紙の本
小説のような日記
2018/10/23 17:58
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みんと - この投稿者のレビュー一覧を見る
日記の体をとってはいるけれど、ご自身のかかれる漫画のようにドラマティックで
小説みたいなお話しでした。全てを書いてはいないのでしょうが、漫画を描く上での業みたいなものや、ご自身の人生での考え方など、かなり赤裸々に書いておられて
「これ読んでいいのかな」みらいな気持ちになりました。女性としての息苦しい感じ、社会との軋轢、主婦の方も働く人も、女性なら年代問わずもやもやしながら暮らしてる感じ。そういうものを流してしまわず、いちいちしっかり考える著者。このへんが、ものを作る人ならではなんだろうなと感じました。さらっとよんでいた作品もこれを読んだ後に読み直すと、受ける印象が変わります。小説も書いて欲しいなと思いました。
紙の本
文章が上手い
2019/06/02 22:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Lily - この投稿者のレビュー一覧を見る
私は鳥飼茜先生の『先生の白い嘘』を読んだことがあります。最初、この作品が漫画ではなく文章であることに驚きました。鳥飼先生の書く文章が非常にお上手だと思いました。運転免許を取ってすぐ運転している鳥飼先生は凄いと感じました。私は「彼氏さん」のことは全くわかりません。もし「彼氏さん」の作品などを知っている方ならこの作品をより楽しめると思います。日記がこんなところで終わりなのか…と思ってしまいました。様々なことがわかって面白いです。
投稿元:
レビューを見る
鳥飼さんのマンガも大好きなのでこの日記(エッセイ)も楽しく読んだ。
彼氏(浅野いにおさん)とのことや子どものことや自分のプライベートをかなり赤裸々に書いているなという印象。
日記だから当たり前かもしれないが。
この本を読んでますます鳥飼さんのファンになりました。
投稿元:
レビューを見る
こんなに赤裸々に語るエッセイも珍しいと思いました。鳥飼さんは漫画家ですし、文字書きというわけでもない。けれど、本来なら言葉に言い表しがたい嫉妬、苛立ち、不安。数ヶ月毎日書かれた日記はいい日も悪い日も正直に書いてます。彼氏の浅尾いにお氏、はっきり彼氏の名前が書かれている箇所はないのですが、最近ご結婚されたのでそれを踏まえて読みます。漫画家同士のカップルなんて楽しそうと思われた方は覆されますよ。
鳥飼さん視点なので本当に彼のことが好きなんだなと思いますが、彼氏の望んでる形が多少違うんですよね。複雑な行き違いを細かく書かれてて、驚きました。鳥飼さんは1人お子さんがいて、子供と母の葛藤も描かれてます。
漫画みたいで、漫画じゃない恋愛。
これをれ読んだら少しだけ自分に向き合って、人を恐れない気持ちが湧きます。みんな、もがいてるんですね。
才能ある2人ですが、不器用です。
当たり前のことが、描かれているので鳥飼さんに更に好感が持てました。
応援したいです。
投稿元:
レビューを見る
(あとでちゃんと書く)生活の中で思考が逡巡するのわかりすぎて息が詰まるようだし、著者の中でこの日記を書いた数か月は特別でありまた日記を書くことで特別になった数か月だったのでは。積読してる『先生の白い嘘』も読む。
投稿元:
レビューを見る
世代、家庭環境など、自分と似ているところあるなあと思いながら読んだ。
作中に出てくる「彼氏」がよく「何を考えているかわからない」と言われているが、自分もたまに言われることがあって自己嫌悪していた。でもこの本を読んで、これはこれでミステリー感があっていいかもしれないな、と自己嫌悪をやめた。
「彼氏」とのエピソードで、車の運転を助手席から注意されて、反論もできず辛いというのがあって。こんな関係性でもお付き合いしてて楽しいのかな、人それぞれだなと思った。
作品の産みの苦しみに関するお話は、とても興味深かった。
投稿元:
レビューを見る
車/家/子供/彼氏
