人間。日本にとどまることなく、世界に飛び出す人間です。
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私は次の「10のファクター」が複合的にガラガラポンをもたらすと読んでいます。
(1)年功序列の終わり
(2)正社員と非正規社員の格差解消
(3)男女逆転
(4)外国人労働者の登用
(5)難民 (特に北朝鮮・中国)
(6)業界再編・伝統企業の倒産
(7)スタートアップの興隆
(8)第4次産業革命 (ロボット・AI・ビッグデータ・IoT)
(9)交通革命 (リニアなど)
(10)グローバル(TPPなど)
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「日本3・0」時代のキャリアにおいては、「多動であること」がプラスになります。多少のキャパシティオーバーは気にせずに、とにかくフィールドを広げてみてください。「多動であること」と「ある分野に集中すること」。これを両立することこそが、「日本3・0」時代を満喫する「最高の働き方」なのです。
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表題の「3.0」は、明治維新以降の日本を1.0、敗戦以降を2.0としたうえで、2020年ごろを起点とした期間を「3.0」として定義。団塊の世代の引退、東京オリンピック完了、リニア開通などの要因によって生じる大きな社会変動に対する啓蒙書。
400ページとボリュームは若干冗長だが、読みやすい。
全6章のそれぞれの章において10冊づつ掲示されている「読むべき本」がなかなか興味深い。章によってはほとんど全部読んでいたけれど、まったく手をつけていないジャンルもあった。
著者はニューズピック編集長。
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薩摩の血を受け継ぎ、福澤諭吉の「せめて100分の1ぐらいは世の中に貢献できるよう」という38歳の著者による憂国の書。
2015年から明治維新→敗戦の70年周期の第3のガラガラポン革命「日本3.0」がはじまってる。改革が必要なガラパゴス産業の筆頭に挙げられている大学については特に厳しく、「大学教育、とくに教養教育の復活なくして、「日本3.0」時代に合った人づくりはできない(p280)」
415頁と長いが、各章に「10のポイント」と「考えるための10冊の本」が掲載されており読みやすい。
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Newspics編集長の佐々木さんによる著書。
2020年後の日本を明治維新後、戦後につづく近代3回目の転換点日本3.0として、政治、経済、教育、働き方と様々な角度から現状分析と未来予想をしている。
普段から幅広い人達と接し、取材されているということでかなり多面的かつ客観的に捉えていて、大変興味深かった。
本書中で筆者が再三しているこれからの日本の中心になる30代の一人として、自らの力の無さを痛感する内容でもあった。ただヒントとしてこれからは大企業とベンチャー、都心と地方、グローバルとローカル
境界を跨いで活躍できる人が重要になるというのはすごくしっくり来たし、自分のキャリア感にもマッチした。ビジネスをする上でも重要になる教養を得るためにもとにかく本を読むこと、自身が圧倒的に足りないと感じているレトリックを含むアウトプット力を鍛えること。この2つは明日からにでも取組みたいと思った。
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明治維新で日本1.0が確立され、戦後の焼け跡から日本2.0が始まったが、それも70年周期で考えると東京オリンピック開催の2020年には終焉を迎え、新たに日本3.0が始まるとして、団塊の世代の卒業と団塊ジュニア(広義の1970年代生まれ)の台頭、天皇の生前退位、東京オリンピック、他には財政破綻、政界再編、戦争紛争、自然災害などをその要因として挙げ、掴みは上々です。
続いてこれからの国家、経済、仕事、教育、リーダーについての論考は丹念に調査されていて至極まっとうですが、既知のことが多く、掴みで放った強烈なメッセージが影を潜めてしまうのが、もっとトンデモ本的な飛躍を期待していただけにちょっと残念な感じでした。
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ただ人の意見をまとめただけの本。
よくもこんなつまらない本を長々と書けたものである。感心。
また同じ学校出身だからガッカリ。もうちょっと奇抜な発想ができないものかね。
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日本が第3の転換期にある、というのは以前から言われていることですが、いよいよ大きく変わるときが近づいた気がします。
この著書は、NewsPicks編集長である著者が6つのテーマに分けて、その低迷の原因とそこからの脱出のためのヒントをまとめています。
上手く整理されていますので、テーマに応じて読み返す価値はあると思います。
いろいろと興味ある記述もあったのですが、現在話題の生前退位からの改元の影響については、少し以外でもあり、納得もできます。
