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商品説明
「現場大好き人間」である著者の20年に渉る体験に基づいて、支援・援助についての知恵・技術・心得とコツを、わかりやすく伝える。2018年2月開催のセミナー講演録に加筆し書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
〈はじめに〉より
はじめにお断りしておきますが、今日お話しするのは、発達障害の知識や発達支援の技法というよりも、発達支援にあたってのごく基本的な心構えや、支援に取り組む際のコツが中心となります。…発達の支援にもいろんなやり方がありまして、ここでお話しするのは、面接を中心とした支援のイメージです。面接というのは、どんな職種でも使う方法だろうと思います。いわゆるface to faceの、面接室や相談室あるいは診察室という設定の中で、発達障害の子どもを支援する、そうして、それだけではなくて、ケース全体の支援をどう進めていくか、そんなお話をします。それから、われわれ支援者が成長・発達していく、あるいは、スキルアップするためにはどのようにしていったらいいだろうか、というお話もしていきます。ここで、われわれ支援者がスキルアップするのは、われわれのためというよりは、ケースに利益を還元するためなのです。われわれがスキルアップして、ちゃんと役に立つ支援者になることで、ケースの人に利益還元をしていくことが目的なのです。そのような観点から、われわれプロフェッショナルとしてのトレーニングについてもお話ししていきたいと思います。
…さて、言うまでもありませんが、対人支援ができないと発達支援もできない。つまり、発達障害の支援の原則は、対人支援の原則とかなり重なります。ですから、まず対人支援の原則の話をしてから、発達支援の話をしていきます。
対人支援をするには、対人コミュニケーションも大切です。対人支援の前提として、適切な対人コミュニケーションが必要とされるのです。つまり、人と人とのコミュニケーションができないと対人支援はできませんし、発達支援もできない、ということになります。こんな当たり前のことを言うのは、それがちゃんとできていない専門家が少なくないからです。対人コミュニケーションがあって、対人支援があって、最後に発達支援がくるという、当たり前の流れを、しっかり意識しておいてほしいと思います。
〈推薦の言葉〉「ビックリ尽くしです。…中身は、現場大好き人間である広瀬さんの20年に渉る現場での体験からの、学びの実りです。他から学んだことも広瀬さんの心身を通過して「自身の体験」となっているものです。とはいえ、学びの実りの全てが開示されているわけではありません。…「支援・援助」についての「知恵・技術・心得」だけを隅から隅まで網羅しています。試みに開いてみるとその2頁に、今日・明日から役立つ助言が必ず見て取れます。しかも助言の内実は広瀬さんが到達・達成した境地だけでなく、目指し・努力し・工夫している姿を含んでいます。読んでいると富士登山において共に歩いている先達の導きを連想します。そこでの助言は、発達障害者や家族への支援に限らず、他の山を登る際にも自在に応用可能な技術です。「知識」は区別・差別へ導く力があり、支援技術は「ともにある」へ導く力があります。現場大好き人間の仲間として、この本の出版を幸せに感じています。」神田橋條治(伊敷病院)【商品解説】
目次
- 第1章 初回面接の要点
- 1 はじめに
- 2 支援の階層性
- 3 支援の対象と手段
- 4 最初が肝心──共同作業と成功体験のはじまり
- 5 相談の前を考える
- 6 先入観はあってよい
- 7 待合室に呼びに行く
- 8 観察のポイント
- 9 最初の言葉かけ
著者紹介
広瀬 宏之
- 略歴
- 〈広瀬宏之〉1969年東京都生まれ。東京大学医学部医学科卒業。横須賀市療育相談センター所長。放送大学客員准教授「精神医学特論」担当。著書に「「もしかして、アスペルガー?」と思ったら読む本」等。
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紙の本
人間大好きな著者による発達障害支援のコツ満載の書です!
2019/01/11 10:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、人間大好き、現場大好きな療育相談センター長の広瀬氏による発達障害児への支援のコツを満載した書です。発達障害児への支援と一言で言っても多様な方法があるのですが、同書は面接による支援を中心に解説されています。そこには対人支援が基礎となっているので、対人支援についてもかなり詳しく説明されています。読んでい行くと、著者の長年の経験に裏付けられた目からウロコのヒントがたくさん紹介されていて、非常に興味深いです。ぜひ、発達障害児を抱えておられる学校関係者の方々には読んでいただきたい一冊です。