紙の本
わかりやすい
2019/09/22 10:01
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
欲望は作られると昔から言われていますが、現在の状況に即して解説されていて、わかりやすかったです。翻訳も、よかったです。
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・行動嗜癖の6つの要素
1) ちょっと手を伸ばせば届きそうな魅力的な目標があること
2) 抵抗しづらく、また予測できないランダムな頻度で報われる感覚があること
3) 段階的に進歩・向上していく感覚があること
4) 徐々に難易度を増していくタスクがあること
5) 解消したいが解消されていない緊張感があること
6) 強い社会的な結びつきがあること
・人に行動を促したいなら、太刀打ちできない大きな目標ではなく、具体的でチャレンジしやすい小さな目標を与えるほうが有効なのだ。進歩している実感に励まされるし、ゴールラインが見えているほうが前に進みやすい
・ネットゲームでスペースキーは小さな動きではなく大きな動きに合わせる。物理的な感覚とデジタルの領域での感覚を連動させるのがマッピングの妙
・動機付けられた認知:外れが続いているってことは大当たりが近付いているサイン と認識させることではずれもポジティブに受け止めさせ続けさせる
・ダラー・オークション・ゲーム
・売れるもの、人気になるものを作ろうとするのではなく、好きになるために作ることがゲーム作りの根幹(宮本茂)
・ビギナーズラックには人を依存させる力がある。ビギナーズラックを体験したせいで、人は非現実的な野心を抱き、本来ならば熟練者にこそふさわしい高すぎる期待を抱く
・ほとんどの人間は、何もしないより何かをするほうがよいと考える。たとえそれがネガティブなことであっても。
・課題を片付けているという感覚や、自分がこれを成し遂げているんだという気持ちは、大きなモチベーションになる
・イケアの組み立て済みの収納ボックスを自分で組み立て作業をした被験者の提示した金額は、既製品を見ただけの被験者の金額に比べて63%も高かった
・スロットマシンの「惜しい」と「はずれ」に実質的な違いは何もないというのに「惜しい」を見せることで、大当たりはすぐそこだと思わせる
・現金ではなくクレジットカードを使うと、人は同じ商品が2倍高くても払ってしまう(停止規則の役割を果たさないため)
・自動再生により、「次のエピソードを見ない」という判断をする必要がある(オプトインオプトアウト)
・Facebookとインスタグラムでは予測の立たない刺激がエンドレスで続いている
・人間は肯定的なフィードバックばかりを受け入れたがり、否定的なフィードバックに対して過敏になる
・近づきやすい態度、穏やかな態度、子供の状況について知ろうとする態度、現実的な態度を取ることが親の態度として重要
・自己決定理論によると、人は3つの根幹的なニーズに関わる場合に自主的に行動を起こしやすい
1) 自分の人生を自分の意志で進めたい(自律性)
2) 家族や友人と確かな絆を形成したい(関係性)
3) 周囲に影響力を持っていると感じたい(有能性)
・「○○を考えてはいけない」といわれたときに「そのかわりに何を考えていればいいのか」というのがわからない
・習慣を構成する3つの部品
1) 合図(行動を促すもの)
2) 儀式(行動そのもの)
3) 報酬(これからも同じ行動を繰り返すよう脳に仕向けている見返り)
・自分以外の誰かを巻き込む報酬や制裁は、習慣形成において非常に効果が高い
・行動嗜癖に対するアプローチは排除するか、活用するかの2つ。活用して良い習慣にすることもできる
・体験そのものを報酬にする(英単語を学んでいるうちに、成果に応じて自動的にコメを寄付している)
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大袈裟だ、と思うのは私が甘いせいか。私がネット中毒に陥ったのは1999年頃である。自ら立ち上げた読書グループのホームページに設置した掲示板でyamabikoなる人物と毎日意見を戦わせていた。該博な知識にたじろぎながらも知的昂奮を抑えることができなかった。ログの一部が辛うじて残っている。
https://sessendo.blogspot.com/2022/02/sns.html
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少し古いと言っても数年前だが、自分が読んできたものと大差ない。が、改めて読むのもまた気が引き締まる。
