紙の本
猫好きな人にはたまらんと思う。
2023/02/26 13:55
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投稿者:りら - この投稿者のレビュー一覧を見る
猫にまつわる話ばかり。
なので、猫好きな人にはいろんな思いがわきあがりすぎてたまらんと思う。
が、そうでない人には猫とひとの絆の深さを描く話として楽しめるかと。
ただ、それもひとが猫に何を見出し、何を感じるのか、というところ、ひとによるかと思う。
そして、猫をさほど好きでない私は、猫とともにあるひとは、少し寂しがりやで、だからこそひとの気持ちに人一倍敏感になれるのかなと感じた。
少なくともこの本の中では。
素敵な話たちです。
紙の本
『コンビニたそがれ堂 猫たちの星座』
2019/02/11 19:27
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投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
そのコンビニには
この世で売っている すべてのものが
並んでいて
そうして
この世には売っていないはずのものまでが
なんでもそろっている というのです
大事な探しものがあるひとは
必ず ここで見つけられると
いうのです
店の名前は たそがれ堂
不思議な 魔法の コンビニです
・
・
・
大切な家族のために化け猫になりたいという子猫の千春に、たそがれ堂の店員ねここがお客様のエピソードをふたつ、語って聞かせる
街の人たちに幸せを届けてきた周太郎さんと老猫ノラさん
雑居ビルで占い師をしているユリエさんと老いたぶち猫のおはぎさん
風早の街にある不思議なコンビニを舞台にした連作短編集の第八作は、人のしあわせを願って生きてきた人たちと、寄り添うように暮らす猫たちの物語
猫と暮らし猫を愛する著者が贈る全編これ猫づくし、珠玉の1冊
(著者と暮らすことになった麦わら猫の千花と物語の中の千春が重なってしかたがない)
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安定のコンビニたそがれ堂シリーズ第8巻
▼収録作品
「しっぽの短い麦わら猫は その1」
「サンタクロースの昇天」
「勇者のメロディ」
「しっぽの短い麦わら猫は その2」
コンビニたそがれ堂に向かう千春ちゃんが健気すぎてもう。たそがれ堂を目指すくだりは1巻の「あんず」を思い出した。入って早々、「うわあ、ちっちゃい」と言ったねここにムッとする千春ちゃんがかわいい。化け猫になれる薬がほしい、と言う千春ちゃんに対するねここの答えに「どうしてなの?」とびっくりして泣いちゃう辺りは何度も読み返した。切なすぎて。ねここがもう手にすることができないものを、千春ちゃんは持ってる。ねここにはそれを千春ちゃんが自分から手放そうとしているように見えたんだよね。
周太郎さんのお母さんが言っていた、人を信じられなくなることが辛かった、ってわかる。信じてた人に裏切られると、その分ダメージが大きいんだよね。だけど、名も知らぬ誰かのくれた一通の封筒で救われることもある。そういう優しいひともこの世界には確かにいるんだよなぁ。なかなか巡り会えないだけで。
「サンタクロースの昇天」が本当にハッピーエンドだったから、「勇者のメロディ」の展開には泣いた。一冊を通して、ノラさんもラッキーもおはぎさんも、飼い主のことが本当に好きなんだなあというのが伝わってきて。猫ってなんてやさしい生き物なんだろうね。
猫又にも化け猫にもなれなくても、千春ちゃんはちゃあんと家族を幸せにできるんだ。よかった。
それにしても、風早三郎さんどこ行ってるの~。仕入れが忙しいのかなあ。次こそは三郎さんに会いたいぞ~!笑
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優しく優しく心を包んでくれる。
猫に柔らかく温かく触れるみたいに。
心優しいサンタさんたち。
みんながそういうふうにいられたら、世界はどんなに
生きやすくなるだろう。
誰かにもらった優しさを、他の誰かに返したいと思える
人でありたい。
やってきた人を幸せにと願う占い師さん。
その手はとても柔らかくて温かい。
最後に彼女を待っていたこと目が溶けるほど号泣。
それまでは、ほとほとと涙していたのが堰を切って
しまった。
ちなみに、マーチ限定なら、私を1番元気にするのは
「レイダース・マーチ」♪
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【収録作品】しっぽの短い麦わら猫は その1/サンタクロースの昇天/勇者のメロディ/しっぽの短い麦わら猫は その2
周太郎さんのまねごとがしたくなる。ささやかな生活を送るための希望と勇気をもらえる小説。
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猫たちがやさしい。猫たちと共に暮らす人たちもやさしい。そして ねここさん ありがとう
子供のころ飼っていた猫が年老いてふといなくなり、兄弟で探し回ってよく遊んでいた空き地で見つけたけれど、その後息をしなくなったことを思い出した。
長女が先生からもらって来た猫がちょっと大きくなって、外に出したまま仕事から帰って「にゃーこ!」と呼んだら庭の木からザザーッと降りてきて飛び付いてきたこともあったなぁ
石塚夢見さんの猫の漫画「またね!」もいいですよ (^^♪
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【あらすじ】
本当にほしいものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。人生の終幕に差し掛かった周太郎さんが、街の人たちに幸せを贈る「サンタクロースの昇天」、取り壊しの決まった雑居ビルで占い師をしている女性が来し方をふりかえる「勇者のメロディ」など、他者の幸福を願って生きた人たちの顛末を描く。各話に「猫」が登場、機知にとんだユーモアで包みながら、生きることの意味を温かく伝える大人気シリーズ第8弾!
