紙の本
なんと言うか
2018/01/30 20:18
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
今までのにおいたつようなエロスがあまり感じられないのが残念。独特の淫微な香りがずいぶんマイルドになってしまいました。
紙の本
シリーズ三冊のなかでこれが一番すき。
2021/08/20 01:06
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投稿者:ひっそりみーたん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初からずっとすきだけどねー。
ぼくが特にいいと思うのが、2話目の「この川、渡るべからず」だ。冒頭の、雨の中を自転車で走るシーンの情景が目に浮かぶよう。春の雨の描写がどしゃ降りというより災害一歩手前のゲリラ豪雨っぽい、今どきの降り方でありつつ、情緒と妖しさがあるのがいいですなぁー。
桜蔵くんが異界の扉をどこでくぐり抜けちゃったのか、よくわかんないところもいい。
若い頃の柾が出てきたり、柾と遠子さんがごく普通のオシドリ夫婦みたいな会話してて微笑ましかったりもする。
ふと、1話と2話が同じ季節(4月頃?)っぽい気がするけど、何故? って思ってよく読んだら、1話と2話の間に一年が過ぎていた! 展開速っ。というか、何度も読み返したのにずっとそれに気づかなかったぼくは……。
ハードカバー・単行本とも、表紙には、本文にたまに書かれる桜蔵くんの見た目とは似ても似つかないイケメンが描かれているのが地味に気になるんだけど、まあしょうがないか。ターゲットの客層に合わせると、女の子っぽいイケメンがいいのかもしれないね!
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シリーズ最新作。
一応、全て買っているのだが、前作の内容を綺麗サッパリ忘れていた……。これも夢と現実、あの世とこの世を行き来する作品の影響……というわけではなく、単に歳を取ったからなのだろうw
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事あるごとに父の柾や関わり合う怪異面々に女扱いされてしまう桜蔵の彼女の名前が、真也(まや)と言う一見男性名シンヤってのが面白い。好みだったのは3話と4話。桜蔵の父親って一体誰なんだろ。明かされる時は来るのかな。長らく続きが出ていなかったから、完結せず、うやむやな尻切れトンボになってしまうのかと危ぶんでいたから、何はともあれ続編が出てくれて嬉しい。
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甘美で幻想的な異界への誘い――匂いたつかぐわしさにほろ酔う連作奇譚集。
男同士が忍び逢う宿屋「左近」の長男、桜蔵(さくら)は高校を卒業し、大学に進学。それを機に実家をはなれ、父の柾とその正妻と同居することになる。しかし、やっかいなものを拾う”体質”は、そのままで……
大雨の朝、自転車通学の途中で事故にあい、迷いこんだ先は古着を仕立て直すという〈江間衣服縫製所〉。その主の婆さんは着ていた服で浮き世の罪の重さをはかり、つぎに渡る川や行き先を決めるという――この世ならざる古着屋や巡査との出逢い、境界をまたいで往き来する桜蔵の命運やいかに――!?(この川、渡るべからず)
匂いたつかぐわしさにほろ酔う、大人のための連作奇譚集。
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左近の桜シリーズ第三弾。
今回も桜蔵(さくら)は、妖しいものを引き寄せている――というか、引き寄せられていると言った方がいいのかもしれない。この世とあの世の境をあっさり越えて、見えないはずのものに翻弄されているような桜蔵を見ていると、読み手のこちらが消耗してくる気がする。やはりこういうのはあまり得意ではない。自分の輪郭が曖昧になっていくような錯覚に陥るので、あちらの世界に取り込まれそうになる。桜蔵は慣れていてどうということもないのだろうか。そんなこともないだろう。ともかく、現実世界のひずみに迷い込んだような一冊である。
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シリーズ第3弾。長らく新作が出なかったので、シリーズ完結かと思ってた。
前作から少し時間が流れ、桜蔵が大学生になっているが、相変わらずの拾いもの体質。
道端で、旅先で、この世のものではないモノを拾い、惹きつけ、この世とあの世の境をさまよう。
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シリーズ3作目。幻想の中を歩いているような言葉選びと情景描写。
何度か読み込めば、また違った面に気づかされるのだろうと思う。
タイトルも装幀もまたたまらない…隅から隅までこだわりを感じます。
4巻に続くのだろうか。楽しみに待ちたい。
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シリーズ3冊目。
続巻が出るとは思っていなかった。
相変わらずの不思議なお話。読んでいるうちに(あれ?)ってなるけれど、それも世界観として納得してしまう。
大学生になった桜蔵、高校生の千菊の成長ぶりも読者(特に女性読者)としては微笑ましいが、何と言っても父親である柾さんが素敵すぎる。
また、続きが読めたら嬉しいな。
長野まゆみさん、お願いします!