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<目次>
プロローグ 自分の商品でハイになるな~ジョブスと”売人”に共通する教え
第1部 新しい依存症「行動嗜癖」とは何か
第1章 物質依存から行動依存へ~新しい依存症の誕生
第2章 僕らはみんな依存症~何が人を依存させるのか
第3章 愛と依存症の共通点~「やめたいのにやめられない」の生理学
第2部 新しい依存症が人を操る6つのテクニック
第4章 <1>目標~ウエラブル端末が新しいコカインに
第5章 <2>フィードバック~「いいね!」というスロットマシンを回しつづけてしまう理由
第6章 <3>進歩の実感~スマホゲームが心をわしづかみにするのは”デザイン”のせい
第7章 <4>難易度のエスカレート~テトリスが病的なまでに魅力的なのはなぜか
第8章 <5>クリフハンガー~ネットフリックスがぼくたちに植えつけた恐るべき悪癖
第9章 <6>社会的相互作用(ソーシャル・インタラクション)~インスタグラムが使う「比較」という魔法
第3部 新しい依存症に立ち向かうための3つの解決策
第10章 <1>予防はできるだけ早期に~1歳から操作できるデバイスから子どもを守る
第11章 <2>行動アーキテクチャで立ち直る~「依存症を克服できないのは意志が弱いから」は間違い
第12章 <3>ゲーミフィケーション~依存症ビジネスの仕掛けを逆手にとって悪い習慣を捨てる
エピローグ まだ見ぬ「未来の依存症」から身を守るために
<内容>
2019年刊の本だが、データは2016年頃のものなので、挙げられた具体例もやや古い。ネットビジネスの世界は本当に進歩が速いことがわかる。エピローグの「未来の依存症」がどんどん入り込んできている(Tiktokとか)。VRは意外と進化していないようだが、この本を読んでいると、これが普及すると新たな「依存症(ビジネス)」が広がる気がする。結局は人間各個人の「意思」が重要なのかな?と感じた。一方で、「ゲーミフィケーション」をうまく利用すると、教育の世界はもっと変わる気もする(そんなことやっているが、あまり成功していないのかもしれないが…)。
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行動嗜癖についての本。
他人同士の被験者を同じ部屋にいれて会話する心理実験で、スマートフォンを横においたまま会話する場合と紙のノートを置いて会話した場合、スアートフォンが手元にあると打ち解けられない。
スマートフォンのむこうに世界が広がっていることが頭にあるので目の前の会話に集中できない。
マイクロソフトの実験から、ソーシャルメディアで過ごす時間が長い被験者はそうでない被験者に比べて集中して課題をこなす能力が低くなっていいたのだ。
2000年に発表された平均的な人間の注意力持続時間は12秒。2013年には8秒になった。金魚の注意力持続時間は9秒。
「addiction」は古代ローマでは「奴隷となる宣告を受ける」という意味。
フロイトもコカインの中毒に苦しみ、使用をやめた。
ゲームアプリ、フラッビーバードも依存者の増大で公開をやめた。
ベトナムセンセ王では兵士の85%がヘロインの提供を受けたのに、帰国したら
95%がヘロイン依存から脱出した。
彼らが回復できたのは、依存症になった環境を離れたから。
目標達成が人を動かす。これが依存症をひきおこす原因にもなる。
ワーカホリックの会社員が稼ぎを増やす必要性がなくても遅くまで残業したがるのも、目標依存症患者の典型。
「好き」と「ほしい」は違う。(そして、「好き」じゃないのに「欲しい」になっているのが依存。)
仕事となると人間の停止規則が弱る。(あーわかる。)
ツァイガルニク効果:人間は完了した課題より完了していない課題に心奪われる。未完了だと緊張状態が維持され、欲求もそのまま残る。
これを応用したのがドラマのクリフハンガー。
依存症をなおすため(もちろん軽度だけど)の方法もいくつかのっています。
たとえばゲーミフィケーションを利用したりなどがのっている。
ゲーミフィケーションの功罪についても記述がある。
自分を、自分の思い通りに動かしたかったらよむといいです。
(いろいろ反省します。)
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依存症に至るプロセスは、うまく利用すればビジネスになり、うまく利用されれば依存者となる。あなたは、どちらを選択するか?