【感想】
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初めてここに感想を書くので、こんな感じでいいのか分かりませんが……。
かなり長々と書いてあります。
そして、ほとんどがネタバレです。
コンビニたそがれ堂シリーズは4年前くらいから読んでいて、猫たちの星座もとても楽しみにしていました。
……やはり、素敵なお話でした。
読めて良かったと、そう思いました。
「サンタクロースの昇天」
『サンタクロース活動』がとても楽しそうで、私もやってみたくなりました。そして、プレゼントを贈った相手の笑顔が見られたら、きっと幸せな気持ちになれるだろうな、とも思いました。
周太郎さんが魂の緒を引いて空を飛ぶところもとても気持ち良さそうで、読んでいて楽しくて。ある意味危険ではあるけれど、やってみたいと思ってしまったり。雪を降らせるのもやってみたくて。「サンタクロースの昇天」には「やってみたい」ばかりが詰まっていました。
そして「サンタクロースの昇天」で一番心に残ったのは、病院のシーンでした。
周太郎はとてもお人好しで、とっても優しくて。
もし私だったら、お守りをあのお母さんに渡せたのでしょうか……。
ラスト、ねここからのプレゼントには思わずクスリと笑ってしまいました。
「勇者のメロディ」
単純な毎日の繰り返しでも、その中に幸せがあるのだな、と思ったお話でした。
まさかユリエさんは「とっても美味しいおでん」と「熱いコーヒー」が「心の底から欲しい」と思ったからコンビニたそがれ堂にたどり着けたなんて。思わず笑ってしまいました。
そして、おでんを食べてお酒を飲みながら、ねこことおしゃべりするなんて羨ましい。私もおでん食べてコーヒーを飲みながらねこことお話ししたい……。
そして次のお客様へのおまけのプレゼントもやってみたいな、と思いました。
「勇者のメロディ」で一番印象に残ったのはその後。
地震が起こった後にユリエさんが占いのお客様を他の店の店員に押し付けて叫ぶシーンです。
どうしても、頭の中にその場面が、読んで思い浮かべた光景が離れないのでした。
応援してくれるかのように「勇者のメロディ」が流れたとはいえ、やはり勇気のいることだったのではないでしょうか。
今頃ユリエさんは、先代の占い師と一緒に積もりに積もった話をしているのでしょうか。コンビニたそがれ堂でおでんを食べた、なんて話をしているのかもしれません。
「しっぽの短い麦わら猫は」
読んで思ったのは——こんなこと書いたら他の方に怒られるかしら、とも一瞬思ったのですが——「桜風堂ものがたりみたいだな」でした。
私の中で桜風堂ものがたりは一言で言うと「ひとの手で紡ぐ奇跡の物語」です。
そして私の中で「しっぽの短い麦わら猫は」は、一言で言うと「猫が紡ぐ魔法の物語」でした。
……と考えると、『桜風堂ものがたり』に似ていると思ったのでした。たとえねここが千春に遠い未来を、その妖の力で見せたとしても。
「その1」で、千春が大好きな家族を守りたいから化け猫になりたい、幸せだからこそ家族を幸せにしたいと願ったのを見て、本当に千春は家族が大好きなのだと、そう感じました。でも、ねここの「妖怪は人間とは一緒に暮らせないから」という台詞で、何故かはっとさせられたような、そんな思いになりました。でも、千春はその瞬間、もっと……はっとさせられるのを通り越して、心を切り裂かれるような、そんな思いだっただろうな……と思ったりもして。
「その2」ではねここが千春に未来を見せていましたが、まさにその未来を見て、「これは猫が紡ぐ魔法の物語だ」と思ったのでした。
ねここの、大好きなみんなが幸せでありますようにと祈ってあげなさい、その方が化け猫になるよりみんなを幸せにできる、という言葉がとても印象的でした。
きっと自身が化け猫であるから、そしてかつてまだ猫だった頃、そして今も、家族のことを想い続けているからこそ言える言葉なのかもしれない、と。
最近風早三郎さんにあまり会っていない気がするのだけ、ちょっと寂しいです。
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今回もまた猫とねここが中心の優しいお話たち。命のお話はこんなに綺麗な事ばかりではないので、オバサンとしてはそこかしこが痒くなるような変な感じにもなりましたが、若い人達にはこれくらい優しく美しいお話をまずは読んでもらいたい。
