紙の本
辻村深月とドラえもんの世界
2019/07/11 12:54
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投稿者:鼓十音 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『凍りのくじら』と辻村さんのドラえもんがたまらなくすきで、彼女が映画の脚本を書くという話を聴いたときはワクワクと不安がない混ぜになった気持ちになった、それなのにやっぱり、何気ないひとつひとつの言葉に泪がとまらない。
ああまた彼らと冒険するんだ、と気づかぬうち世界に惹き込まれ、しん、と広い宇宙に浮かぶ青くうつくしい地球をともに眺めた心地がするのに、何処か辻村さんの、藤子先生の物語を見つめる眼差しに、すこし離れた場所でうれしさと歓びを感じる私もいて。なつかしい、すこし・不思議 がしあわせでした。
紙の本
異説クラブ
2019/09/28 22:56
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投稿者:6EQUJ5 - この投稿者のレビュー一覧を見る
同名の長編アニメーションの小説版。舞台は月。昔からお馴染みのドラえもんの秘密道具が多数活躍します。懐かしさは感じましたが、正直小説としての出来はイマイチ。
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『友達が悲しい時には自分も悲しいし、嬉しい時は一緒に喜ぶ。ただ友達っていうそれだけで、助けていい理由にだってなるんだ』
永遠の命と膨大なエネルギー超能力をもち、それ故荒廃したかぐや星の復興のため
に狙われる”エスパル”という種族。のび太たちは月の裏側に隠れ住んでいたエスパルの少年、ルカたちと出会い、そして友情を深め、かぐや星軍の襲撃を受けながらも、”友達”として、共に立ち向かっていく話。
この作品は”大人”に対してのアンチテーゼだと思います。私自身、ドラえもんたちの語る台詞にハッとさせられる部分が多くあり、ドキドキしながら読みました。
『ガリレオが地動説を唱えたときも、最初は異説として誰も信じなかった。だけど、今ではそれが定説になっている。人間の歴史はそれぞれの時代の異説が切り開いてきたようなものだよ(p106 ドラえもん)』
『想像力は未来だ!人への思いやりだ!それをあきらめた時に、破壊が生まれるんだ!(p197 ドラえもん)』
『大げさだなぁ。バッジがなくてもいつでも会えるよ』
『だって、ボクたちには想像力があるんだから(p250 のび太)』
読み終わって、自分のことを考えました。
大人になって、賢くなって、常識とかも分かるようになって、人生のいろんな場面を、うまく立ち回れるようになって・・・
一方で、常識外れを嫌い、絆だの情熱だの青臭い考えを馬鹿馬鹿しいとどこかに遠ざける・・・
大人になっていくにつれ、大事なものを忘れていくのだと気付かされました。もちろん大人になって手にしたものは必要だし、悪でもない。でも、どこかで思い出そうとしなければ、”利益のため”、”平和のため”、正当化した建前で罪悪感を打ち消して平気で破壊を生み出してしまう・・・ようになってしまうのかもしれないと思いました。
お馴染みの歌「夢をかなえてドラえもん」にこんな歌詞があります。
『大人になったら 忘れちゃうのかな そんな時には 思い出してみよう』
『大人になっても きっと忘れない 大切な思い いつまでもずっと』
それを思い出すために、忘れないためにこの作品が、そしてドラえもんそのものがあるんだと思います。
心のどこでもドアをあければそこにドラえもんがいます。
表紙のどこでもドアをあければそこにドラえもんがいます。
懐かしく、温かく、本当によかったです。超おすすめ。
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小説で読むドラえもんは違和感なく読めました。
辻村さんがドラえもんを通して伝える、暖かくも希望に満ちた物語
物語の中、生き生きと動くドラえもんや秘密道具に想像力が掻き立てられる。
言えることは、友情は素敵。
のび太たちの友情に涙しました。
ドラえもんの物語らしく夢と冒険がつまっていて、大人でも子供でも楽しめる作品。(大人の視点で読むと深くて、いろいろ考えさせられることも)
あと、所々にズバッと切り込んでくるようなメッセージ性のある台詞も良かった。
映画も見てみたい...
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しばらくドラえもんは観ていなかったが、辻村深月さんが脚本されたと知り買ってみた。
読んでいる時はワクワクして、感動して涙も出て、純粋な心を取り戻せた感覚でスッキリ。
映画も観てみたい。
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辻村さんの小説だから、手にとりました。
ドラえもんの話を小説で読むなんて!
