紙の本
現代野球理論本
2020/12/13 00:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もちお - この投稿者のレビュー一覧を見る
セイバメトリクスがいかに間違っているかを指摘する本ではなくて、MLBをベースに日本野球界で言われていることを批判的に検討する一冊。ダルビッシュにアドバイスするくらいの分析力をもとに、投球編、打者編、捕手編、その他パークファクター等むしろセイバメトリクスをベースに現実の野球とあわないところを補強している印象。リード論が大好きな野球ファンは捕手編のところを熟読すべき。
電子書籍
物理履修しとけよ!
2019/11/28 22:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:うみべ - この投稿者のレビュー一覧を見る
一見ふざけたような著者名ではあるが、その実態はかのダルビッシュにアドバイスするくらいの野球評論家。MLBフリークの為か、米大リーグに関する話が多いが、投手の変化球論に関しては、ピッチャーやる奴はこれから高校で物理履修しとけよと思わせるくらいの考察内容。少しかたがこるないようかもしれないけれど、野球に関わる人なら読んでおいて損はありません。
紙の本
タイトルに惹かれたが
2019/08/16 10:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:キートン - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い視点で野球を捉えているのは良いのだが。
テクノロジーの進化が早い現代では本書の内容すら陳腐化しているような気も。
タイトルに期待しすぎたかも。
紙の本
思ったのとは違いました
2020/10/12 15:21
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:gunners - この投稿者のレビュー一覧を見る
セイバーメトリクスと書いてあって確率の話とかが載ってるのかなと思い買ったのですが、どちらかというと球種の話とかでした
投稿元:
レビューを見る
題名通り、セイバーメトリクスを理解した上でのデータを駆使した野球の解説本で、三原脩を書いた魔術師と通じるものを感じました。用語や人名については、その都度解説が欄外に現れるし、ピッチング→バッティング→キャッチャー→監督→経営→文化、と、様々な視点が素晴らしい。勝利至上主義にも物申しているし、栗山監督の手腕についても、自分では成し遂げられないという自分否定の見方もあり、楽しく読める本、ではありますが、細かすぎるきらいがあるのと、私には知らない外国人の選手の名前が多くて、感情移入が滑る場面が多かったです。
投稿元:
レビューを見る
<目次>
第1章 野球を再定義する
第2章 ピッチング編(前編~投球術編)
第3章 ピッチング編(後編~変化球編)
第4章 バッティング編
第5章 キャッチャー論
第6章 監督・采配編
第7章 球団経営・補強論
第8章 野球文化論
<内容>
タイトルで損をしている気もするが、野球好き、特にMLB好きなら「セイバーメトリクス」はもう常識なのかもしれない。数年前にベストセラーにもなった『マネーボール』の向こうを張れる本。ただ本人が素人なので、そのあたりで分が悪いが…。しかし中身はかなり本格的。第2,3,4章あたりの技術論はゾクゾクします。ボールの回転やバットコントロールの話。キャッチャー論も面白かった。
後半部分も著者の野球好きが芯からわかります。
投稿元:
レビューを見る
10年以上ほとんど見ていなかった野球というジャンルに引き戻す熱量を感じる一冊。自分の知識もセイバーメトリクス(マネーボール)で止まっていたが、この10年、理論がどのように進化してきたかを知ることが出来た。
投稿元:
レビューを見る
たまにある
「著者の分析力に感嘆して、この著者でありとあらゆるものを本にしてほしい」
と思わせる好著!
