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商品説明
三島由紀夫にあの生涯、あの結末をもたらした文学と思想の淵源とは、一体何だったのか。昭和10年代に風靡した「日本浪曼派」「文藝文化」の文芸思潮が、10代の三島少年を包み擁していたさまを描き出す。【「TRC MARC」の商品解説】
数々の、三島由紀夫に関するスクープを連発してきた著者による渾身の評伝。
昭和一〇年代に風靡した『日本浪曼派』、『文藝文化』の文芸思潮が、ちょうど一〇代を生きていた三島少年を包み擁していたさまを、膨大な資料と、独自の取材により描き出す。あの結末をもたらした、その文学と思想の源泉とは一体何だったのか。
東文彦、保田與重郎、蓮田善明の三者と、それらを横軸でつなぐ神風連を中心に、一〇代の三島とその生涯の秘密を探り出す。
なお本書冒頭のプロローグにて、三島由紀夫の墓所に関するスクープを掲載しています。
「ひとたび自分の本質がロマンティークだとわかると、どうしてもハイムケール(帰郷)するわけですね。ハイムケールすると、十代にいっちゃうのです。十代にいっちゃうと、いろんなものが、パンドラの箱みたいに、ワーッと出てくるんです。だから、ぼくはもし誠実というものがあるとすれば、人にどんなに笑われようと、またどんなに悪口を言われようと、このハイムケールする自己に忠実である以外にないんじゃないか、と思うようになりました。」(『図書新聞』昭和四五年一二月一二日号、同四六年一月一日号)
【死は生の埒外にあるのではない。生をうけるとともに死もうけている。その生は死をもって完結する。この生々しいありさまを〝三島由紀夫〟という稀有の生命体をとおして本書に描いてみた。】…おわりにより【商品解説】
目次
- [凡例]
- プロローグ―三島由紀夫がさだめた自分だけの墓所
- 序章 結縁―神風連 〈しんぷうれん〉
- 「約百名の元サムライ」の叛乱/日本の火山の地底/志士の遺墨/〝櫻園の大人〟/宇気比のこと/宣長の思想と櫻園/神風連の遺跡を巡る/「恐ろしき一夜」/「〝日本人の神髄〟を考えたい」/手段=目的、目的=手段/天皇は「一般意志」の象徴/無償の行動/喪った「故郷」の発見
- 第一章 邂逅―東文彦 〈あずまふみひこ〉
著者紹介
西 法太郎
- 略歴
- 〈西法太郎〉昭和31年長野県生まれ。東大法学部卒。総合商社勤務を経て文筆業に入る。著書に「死の貌」がある。
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