そして読んでるときは、辻村さんの気配(?)は気にならず
全くのドラえもんワールドでした
(最近のドラえもんを全然観てないですが)
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原作の「異説クラブメンバーズバッジ」をベースにした2019年春映画の原作。
藤子愛に溢れており、F先生存命中の作品と地続きであるかのような手触り。
しかし「世界観を壊さない」ことに腐心した結果、「どこかで読んだことがあるF作品」感が出てしまっている。
全く世界観を壊されるよりは全然よいのだが、改めて「遺志を継ぐ」ことの難しさを感じる。
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映画ドラえもんの脚本が辻村深月だと聞き、ついに!と思った人も多いでしょう。ドラえもんの(いや藤子・F・不二雄の)ファンだと公言し、オマージュ的作品も書き、ドラえもんや他の作品についての想いも多く語られていました。そんな「辻村深月のドラえもん」がついに生まれるのかと感慨深かったです。
そしてその作品が本人の手によって「小説」となりました。アニメ作品は脚本だけでできる訳ではありません。そこに絵が付き声が付き音楽が付き、総合的に作り上げられていくものです。その過程を見つつ、脚本を手掛けた作家本人によって小説化されるのは何とも面白い感覚ですね。
ドラえもんの小説となると瀬名秀明による「鉄人兵団」もありますが、それともアプローチが違ったことも面白かったです。鉄人兵団は謂わば「既に知っている物語」なのですね。映画でリメイクされるタイミングで出た本ですが、原作まんがを元に書かれています。そこでは原作に描かれていなかった登場人物の心情の機微を書くことで小説となり、物語の隙間や裏側を書くことで原作との差異を書きました。でもこの「月面探査記」は未だ語られていない物語なのですね。これから語られる新たな物語。だから物語の展開に主眼を置かれて書かれています。これからどうなるのだろう。のび太たちは大丈夫だろうか。このピンチをどう切り抜けるのだろう。作者曰くこの作品が初めての小説との出会いになることも想定したとのこと。(今回は一般書体裁で読みましたが、児童文庫体裁でも出ています。)だから物語の力、ワクワクドキドキする想いで引っ張ってくれます。
ドラえもんの映画には「お約束」があれこれとあります。そこをきちんと押さえて、いつものドラえもんの世界を構築しながら新たな物語が展開されます。これが楽しい読書体験となって欲しい。そんな想いも感じる作品でした。面白かった!
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まさかあの辻村さんがドラえもんの脚本を書くなんて!!え?いやいやいやいや、ないない!え?どうなるの?
どきどきしながら読み始めたのだけど、2ページ目で辻村脚本なんてことは頭から抜け落ちました。
純粋に、ドラえもんとのび太とその仲間たちの冒険物語として楽しめた。
いつも通り映画版ののび太は少しかっこよくて、ジャイアンもスネ夫も仲間思いで優しいところもいつも通りで安心。
だけど、多分いつもののび太の映画よりも、少しだけ大人の視点を感じる。子どもは子どもの目線で楽しめるだろうけど、大人はちょっぴり引いた目で見るんじゃないかとふと。
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この本は良い意味で辻村さんではなく「ドラえもん」だ。
でも、たまに感じる辻村さんらしさがまた良い。
何歳になってもドラえもんは普遍的だなと感じた。
映画ならではの友情、感動、冒険、お馴染みジャイアンが映画だといい奴になるのも定番!!
読んでたら久しぶりにアニメのドラえもんを見たくなった。
あと、本の装丁がとても綺麗でいい!
昔のドラえもん。
中のどこでもドアはちゃんと開いて月に行ったのび太とドラえもんが見える仕様。
辻村さんのドラえもんへの愛を感じる。
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『異説クラブメンバーズバッジ〜!』
ドラえもんのひみつ道具で今回は月面に秘密基地みたいな場所を作る。
世間からは間違ってると言われていることだって、想像してみれば楽しい。
この世のいろいろを楽しめる心をずっと持っていたい。
友達ってなんて素晴らしい存在なのか。
自分のカラーを出してやろう、今まで見たことないことをやってやろう、そんな私欲を感じさせずひたすらみんなが、何より自分が大好きなドラえもんの世界を再現することに徹していた辻村さん。序盤はまんま異説クラブ〜のオマージュやし。
ずーっと見てきたものっていう安心感があった。月みたいに。
毎日見ているものなのにふいに感動できたりする月みたいに。
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《quotation》
"想像力は未来だ!人への思いやりだ!
それを諦めた時に、破壊が生まれるんだ!"
"「友達は仲間だよ。友情で繋がっている仲間。」自分にとっての「友達」のことを考えながら、のび太が続ける。頭上には、美しい星空が広がっていた。
「友達が悲しい時には自分も悲しいし、嬉しいときは一緒に喜ぶ。ただ友達っていうそれだけで、助けていい理由にだってなるんだ。」"
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やっぱり最高ですね!
映画ではナレーションはないので辻村さんと気づきにくいですが、やっぱり本を読んで見ると書き方が辻村さんだなーと思いました。
辻村さんは生まれた頃からずっとドラえもんに支えられてきたそうです。
今までにも辻村さんの所にはドラえもんの脚本の話が何回か行っていたそうですが、恐れ多いと、今までずっと断ってきたそうです。ですが今回、こうした方法で、ドラえもんに関わることが出来るなら……ということを思って脚本の話を受け入れたそうです。
辻村さん、今まで色んな素晴らしい話を書いてきてくれてありがとうございます。そしてこれからも、よろしくお願いします!
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月。それは私たちにとってとても身近な存在。でも、遠くて行けない所。
みんなの勇姿、友達とは何か。
私も実際に月や宇宙の素敵な世界をこの目で見てみたい。
一緒に冒険をして、ドラえもんの世界に入れたんだ!
ドラえもんを小説で読む日が来るなんて感激。
「友達は仲間だよ!ただ友達っていうそれだけで、助けていい理由にだってなるんだ」
この言葉好き。
素敵なお話でした。
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2019/3/10 読了
映画が見たくなった。文字にすると、のび太のダメっぷりがアニメよりさらにかわいくみえる。