そんな概念なんか知らなかった、プロ解説者からでも聞いたことないようなことが盛りだくさん
ダルビッシュさんのお墨付きですし、好きな分野を極めるとこれほどに痛快なのだなと
投稿元:
レビューを見る
野球好きは必読。野球観がまた深くなる。
動かすボールの大切さが分かる内容だったが、理想的なピッチャーがヤクルトにいなくね?って思った。
投稿元:
レビューを見る
かなり細かく分析されていて途中難しく感じるところもあったけど、なんとか読了。
久保康友のクイックの話が一番興味深かった。
あと栗山監督評。
投稿元:
レビューを見る
連続ティーと右打ち重視の弊害、1番と3番の間に小者の2番打者を置く弊害、日本人の異常な送りバント信仰、一番いい投手を9回頭から使うのはもったいないなどなど、小生を含む多くの野球ファンが薄々感じていたことをズバズバと指摘して、「数字を見るまでもなく普通の感覚でわかることはある。」とバサッと斬ってくれる。ダルビッシュも参考にしたという変化球論はちょっと難しかったけれど、レベルの高い居酒屋野球論という感じで、プロや学者の本とちがって、とてもおもしろくて読後感もいい。
そんな著者でも、2016年のファイターズの優勝は、「日米を通じてここまでエンターテイメントとインテリジェンスに満ちたチームは未だかつて存在しない」というのだからすばらしいね。
投稿元:
レビューを見る
Twitterでは有名なお股ニキ氏による野球の分析本。
野球に関して本当に深く分析していて、MLBのことはわからないもののの、とても勉強になった。
投稿元:
レビューを見る
本書を語る上で、触れなきゃいけないのは著者のこと。野球経験は中学野球部中退。しかしながら、野球好きが高じて膨大な数の試合を観戦、そこから得た知識と独自の研究が加わり、プロ野球経験者顔負けの慧眼と分析力。そこに分かりやすく伝える卓越したアウトプット力が加わり、Twitterにて監督采配や投球術について鋭い考察を連発。ちなみにこういう人を「プロウト(プロの素人)評論家」と呼ぶそうな。
ある時、ダルビッシュについて発信すると、なんと本人からリツイート。交流はそれだけに留まらず、ダルビッシュに伝授した“お股ツーシーム”を実際の試合で投じるという、著者の指摘の鋭さを裏付けるとともに、ダルビッシュの良きアドバイスなら素直に傾聴する柔軟な姿勢について、当時多くのメディアで取り上げられた。
本書は、これまでのTwitterの考察をベースに、昨今野球界のトレンドテーマである「フライボール革命」「盗塁やバント等の小技の減少」「継投の緻密化」「ジャイロボールの存在有無」「2番打者強打者論」等についてケレンのない持論を開陳。この一冊丸ごと「現代プロ野球論」になっている。今の野球って、こんなことになってるの⁈と思うはず。
本の帯の惹句「プロ選手にもアドバイスする独学の素人が、野球界の常識を覆す」。ここでいう野球界の常識とは「プロ野球、とりわけ日本プロ野球にはびこる伝統主義」を指している。本書には理科系のリポートと思しき様々なグラフや図表が掲載されているが、著者はデータをあくまでもデータは現状把握と考察のための材料とみなしている。元来、野球は数字と親和性の強いスポーツ。DeNA監督のラミレスは昨年シーズン、データを盲信するあまり、コーチ陣と不協和音となり失速したのは記憶に新しい。また、アナリストを重用する球団も増えている。著者はその傾向を指して、選手に対する尊敬の無さの顕れであり、野球からエンターテインメント性を奪っていることだと直言する。
イチローが引退会見で発した、最近のメジャーリーグは「頭を使わずにプレーするようになった」という話と同根である。要は、
●データ有りきで、選手の判断に信頼を置いていない。
●ホームランか三振の大味な野球になりつつある。
読みながら、現在のプロ野球で用いられ、当たり前とされている作戦・戦術とは別の作戦の有用性をしばしば語り、その一方で「大局観」についても鋭い考察を披歴している。例えば、野村ID野球はあくまでも戦術であり、タイガースが勝てなかったのは、チームにエースと四番不在という戦力に乏しかったからで、ペナントレースの長丁場において、作戦でどうにかなる問題ではないという、どこかの思考停止の球団オーナーに聞かせてやりたい提言に溢れた好著でありました。
投稿元:
