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世界史の哲学講義 ベルリン1822/23年 上 (講談社学術文庫)
「精神現象学」「大論理学」で名声を確立したヘーゲルが、ベルリン大学で行った10年に及ぶ講義の、初年度講義の筆記録を完全再現。上は、序論「世界史の概念」から本論第1部「東洋...
世界史の哲学講義 ベルリン1822/23年 上 (講談社学術文庫)
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商品説明
「精神現象学」「大論理学」で名声を確立したヘーゲルが、ベルリン大学で行った10年に及ぶ講義の、初年度講義の筆記録を完全再現。上は、序論「世界史の概念」から本論第1部「東洋世界」までを収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
G・W・F・ヘーゲル(1770-1831年)は、『精神現象学』、『大論理学』などを公刊し、その名声を確かなものとしたあと、1818年にベルリン大学正教授に就任した。その講義は人気を博したが、中でも注目されることが多いのが1822年から31年まで10年近くにわたって行われた「世界史の哲学講義」である。
この講義はヘーゲル自身の手では出版されず、初めて公刊されたのは1837年のことだった。弟子エドゥアルト・ガンスが複数の聴講者による筆記録を編集したものであり、表題は『歴史哲学講義』とされた。3年後には息子カール・ヘーゲルが改訂を施した第二版が出版され、これが今日まで広く読まれてきている。日本でも、長谷川宏氏による第二版の訳が文庫版『歴史哲学講義』として多くの読者に手にされてきた。
しかし、第一版は最終回講義(1830/31年)を基礎にしながらも複数年度の筆記録を区別をつけずに構成したものであり、その方針は初回講義(1822/23年)の「思想の迫力と印象の鮮やかさ」を取り戻すことを目指した第二版も変わらない。つまり、これでは初回講義の全容が分からないのはもちろん、10年のあいだに生じた変化も読み取ることはできない。
本書は初回講義を完全に再現した『ヘーゲル講義筆記録選集』第12巻の全訳を日本の読者諸氏に提供する初の試みである。ここには、教室の熱気とヘーゲルの息遣いを感じることができる。今後、本書を手にせずしてヘーゲルの「歴史哲学」を語ることはできない。
[目次]
〔序論〕世界史の概念
〔A〕歴史の取り扱い方
〔B〕人間的自由の理念
〔C〕国家の本性
〔D〕世界史の区分
〔本論〕世界史の行程
〔第一部〕東洋世界
〔第一章〕中国
〔第二章〕インド
〔第三章〕ペルシア
〔第四章〕エジプト(以上、上巻)
〔第二部〕ギリシア世界
〔第一章〕ギリシアの民族精神の起源
〔第二章〕ギリシア精神の成熟
〔第三章〕衰退と没落
〔第三部〕ローマ世界
〔第一章〕ローマの権力の形成
〔第二章〕ローマの世界支配
〔第三章〕ローマの没落
〔第四部〕ゲルマン世界
〔第一章〕初期中世の準備
〔第二章〕中世
〔第三章〕近代の歴史【商品解説】
目次
- 編者まえがき
- 〔序 論〕世界史の概念
- 〔A〕歴史の取り扱い方
- 〔B〕人間的自由の理念
- 〔C〕国家の本性
- 〔D〕世界史の区分
- 〔本 論〕世界史の行程
- 〔第一部〕東洋世界
- 〔第一章〕中 国
- 〔第二章〕インド
著者紹介
G.W.F・ヘーゲル
- 略歴
- 1770-1831年。ドイツ観念論を代表する哲学者。弁証法を創始し、壮大な哲学体系を構想した。代表作は『精神現象学』、『大論理学』、『エンチクロペディー』、『法哲学』など。
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大哲学者がベルリン大学で講義した内容を収めた貴重な一冊です!
2019/01/21 09:23
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、偉大な哲学者であるヘーゲルがベルリン大学で「世界史の哲学」と題して講義した内容を収めた貴重なものです。実は、彼がこの講義は自分自身では刊行することはなく、後に弟子によって刊行されました。同書には、最初に「歴史の取り扱い方」ということが述べられており、彼の歴史思想が明確に表されています。その後、「人間的自由の理念」、「国家の本性」、「世界史の区分書」と続き、彼の歴史観、歴史認識がよく理解できます。この書を読まずして、ヘーゲルの思想を理解したとは言えないくらい貴重な一冊だと思います。