所有できるものと、できないものと。
紙で、ついこないだの日記を読む興奮。
ご近所の親近感(誠に勝手ながら)。
投稿元:
レビューを見る
新刊広告を見て
図書館にリクエスト。
取り寄せてくれた。
鳥飼茜は『地獄のガールフレンド』が秀逸。
昔から女性漫画は読んでいたが
最近は女性心理を知りたくて
それ系を興味深く読んでいる。
『先生の白い嘘』はよく意味分かんないけど
やたらエロい描写が多い。
余談だが、好きな作家は
『あなたのことはそれほど』のいくえみ綾と
『いつかティファニーで朝食を』のマキヒロチ。
あと好きな漫画は
町麻衣の『アヤメくんののんびり肉食日誌』。
マニアックだ
-------------------
この本は
日記風でなんだかだらだらと
日常が書かれている。
好きな作家なので興味深く読んでいたが
だから何なの?と突っ込みたくなる。
まあ漫画家の生活が垣間見れて
面白いんだが。
内容的に何かあるわけでも
ドラマチックなわけでもない。
憂鬱そうな雰囲気で
貫かれている
多分知らないと思うけど
昔佐々木好という
シンガーソングライターがいた。
別に熱心に聴いていたわけじゃないけど
折りに触れ、その人の曲が
心の中に流れる。不思議なくらい。
多分印象深い女性なんだと思う。
この本を読んでいる時
やっぱり佐々木好の曲が
どことなく流れた
----------------
二人は思い出に
すぎないみたい
初めから知ってた
アフロの頭は
もう切ったかしら
ニコッと笑っておくれ
もう一度
出会いってサ
決められているみたいに
不思議と別れがあるね
あー私の名前だけ
あなたに呼んでほしい
(佐々木好『ドライブ』)
↑
「初めから知ってた」
ってとこ、好き。
あと1番の歌詞で
「心に焼き付き ますます好きになりそう」
ってとこも
----------------
P6
私はこれまでに
結婚生活も含め
男性と二年以上付き合えたことがない
P15
「大人が怒っているときには
あれこれとそれらしい理屈をつけるものだが、
実はそれは赤ちゃんが泣いてるのと同じ
シンプルな理由からである」
P20
もう体中に眠り欲求が
ぜんぜん残っていないのを
確認してから起き上がる
----------------
P232
枠組みがあると人は
多少安心するが、
えい、と外してしまえば
自由は思っていたほど怖いものじゃない
気がしている
投稿元:
レビューを見る
「共感する」と言ったらとてもおこがましい
漫画家という職業、しかも売れている著者は
周囲から見ると夢を叶えた人という印象が強いと思いますが、
そんな人の、葛藤、嫉妬、苦しみ、そんなマイナスの感情をこうして知ることで
幸せって探しても無いものなのかもなーと思いました。
投稿元:
レビューを見る
鳥飼茜の漫画好きとして期待高めで読んだけどなかなか読み進めなかった。
この本を読んだことで本人のお顔を知って、彼氏の顔や漫画も読んでみようとは思った。
投稿元:
レビューを見る
彼氏や夫に勝手に期待値を設定し、中途半端な情報を渡す。そのくせ解釈されたり、指摘をされることに怒りを感じる女子は多い。上手に問題を整理できないのは、問題を直視できないし、自分を客観視できないからなんだろうな。
投稿元:
レビューを見る
中年女性漫画家による、3ヶ月間の日記。
多少のメンヘラ感が、漫画家っぽい。
スマホで書いた?と思われるテキストはやはり読みづらく、ファンではないと、本として読み通すのはツライかも。
投稿元:
レビューを見る
彼氏→夫である浅野にいおの「漫画家入門」と同時期に書かれた日記。だから実体験は共有されているけど、互いに共感しているわけではないというのがあからさまに語られる。
投稿元:
レビューを見る
漫画家の鳥飼茜の等身大の日記。
自分に真摯に、背伸びせずに、思ったことを赤裸々に語る姿はさすが、物書きだなと。
私小説を読んでいるような感覚。
筆者に共感したり、嫌だなと思ったり。
母親との関係、元夫との子供の親としての関係、子どもとの関係、彼氏との関係。