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努力している人にプレゼントを贈り自分の幸せと重ねるお爺さん。
占いの仕事を通じ、出会った人々の幸せを願う女性。
家族みんなが笑顔で幸せな時間を過ごせるようにと願う仔猫。
ささやかな日常生活の中での小さな幸せ。
感謝する気持ち、人を思いやる純粋な心。
いつもこのシリーズで自分のあるべき姿を考えるヒントを頂いている。
また次のお話を読むことができたらと期待。
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「しっぽの短い麦わら猫は その1」
化け猫になりたいと願う幼い猫の子。
彼女の言う通り化け猫になってしまえば長く家族と居れるだろうが、逆を言うと家族が亡くなってしまった後も1匹生きていかなければならない事に気付いているのだろうか。
まだ子猫で家で飼われているはずの子がこんなに簡単に出歩いているのも疑問だが、もし家の中に居ないと家族が気付いたらそれこそ大騒ぎになるのではないだろうか。
「サンタクロースの昇天」
魂だけになろうと他人の為に幸せを。
彼ほど優しく人の心に寄り添える人間がこの世に何人いるのだろうと思うぐらい、とっても素敵な方であり自分もそうなってみたいと思える人だな。
自分の命がかかっている場面であろうと、長く生きたからまたまだこれからの若い命に生きて欲しいと御守りまで渡してしまった時は彼の終を覚悟してしまったな。
「勇者のメロディ」
人生の最後に沢山の命を救い願う事は。
後悔せずに生きる事はとても難しい事だが、自分の終わりを察知してなお周りの人間を死から救ったからこそ彼女にとっての後悔は小さな願いだったのかもしれないな。
自分を奮い立たせてくれる音などは人によって違うだろうが、きっと誰にでもあってここぞという時にこっそりと力を分けてくれているのだろうな。
「しっぽの短い麦わら猫は その2」
彼女に見せてもらった先の未来で。
化け猫として生きずとも彼女が居た事で大切な家族が笑顔になれたとしれば、安心してこれからを幸せに過ごし穏やかに最後を迎えられるだろうな。
命に終わりがあるからこそ今を大切にしようと思うわけで、代わり映えのない日常に自分という存在が居れたからこそ少しでも長くいたいとも思ったのかもな。
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何でだろう、いつも泣いてしまう。
設定はまごうことなき現代なのに、どこかノスタルジックで懐かしい。
もうね、猫の話がダメ。涙腺を直撃する…
あと、時計台の音楽が鳴り始めた所で涙腺崩壊した。しんどい。、
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絵本。ほんわか。
夢心地。優しい。
メルヘン。
パステルカラー。
そんなイメージが浮かぶ本でした。
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2020年100冊目!
作者さんの言葉を借りると、末広がりのシリーズ8作目。
疲れた時には癒される、このシリーズも残り2冊。
今作は猫を中心とした比較的長めのお話が2編。前後に麦わら猫のエピソード付き。
いつも作者さんには、ほっこりさせられ、時には涙し、読み終わった後には心が温まるような感じにさせられるシリーズだが、作者さん自身もあとがきに書いているように、今回の2作はどちらも少し悲しいお話。
疲れた心には少し重く、今回は星少な目で…
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なんでも売ってる不思議なコンビニたそがれ堂にやってきたのは、化け猫になれる薬を求めた一匹の子猫。それに対して店員ねここは以前たそがれ堂にやってきた2組の、幸せな猫と飼い主さんの話を聞かせる。。。
涙なしでは読めなかった。私は猫より犬派だけれども、それでもやっぱり、こんな風に傍にいて優しく心を慰めてくれる猫がいたらいいなと思ってしまうほどに。。。