紙の本
人生というのは簡単じゃない。
2023/12/24 22:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
ただ、行動することは必要だ。その行動がどういう良いか悪いか、どういう結果を出すのかはさておき、何かしたらすごく悔しいとか、そんなことを感じることができる。同時に、少なからず人に影響を与えることになる。影響は0じゃない。絶対に0.1以上だろう。そうやってい生きていくと最期に繋がってきたことが見えるかもしれないじゃないか。まだ、私はこれから先、生きていく。久しぶりにしんみり涙が出た本だった。ほんとは色々努力してきたのに、それを大袈裟に言わない主人公の感覚がとても好きだ。
投稿元:
レビューを見る
大切なひとを心より大切に想うことができるのは幸せなこと。
大切なひとに大切に想われているのを感じられれば、言葉にできない喜びに心震えてしまう。
いつかいなくなるときがくる。
その時まで、つなぎとめていく揺るぎない最強の幸せがそこにある。
投稿元:
レビューを見る
+++
函館から津軽海峡をフェリーで渡る67歳の野原ゆかりは、元ムード歌謡の歌手。借金返済のため、営業の旅に復帰したのだ。その船内で知り合った12歳の家出少女森川縁が、なぜかゆかりの後をついて来る。旅先で起きるトラブルや55歳の歳の差を乗り越えて、いつしかふたりは固い絆で結ばれていく。そしてたどり着いた最後の会場、東京。そこにはゆかりの悲しい過去が刻まれていた…。
+++
67歳と12歳、ゆかりと縁(ゆかり)の「ふたりみち」の物語である。それぞれに事情を抱えた利の差55歳の二人は、津軽海峡を渡るフェリーで出会い、なぜか一緒に旅をすることになる。歌を、音楽を通して、二人のなかにある何かが響きあったのかもしれない。行く先々でトラブルに見舞われ、ろくに歌うこともできずにいるミラクル・ローズ(=ゆかり)だったが、縁がいつも支えになってくれている。12歳らしい幼さと、12歳とは思えない逞しさを持ち合わせた縁がいたからこその、ゆかりの旅なのである。ゆかりにとっては、人生の来し方を振り返る旅にもなっており、縁にとっては、人生の行方を探す旅でもあるのだろう。切なさ、ほほえましさ、人情のあたたかさ、一筋縄ではいかないやりきれなさなど、さまざまな感情を呼び起こされる一冊でもある。
投稿元:
レビューを見る
67歳の元歌手がドサまわりに復帰するため乗ったフェリーで出逢った12歳の家出少女。
いつしか二人は年を越えた友情で結ばれていく。
最初はこの話がどこに向かっていくのかわからなかったが
最後は非常によかった。
映像化されそうな気がする。
【図書館・初読・4月27日読了】
投稿元:
レビューを見る
大ヒットが出ないまま引退したムード歌謡歌手のゆかりは、67歳にして借金返済のために昔のつてを頼って営業の旅に出る。その旅の初めに出会った少女の縁(ゆかり)は、何故かゆかりの後をつけまわす。行く先々でコンサート中止というトラブルに巻き込まれる内に二人の”ゆかり”の絆は深まって行く。
キャラが良いですね。
何と言っても縁。無鉄砲で、純粋で、可愛くて、しょっちゅうお腹を減らしてる少女。そして、聞く人誰をも感動させるシャンソンの実力があり、いざとなると腹が座ってラップバトルで人気ラッパーを打ち負かしてしまう67歳のゆかり。ゆかりが巻き込まれるトラブルに、縁は怒り、泣き、笑い、そんな縁をゆかりは「私の本心」と思い絆を深めて行くロードムービーです。
山本さんの作品は、高級食材でグルメを唸らせるようなものではありません。いわば定食屋さん。でも、飛び切り美味しい定食はとても良いものです。
山本作品のもう一つの楽しみは他の作品の登場人物がちょい役で出演すること。ただ、この作品ではゆかりが最初に就職した会社がアヒルバスだったという事しか気づきませんでした。他にも居たのかな?
投稿元:
レビューを見る
67歳の元歌手。ミラクル・ローズという名前で7曲を出し少しだけ売れたのは1曲。現在では知ってる人が少ない過去の人。現在は本名のゆかりでスナックのママ。そのゆかりが12歳の少女縁(ゆかり)と出会うとこから始まる。過去に少しだけいい時があっても今は誰も知らない。自分の歌で人の心が動き、人生が変わる。そういう人を目の当たりにしてようやく今の自分を肯定できるもの。過去の自分と今の自分の確かなつながり。誰か一人でも覚えてくれている人がいるということ、出会えてよかったと思える人がいること。誰の人生にだって自分だけのドラマがあるということを鮮やかに描いている。本当にいい小説。
投稿元:
レビューを見る
元ムード歌謡の歌い手ミラクル・ローズことゆかりは、函館からの連絡船で家出娘の縁と出会った。
ゆかりの数日間の個人的なツアーに、スタッフとして同行することになった縁。
行く先々でトラブルに見舞われる二人。
ツアーの目的は?