この作品では、2020年を1つの区切りとしていますが、あと3年、短い期間で何ができるのか、考える必要があります。
▼「日本3.0」=日本の近代が3段階目に入ること
▼第3のガラガラポン革命を引き起こす「10のファクター」
①年功序列の終わり
②正社員と非正規社員の格差解消
③男女逆転
④外国人労働者の登用
⑤難民
⑥業界再編・伝統企業の倒産
⑦スタートアップの興隆
⑧第4次産業革命
⑨交通革命
⑩グローバル化
▼リーダーの7つの力
①体力
②ワールドクラスの教養
③クリティカル・シンキング
④議論・説得する力(レトリック)
⑤無私
⑥孤独力
⑦コスモジャポニズム
<目次>
第1章 日本3.0の始まり
第2章 日本3.0と国家
第3章 日本3.0と経済
第4章 日本3.0と仕事
第5章 日本3.0と教育
第6章 日本3.0とリーダー
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日本が今後変わってくるよ、というのをデータの裏付けをしながら論が進んでいく。
政治、経済、教育など各視点別で論が進行している。
分野によっては、しっくりこないところがあった。
今後の働き方はこうなる!とか、まとめ方がイマイチしっくりこない。8つ程度に分けられると、まとまりがなく感じてしまうからだろうか。
2025年に東京の人口が減ること、ここはしっかり抑えたいところ。これだけで本1冊かけそう。
今後必要なスキルとして、メノンという書籍を知れたのが良かった。
日本人とメノンは、いろんな知識を持っていても、それは表面的で、その知識の源泉、その根本、原因を押さえていません。プロセスを考え抜いたうえでの知識ではないので、ちょっとつっこまれるとあたふたしてしまいます。 一方、ソクラテスの言う知識とは、原因の推論によって縛りつけられた知識です。そうした知識であれば、応用も利
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東京五輪前後に起きるだろう変革によって生まれ変わる日本を「日本3.0」と定義し、予測される変革とそのとき必要になるスキル、ビジネスチャンス、必要とされるリーダー像を様々な知見から取りまとめた本。多くの書籍に書かれているが、2020年を期にAI、ビッグデータ、IoTの進化が目に見える形で社会に浸透していくのだろう。そして言葉の壁のない社会がやってくる予感がする。
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ものすごく新しい気づきがあった、というわけではないけれど、これからの日本、これからの世界がどんな風になっていくのか、政治、経済、個人のキャリア、等々それぞれの視点から書かれていて、読みやすく分かりやすかった。
全体を通して感じたことは、本当に自分には教養が絶対的に足りないということ…歴史、哲学、アート、いわゆる「実学」とは対極にあるものにほとんど触れてこなかったけど、これから、少しずつでも学んでいけたら少しは変われるかなぁ。ネットばっかり見てないで、孤独に自分と向き合ったり、歴史ある書物を開く時間を取っていこう。
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先輩に勧められた本。「若者よ大志を抱け」的なメッセージには共感するものの、新奇性には乏しい。冒頭の明治維新、高度経済成長の分析は短絡的にすぎる…ちょっと読む気が失せてしまった。さすが幻冬舎なだけあって、速読向き。
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・スタートアップの全盛期が終わり、スタートアップ単独でイノベーションを起こすのは難しくなりつつある。それはネット業界に大ボスが生まれて、大勝負にほぼ決着が付いたから。
・日本でスタートアップが主流になる日はなかなか来ない。
・「日本3.0」時代は30代が主役
各章に参考本の記載もあり
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これから、社会は、日本はどうなるのか、そして自分はどうしたらいいのか、という問題意識があり買った本です。
70年サイクルのガラガラポン革命が2020年を目安に起こるのだという話。
確かに、読んでいくとなるほど2020年に節目がやってきそうだという気がします。
これから大切なことで、教養を強調されていました。
教養がなければイノベーションも起こせないし、起業してもワクワクさせられるようなビジョンを描けない。
人生を捧げるだけのビジョンを掲げているスタートアップがこの国には少ない、ということ、
自分でもうっすらと思っていたことだったのですが、著者の佐々木さんはズバッと言い切りました。
やはり様々な人にたくさんインタビューされているだけあって、本書の中で紹介しきれないほど多くのものを感じておられるのだと思います。
教養は自分にも足りない部分なので、今からでも読書をしたりアートに触れたりして、リベラルアーツの素養を身につけていきたいと思いました。
2020年から、わくわくする未来が開けるよう、未来形で議論できるようにしたいと思いました。