レビューを見る
私がしらない間に、セイバーメトリクスはずいぶん進んだのだなあと感じた。投手、打者、監督、経営など、いろいろな立場に対して、私がしらなかったり考えていなかったことがいろいろと書かれていて、最初から最後まで楽しめた。
球種は、結果(軌道)と回転(軸)とは別のものであることというのは、言われるとそうなのだけれど、意識していなかった。それによってファン同士の話(用語の使い方)に食い違いが出るのは頭が痛いところ。
著者はデータもよく読み、自分で考えて理解しているのが素晴らしい。能力と趣味と時代がうまく噛み合っている感じがする。幸せなことだと思う。
回転の説明はちょっとわかりにくかった。とくに軸の方向を角度で表現していたけれど、どこが0度なのか、がわからなかった。
投稿元:
レビューを見る
本書は,セイバーメトリックスに代表されるデータ分析によった選手評価・球団経営を批判し,「本当にファンが求めている野球とは何なのか,エンターテイメントと結果重視のバランスを再考する」(27頁)ことを目的としている。
著者であるお股ニキ氏はTwitterのハンドルネームであって,もちろん本名ではない。しかし,いよいよ出版業界にも,HNとアカウント名で書を著す時代が来たものだ。
本書の構成は,第1章で野球を再定義したのち,第2~3章でピッチング論を投球術と変化球の側面から,続く第4章でバッティング論,第5章でキャッチャー論,第6章で監督・采配論,第7章で球団経営・補強論,第8章で野球文化論を再考する。
このうち,著者が最も力点を置いているのが,ピッチング論とキャッチャー論だと推測される。所詮,野球はバッテリーの存在を以て始まるスポーツであり,ピッチャーがいかなる球種を投じるか,そのボールをキャッチャーはいかに捕球して審判にストライクと言わしめるのかが重要だという証左でもある。
我々団塊の世代Jr.が1970年代後半か,80年代前半にエポック社の電子野球盤で遊んでいた頃,ピッチャーの変化球といえば,スライダー,カーブ,シュート,フォーク,そこにチェンジアップが加われば良いほうだった。しかし,20-21世紀転換期あたりから,ピッチャーの球種はバラエティーに富み始めた。スプリット,ツーシーム,フォーシーム,カッター,シンカー等々,何が違うのかが,素人では明確に分からなくなってきており,複雑すぎた挙げ句,それがまた野球観戦をつまらなくさせてしまっている原因かもしれなかった。
本書第3章のピッチング論後編(変化球編)では,その点を実に理論的に,かつ明確に解説してくれている。すなわち,ボールの変化方向としては,食い込むか逃げるかという横の変化と,ホップするか落ちるかという縦の変化が組み合わされて成り立つ。それを構成しているのが,ボールにかかる重力,抗力,揚力である。これらの力の作用が,ボールの回転方向,回転数,速度を決め,それぞれの結果によって,シンカー→チェンジアップ→スプリット→ツーシーム→フォーシーム→カッター→スライダー→カーブという順に,変化球が決まる。いわば,ピッチャーの投球とは力学の実践版であり,かなり頭を理論的に使うスポーツでもあることが,改めて認識される。
他方,キャッチャーの役割として,著者はとりわけフレーミングの重要性を謳う。それは,けっして捕球してからミットを動かす「ミットずらし」ではなく,「ボールの軌道を読んで先回りしてから,アウトサイドインでミットの先端で捕球すると同時に真ん中に引き寄せる」(168頁)技術を表す。近年のキャッチャーは,先発・中継ぎ・抑え(あるいは敗戦処理)の各投手から各球種を捕球するとともに,NPBならば,交流戦の普及によってバッターに関する情報を対戦相手分整理しなければならなくなった。その点で,非常に重労働なポジションと化している。そうしたキャッチャーのツールとして,フレーミングを意識しておくことが,今後観戦の楽しみの一つとなろう。
著者によるTwitterの呟きが,ダルビッシュ有投手のコメントを受け取るうちに,新書レベルまで発展した経緯については,甚だ驚くばかりである。野球を好きな一観戦者として,本書が上梓されたことを大いに歓迎したい。なお,「かつては新聞の巨人やホテル,土地,百貨店の西武が球界の中心」(281頁)とあるが,百貨店を擁するのは西武ホールディングスではない。今後訂正が求められよう。