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初出 2009年「野性時代」、2016〜17年「本の旅人」。
左近の桜シリーズ第3作の4話
主人公の大学生左近桜蔵(さくら)は、意図せずに異界へ行ったり、異界の者を引き寄せるたちで、ある者たちには女に見えるらしい。こういう物語も嫌いじゃない。
第1話は400年前に罪を得て犬にされた繕い師が現代人に憑依し、桜蔵にも絡みつき夢か異界か現実か判然としない展開になる。
第2話は通学途中で事故に巻き込まれ、三途の川の向こうらしき家で奪衣婆に会い、浮世での罪の重さを計られる。
第3話はブックカフェで手に入れた『緑の月』という昭和17年の詩集が、かつての詩人の遺産争いに桜蔵を巻き込む。
第4話は、房総半島の先で桜蔵が子供の頃に海で行方不明になった若者の骨を、因縁の深い犬に導かれて発見する。
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左近の桜シリーズ、第3弾。
以前はもう少し夢おぼろな感じで巻き込まれていた記憶がありますが、今作はあちらも少し強引なような。
醒めない夢が常にそうであるように、醒めたと思えばまた夢の中、何度も舞台が変り、自分が何者だったかさえ見失ってしまう。
黒い犬はちょっとグロテスク。
土砂降りの雨、水はやはり、あちらとこちらを隔てるものであり、また境目をあいまいにするものでもある。
本が旅の扉を開くことはたまにある。
また犬?怖い!…と思ったらいい話でした。
第一話 その犬に耳はあるか
第二話 この川、渡るべからず
第三話 ありえないことについての、たとえ
第四話 その犬の飼い主に告ぐ
特殊な体質(能力)とはいえ、闇雲に引きずり込まれるわけではなく、やはり"縁あるもの"が、助けを求めて呼んでいると思われる。
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左近の桜シリーズの3作目。
1~2冊目と突然表紙の雰囲気が変わりました。黒にピンクの箔押しが美しい。
相変わらずこの世の者ではない者たちを無意識に呼び寄せてはこの世とあの世の境目を行ったり来たり、な桜蔵でした。
第四話の「その犬の飼い主に告ぐ」がいい話で好きです。柾は魔性の男だなぁ。作中の癒しであれと願っていたゆで卵大好きな弟がだいぶ大人びていてびっくりしました。
まだシリーズは続きそう。期待。
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のっけから妖しい世界へつかまって、BL度上がってるような、それより生命の危険がやばそうな(もしかしてすでに何度か死んでそうな)もろもろを、美しい文章でくるんでました。今回はなぜか入手に難儀。謎が少しづつ解けそうな、まだまだお預けのような、続きが期待できそうなラストに楽しみが♪
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「左近の桜」「咲くや、この花 」に続くシリーズ3作目。
まさか前作から8年経った今、新しい続編が読めるとは思わなくて本当に感動…。
大学に進学した桜蔵だけれど、この世ならざる厄介なモノを“ひろう”体質はそのまま。気付けば彼方此方と夢と現の境界を振り回されてしまう。今回は特に場面の転換や時間軸、主観の入れ替えなどが頻繁で、一体何処からが現実の出来事で、どこからが夢なのかがわからなくなってしまう。
けれども、読み進めていくうちにその現象から視える人々や建物の風景などが思わぬところで繋がり、辻褄が合ってくるように感じる。想像次第では、桜蔵の目を通してもう一つの物語を見ることが出来る。そんな、蜃気楼のような不思議な短篇集でした。
久し振りにこう言った感覚を味わえて、何だか懐かしい気持ちにもなりました。左近シリーズをまた1作目から読み返したい…!
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少年アリスに続いて、長野まゆみさんの御本2冊目。前作は読んでませんが、今作だけでも楽しめる短編集でした。
独特な世界観や時間軸、細かく繊細な描写、冷たく妖しい雰囲気など、長野まゆみさんらしくて読み進める毎に一気に惹き込まれます。
巻き込まれる物事の解決を求めてはいけない本。不思議な夢でも見ているかのような、そんな感覚で読む本です。前作も買おうと即決するほど時間を忘れて本の雰囲気に浸れました。
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柾のちょっと人間味のある描写があって意外だった。
江間堂のあたり、モチーフの匂わせ方が巧妙。
とろで桜蔵の食べ物を再構築する設定はどこに行ったのか。