前半、今ひとつ入り込めずにいましたが、ローズさんの過去が少しずつ分かってくるにつれ、一気に面白くなりました。
最後に登場人物を一気に回収する感じは、とても好きです。
そして、遊さんとのこと。
今回の旅があって初めて、遊さんの気持ちを知ることが出来たローズさん、ハッピーエンドに涙腺が緩みました。
お約束の他作品との繋がり。
思わず、うふふ♡
投稿元:
レビューを見る
読みやすくて笑いどころも多かったが、年齢だったり孤独だったり生い立ちだったり色々と根っこが暗くて辛くなる部分もある。
67歳の主人公の歌の凄さが自分には感じられなかったのが残念。この作者は多くの作品に歌を登場させるけど、それが全然響いてこない。
投稿元:
レビューを見る
主人公が60代女性というのが珍しい。濃いいキャラばかり登場するが、くど過ぎない。回想シーンへの入り方やタイミングが絶妙で上手い。
ラストの数ページで、うっかり最後の1行を読んでしまい、そこは後悔している。
投稿元:
レビューを見る
2人のゆかりの珍道中。
ドサ回りの売れない60台歌手ゆかりと、才能はあるものの母から押し付けられたピアノが嫌で家出中の縁。芸は身を助ける。
運命に逆らう。
もう無理だ、おしまいだって諦めかけた時、運命に逆らえって思えばやっていける気がする。だから年だからって尻込みしたらダメ。運命に逆らわなきゃ。
いい言葉。
投稿元:
レビューを見る
ミラクル・ローズの名で40数年前に一世を風靡した野原ゆかりは函館でスナックをやってひっそり暮らしているが、昔のファンからの要請で歌い始めて、各地を回る中で様々なハプニングに遭遇する物語だが、面白かった.途中から家出娘の森川縁(ゆかり)と道中を共にすることになり、話は大きく発展する.どのエピソードも楽しめたが、ミラクル♡ローズが出てくる巻が良かった.元祖ミラクル・ローズの18番「愛の賛歌」の歌声が紙面から飛び出してくるような感じがした.
投稿元:
レビューを見る
67歳の元ムード歌謡歌手「ミラクル・ローズ」ことゆかりが、復活ツアーという名のドサ回りに出ます。
既に引退して30年が経過し、ヒット曲と言える曲は「無愛想ブルース」一曲だけ。
それでも生活の為に再び歌う事を決意し、住まいの函館から東京までの4か所縦断ツアーを昔の伝手で決めます。
最初のフェリーの中で縁(ゆかり)という11歳の少女と知り合い、同姓同名という事もあり意気投合します。どこまでもついてくる縁に困惑するも、子供らしく明るく歯に衣着せない物言いに癒され、ゆかりもまた離れがたい気持ちになっていくのでありました。
ゆかりという盛りの過ぎた歌手が、もう一度小さな会場で歌おうとする姿がとてもいいです。一般の人々には分からないかもしれませんが、地方の小さなライブハウスや、カフェなどで往年の歌手のライブはよくやっていて、僕らもたまに前座をやらせて頂いたりします。
ずっと売れ続けるのが理想ですが、殆どの人は止めてしまうんだと思います。そんな中でも歌いたい、演奏したいという人たちは小さな場所を回って活動を続けています。
僕は潔く止める人よりも、細く長く続けている人の方が好きです。往生際悪くあがいてそれでも表現しようとする人ってかっこいいと思います。この「ミラクル・ローズ」ことゆかりさんも非常にかっこいいです。
歌って生きていくのって楽しそうだなと思うんですが、計算すると結構な回数歌わないとペイ出来ないし、それだけ実入りのある出演がコンスタントに確保できるとも考えられないので、ご飯食べていくだけであれば普通に会社員やってた方が絶対に楽です。まあ、それを超える充実感があるんですけどね・・・。
投稿元:
レビューを見る
2021/4/1
おもしろいわぁ、これ。
山本幸久さん久しぶり。もっと読もう。
ミラクル・ローズことゆかりさんはアヒルバスの大先輩でもあったのだね。
ラッパーのミラクル♡ローズの回が一番好きだわ。
ゆかりさんかっこよすぎる。
このあとミラクル・ローズの時代が来て、パリにも行っちゃったりするのかなぁ。
だったらいいな。
投稿元:
レビューを見る
人は必ず死ぬ。けど、どう生きるのか。人と人が出会い関わるかによって生き方が変わる。主人公に思い入れて泣ける。
投稿元:
レビューを見る
引退から40年近く、昔お世話になった人に連絡して「全国ドサ回り」を始めたのは、「ミラクル・ローズ」こと野原ゆかり。19歳でミラクル・ローズは19歳でデビュー。持ち歌は「無愛想ブルース」、最も自信があるのはフランス語で唄う「愛の讃歌」、「イムヌ・ア・ラムール」。引退後は、函館でスナック「野ばら」を営む。
旅の初めに出会った12歳の縁(ゆかり)と、行動を共にすることに。しかし、公演はなかなかうまく進まず。
旅先それぞれで、お世話になった人に会い、当時のことを想い出し、考え。うまく行かないこと、苦労ばかりだったが、後悔はなく、「運命に逆らうのよ」と言って、当時から生き抜いてきたところが格好いい。そのクライマックスは、若い女性ラッパーとの対決シーン!