「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
コケのようでコケじゃない。街路樹、石塀、神社の鳥居…いつでもどこでも気がつけばとなりに拡がる地衣ワールド。地衣類の面白さにハマった著者が南へ北へ、ついにはフィンランドまで、地衣類をウォッチングする。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
盛口 満
- 略歴
- 〈盛口満〉1962年千葉県生まれ。千葉大学理学部生物学科卒業。沖縄大学人文学部こども文化学科教授。専門は植物生態学。著書に「自然を楽しむ」「シダの扉」など。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
見えていないものに教えられること。
2018/03/09 10:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゲッチョ先生の「進み方」はいつも変わらない。ふとした疑問に立ち止まった時、まずは自分でよく観察し、考えてみる。そして「基本」を勉強する。専門家に質問する。自分で観察して考えてから答えをもらうと「より」よくわかるというのはわかる気がする。そこから最初に気づいた疑問の方向へ広げていく。今回の「地衣類」でもそうだ。
いつでも、どこでもみつかるのに、見えていないもの。ゲッチョ先生には地衣類もそういうものの一つだった。
序章で「福島の原発事故」から地衣類への興味が動き出したと書いてある。でも、途中の章はいつも通りに「気づけばいろいろわかる」という話が続く。「地衣類屋」さんの行動や、地衣類とサンゴが似ているところとか。ちょっと「地衣類と放射性物質」の答えの方向に行くまでに時間はかかるかもしれない。でも最後の章まで読み進んでほしい。ちゃんとつながっている。
「たとえ存在しているとしても、自分の視野の外にあるものは見えてこない。(中略)自分には何が見えていて、何が見えていないのだろう。物忘れのひどい僕だけど、そのことに対しては、自覚的でありたい。(p234)」。見ようと思わなければ見えてこないものは誰にでもどこにでもきっとあるのだ。自分の「知っている世界」はそうやって自分で選んでつくっている物だということは自覚していたいと思う。
ゲッチョ先生の本には、読んでいる流れのせいかもしれないが「名言」だと心に残る言葉がこんな風に時々出てくる。今回の読後の気分はかなり「哲学的」でもあった。