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商品説明
カラスザンショウの雌雄株の開花現象にはどんな謎や問題が隠されているのだろうか。東京大学本郷キャンパスと小石川植物園に生息しているカラスザンショウを対象にした、開花経過についての約4年間の観察結果などをまとめる。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
樹木の「雌雄異株」の不思議。
2019/03/07 17:00
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投稿者:銀の皿 - この投稿者のレビュー一覧を見る
植物には時折「雌雄異株」(個体によって雄花だけ、あるいは雌花だけつける)のものがある。カラスザンショウもそのような植物の一種らしいのだが、著者は「雄花が咲いて落ちた後に雌花を咲かせ実をつける」個体があることを数年かけて観察した。著者は植物のウイルス研究などが専門らしい。本書の話は余暇の植物観察から始まったもののようだ。
現象の報告が中心であるが、時系列での観察日記風に終わっている部分も少なくなく、まとまった論文報告というよりは「観察記録」の段階であるようだ。例えば雄花が先行して咲かない雌株らしいものもあるようだが、観察がまだ不完全、というところで終わっている。著者と同じく、少し残念でもある。
雌雄異株と思われているものでも、この例のように時系列で雄花、雌花の開花を分けている個体もある、というのはとても面白かった。図鑑などを確認してみたらたしかに雌雄異株と書いてあるものも多い。年に一度だけの現象のものは観察も難しくまだまだこのような「新発見」もあるのかもしれない。ほかにそのような例も他の植物にはあるのかどうか、そのあたりをどこかで知りたいものである。
このような、じっくりと観察して判明するような事例はまだまだあるのではないだろうか。短期間の成果を要求される研究としては取り上げられにくいかもしれない。アマチュアの観察などからでもよい、博物学的なところからでもよい、積み上げていってほしいものである。