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紙の本
昼も夜も彷徨え マイモニデス物語 (中公文庫)
著者 中村 小夜 (著)
イスラーム教徒とキリスト教徒が抗争する、12世紀の地中海。マイモニデスは異郷を放浪しながら、言葉の力で迫害に抵抗し、人々に生きる勇気を与える。史実に基づき、中世最大のユダ...
昼も夜も彷徨え マイモニデス物語 (中公文庫)
昼も夜も彷徨え マイモニデス物語
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商品説明
イスラーム教徒とキリスト教徒が抗争する、12世紀の地中海。マイモニデスは異郷を放浪しながら、言葉の力で迫害に抵抗し、人々に生きる勇気を与える。史実に基づき、中世最大のユダヤ思想家の波瀾の生涯を描く。【「TRC MARC」の商品解説】
異国を長い間旅していると、日本語の活字に飢えてくる。とくにイスラーム圏にいると、日本の本が手に入る可能性はまずない。
私がエジプトとシリアに住み、その後シリアから陸路で国境を越えてトルコからギリシャ、イタリア、フランス、スペイン、ポルトガルまで地中海世界を放浪したのは世紀の変わり目で、スマホもまだなく、ようやく町のインターネット・カフェで日本とメールのやり取りができるようになった頃だった。
そんな環境だから、住んでいる者や、すれ違う旅人どうしで手持ちの本を交換しあうのは宝の交換のような喜びだった。そうして出会った一冊の本の中に、「昼も夜も彷徨え」というマイモニデスの言葉がのっていた。その言葉は、故郷から遠く離れ、異邦人として、旅人として生きていた私の心に、静かに寄り添うように響いた。 帰国してからマイモニデスについて調べてみたが、これはとんでもないものに心惹かれてしまったな、と思った。宮廷侍医だけではなく、中世最大のユダヤ教の思想家であり、哲学者であり、一流のタルムード学者。とても門外漢の私の手などにおえる相手ではない。
一方で私は、マイモニデスが生きたイスラーム世界の空気を肌で感じていた。彼が渡り歩いた土地の多くを、私もまた旅していた。 コルドバの路地裏で石畳の音を聞いた。地中海を渡る船でザコ寝して夜明けを迎えた。砂漠に寝っ転がって、満点の星空の下で眠った(本当に、まぶしくって、眠れやしない!)。砂と人いきれでごった返すカイロは、旧市街に行くと、十二世紀の地図を頭に入れても動けるぐらい当時の面影を残していた。 もしも土地に記憶というものがあるならば、その記憶をたどってひとつの世界が描けるかもしれない……。いつしか私の中で、物語が勝手に言葉をつむぎはじめた。――「あとがき」より【商品解説】
中世最大のユダヤ哲学者マイモニデス。イスラーム教徒、キリスト教徒による迫害を逃れて、地中海世界を放浪。手に汗握る歴史的・思想的大冒険活劇。【本の内容】
著者紹介
中村 小夜
- 略歴
- 山口県生まれ。コピーライター。コラム、エッセイなども手がける。コーランの響きとアラビア文字の美しさに魅了され、イスラーム世界を旅する。一九九九―二〇〇一年独裁政権時代のエジプト・シリアに滞在し、現地の日常生活をつづった「埃及千夜一夜」「シリア千夜一夜」を文芸誌に寄稿。イスラーム世界の魅力を物語で伝えたいと思い、筆をとる。
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紙の本
コーランの響きとアラビア文字の美しさに魅了され、イスラーム世界の魅力を物語で読者に伝えたいと願われている中村小夜氏の代表作です!
2020/08/12 09:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、コーランの響きとアラビア文字の美しさに魅了され、イスラーム世界を旅している中村小夜氏の作品です。同氏は、1999‐2001年の期間、独裁政権時代のエジプト・シリアに滞在し、現地の日常生活を綴った「埃及千夜一夜」や「シリア千夜一夜」を文芸誌に寄稿された経験をおもちで、イスラーム世界の魅力を物語で伝えることを夢見られている作家の一人です。同書はその代表作ともいうべきもので、イスラーム教徒とキリスト教徒が抗争する12世紀の地中海が舞台です。勢力を広げるムワッヒド朝が突きつけた「改宗か死か」ということに対して、神を求める人間の葛藤、迷い、失望と愛憎を描いた作品です。マイモニデスはスペインからエジプトへと異郷を放浪しながら、言葉の力で迫害に抵抗し、人々に生きる勇気を与えてくれます。史実に基づいた中世最大のユダヤ思想家の波乱の生涯を描く歴史物語です。
紙の本
教科書に載らないユダヤ教の偉人の人生。憧れます。
2020/04/16 17:10
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:積ん読太郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
モーセ・ベン・マイモンの生涯を描いた本。高校の世界史の本には載っていませんでした。中世最大のユダヤ思想家。医師。
モーセはイスラム教徒からの迫害を逃れ、コルドバから北アフリカ、アッカ、エジプトと転々としながらも、家族を守り、同胞を助けていきます。
その姿の力強いこと!ただ、ただ圧倒されました。
ちなみに作中で目に留まった言葉は、「旅人にとっては、天空のすべてが屋根で、大地のすべてが寝台だ」ということば。
こんなセリフに憧れますが、とても真似できません。
眩しすぎます。
電子書籍
今いる場所が自分のいたい場所でないと感じるすべての人のための小説
2023/04/21 12:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:吟遊詩人Mu - この投稿者のレビュー一覧を見る
どこに私の居場所はあるのだろう。
そう思う人の心にとても響く小説です。
なじみのないイスラムやユダヤの世界のお話ですが、主人公の言葉が宗教も時代の違いも飛びこえて響いてきます。