関係によって、コロコロと視点が変わる。
子ども、元妻、母親、彼女。
立場に対して、筆者はいつもひとりの女性として佇んでいる。
それぞれの役割に応じて器用に対応している訳ではないけども、そのそれぞれの役割に自分がちぎられてしまい、疲れてしまっている部分もあるのではないかと感じた。
世の女性たちが感じる違和感なのではないだろうか。
筆者がこの日記でエゴサーチをして、嫌いだという意見がたくさんあったと書いてあったが、それはよく分かる。
筆者はマンガ家の彼氏(いにお氏)を、少女マンガの男性のように魅力的な人として書くけど、読んでいるこちらはそこまで思い入れがないから、胸焼けするし、ついていけない。
でも、そういうところも含めて、漫画家のかっこいいはずの筆者は、どうしようもない一人の悩める大人の女性であるという、ドス暗い情念の魅力が沸々と涌いている。
また、作家だけに、日々の生活に感じることがアーティスティックで、はっとさせられるようなフレーズがたくさん。
作家は常人と切り口が違うなと思いながら、繊細な感性は、普通の生活を鈍感に送ることもできず大変だなとも思う。
37歳の女性で、バツイチだけど、彼氏と恋をする姿は初々しい少女のようなのだ。
漫画家として作品を生み出し、自立していて、子どももいて、別れた旦那さんともきちんと子供を育てている。
そんな中、彼氏との関係に一喜一憂している姿は一見すると、愚かにも見える。
でも、恋愛ってそんなもの。
子どもがいながら、独立して、自分なりの考え方で、向き合っている筆者。
子どもには怒ってばかり、どのように処していけばよいのか悩む。これは子供がいくつになっても世の中の親が感じること。
母は強し、親はなんでもわかってどっしりと構えている。
なんて幻想があるけど、実際はそんなことは全くない。
それは世の中からのお仕着せなのだと思う。
世の中の親たちは、そんな”常識”とふがいない自分自身とのギャップに悩む。
筆者は、世の中の常識に沿わなければという考えではなく、自分なりの答えをいつも迷いながら探している。
そこは本当のことを探したい、彼女の誠実さだと感じた。
だけども、その探している状況は不安でもあり、自分の大好きな彼氏に認めてもらいたいと思う。
本来であれば、そんなこと恥ずかしくてかけないと思うが、彼女は書く。
漫画家の彼氏からすると、筆者はお姫様のように見えるという。
__
私は相手が何かしてくれるのを待っているだけで、でも自分ばかりが何かをしてあげている気持ちでいて、そんな自分のことをかわいそうに思っていて、だから不満が尽きないんだと彼が言った。
一方的な感情と、それを言い訳するように取ってつけて見せたような卑屈さ。それが私の日記をと誦して彼が感じたことだという。
不満が尽きないから我慢していることを察してもらおうというのがつあわって、それが相手をうんざりさせるんだって。
そうやって理屈で説明されると自分の悪いところがありありと目で見えるようだった。
__
これはなんとなく、男性脳と女性脳の違いもある気がする。
分析的に答えをだそうとする男性と、感情、共感をして欲しい女性の違い。
男性からすると何がしたいのかわからないとなってしまう。
この日記は主観的にかかれているようで、外からの意見が時々垣間見れるところ(主に彼氏が多いかな)に、客観性が出てきて、筆者の世界の立体感が感じられる良い部分だと思う。
投稿元:
レビューを見る
30代半ばで子どももいるのに、こんなに恋愛に振り回される大人がいるのだなあと薄目で読んでいたけれど、性の非対称性について記した箇所や、子どもが成長して自分で環境を選べるようになっていたという気づきの部分を読んで、ああ、わたしはこの人のこういうところに惹かれて『先生の白い嘘』も読み切ってしまったのだなあと思った。人が見逃してしまうような違和感や引っ掛かりをキャッチして、自分の中に素直に落とし込み、アウトプットするのがうまい。
良くも悪くもとても面倒くさい人だけど、真摯に丁寧に自分の気持ちと向き合ってしまう、そういう業のようなものを抱えているんだな、と。