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依存症は誰でもかかる。意思のチカラは何の役にも立たない。不安や心配から一時的に逃れられた経験は依存の引き金になる。依存に伴う物質の摂取や行動嗜癖は仮に命の危険があったとしても止められない。否認(「私は●●ではない」)は回復の妨げになるだけ。依存してしまう環境から離れる。害がないむしろ益になるものに対象を変える。
根本的な解決には「アドラー心理学」もしくは「嫌われる勇気」が役に立つ。①課題の分離:共依存であるかどうかの見極めの基準となる/縦のつながりから横のつながりに関係性を転換できる、②共同体感覚:白黒思考ではなく自己受容・他者理解・他者貢献という新しい価値観を持てる、③過去や未来ではなく今に集中する。
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個人的には子供がいる人、子供ができる親になる10代に読んでほしいぐらい。今のデジタルネイティブのテクノロジーとの付き合い方の参考になるでしょう。今ですら依存症気味でまともにコミュニケーションできなくて性犯罪起こす奴の予防につながると思う。小さい時から触れすぎると脳が
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ジョブズが自分の子どもにiPadを使わせていない、というのがショックで、図書館で借りてざっと読んでみた。
記憶に残った箇所をピックアップ。
第2章 僕らはみんな依存症
・ベトナム帰還兵の奇跡の回復の真相―依存症は記憶に埋め込まれる
→ヘロイン中毒になってもわずか5%しか再発しなかったのは、薬物に身をゆだねてしまったベトナムという環境に戻ることはなく、新しい生活をスタートさせていたから。とのこと。
第10章 予防はできるだけ早期に
軽めの依存症への有効打はあるか?―「動機付け面接」というアプローチ
→せねばならない!ではなく、何かお手伝いできるか?というアプローチで、子ども自らが本人の意思で変化を促すこと。
第12章 ゲーミフィケーション
・「ゲーミフィケーション」成功の3つのポイント
→ゲームではないことをゲームにしてしまうこと。3つの要素は、ポイント制、バッジ、ランキング表とのこと。
・研修をゲーム化すると、仕事のパフォーマンスも定着率も向上する
→仕事や体験が退屈であるときに、ゲームかすると効果が高いとのこと。仕事に対する自信と意欲が20%も上昇したそうな。
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ジョブスは自分の子供たちにipadを使わせなかった
SNSにはきりがない。節度ある使い方をするのは難しい。
依存症になったときの環境がなくなれば抜け出しやすい=別の環境を用意すること
ちょっとだけ、は危ないわな。
物質だけでなく、行動にも依存症になる。
長期的には満たされていない欲求が依存症の元凶。
実際にドーパミンが出るかではなく、欲しいという思いが依存症を生む。禁断の恋にはまる、好きじゃなくても欲しがる。
対象の魅力が薄れでも執着時は持続する。
依存症になる要素
1、ちょっと手を伸ばせば届きそうな目標
次々と目標を立てる癖、数値が自分を縛る、目標が慢性的な敗北状態にする。成功しても失敗しても出口がない。
過程を楽しむ習慣が大事。停止する規則を作る
2、ランダムな頻度で現れる正のフィードバック
3、段階的進歩
4、徐々に難易度が増す
退屈は一番避けるべき状態。退屈するくらいなら電気ショックのほうがまし。
何もしないより何かをするほうが良いと考える。人生は試練があったほうが魅力的。
テトリス、ちょうどいい目標が与えられる。
5、解消されない緊張感があること
やり終えないことには執着心が発生する。
6、社会的な結びつきがあること
意志力と自制は、とても弱い。
紛らわせる、は有効な手段。
できない、と思うのではなく、主体的に、しない、と宣言する。
自分に罰を与えるデバイス=パブロック
行動嗜癖とよい習慣は紙一重
良い習慣をつけるためにゲーム性を取り入れる。
考えることを節約するのは人間の本性。進化の観点から理屈に合っている。
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翻訳本は苦手だが、これは読みやすかった。そしてかなりタメになる本だった。
まず、2007年にiPhone、その3年後にiPadを世に送り出し世界を変えたスティーブ・ジョブズが、自分の子にはiPodなどのデバイスを使わせていなかった、というのが衝撃だった。作った本人が、デバイスが幼少期に与える悪影響や依存性を認識していたといえる。
私がこれを読んで思ったのは、自分が生まれた時にまだこれらのデバイスがなくて良かったということ。最近の子は4歳までに8割がなんらかのデバイスに接するらしく(こういったデータも各所に出ていてわかりやすい)、子育てや教育のひとつに、これらの接し方や使い方をどうするかという大きな問題がある。今の親や教師は大変だ。
そして、そんな自分でさえ、もうスマホなしでは生きていけない。運動のしすぎを誘発するというウェアラブル端末も、良かれと思って使っている。最近スマホを見る時間が増え、一つの物事(読書したりテレビを見るなど)に集中できなくなったと感じていたので、この本を読んでさらに危機感が募った。スマホはそこに置いてあるだけで、気を取られる存在であることがデータで実証されている。
今後は、さらに依存性が高いもの(それこそ現実と仮想の区別がしにくそうなVRなど)が浸透してくるだろう。それらは良い面もあるが、悪い面もある。私たちは、現実から逃げず、リアルの世界も大切にしながら、それらと適切な距離を保って生きていかねばならないのだと強く思った。
知っておくべきことが多く書かれていた良書だと思う。
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行動嗜癖(こうどうしへき)。麻薬と同じ機序で、行動への依存症になってしまうこと。
SNSを見続ける、ゲームにハマりする等で、日常生活に支障を来たす状態。
ブクログでも、いいねが欲しくて感想を書いてしまっているのか!?自分は、と少しビビるも、読み終わった感想やら備忘録を残すだけなので、そうでもないな、と。
思春期や10代後半だけがゲームへの行動嗜癖になっているだけでなく、スマホを眺める、という行動には老若男女、誰でもこれになってしまうリスクがある、ということに戦慄した。
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現在、スマホ依存症の対策中。
長い目で見て幸せになる確率を高める活動を、日常的に行う、という選択をできるようになりたい。
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Irresistible:
The Rise of Addictive Technology and the Business of Keeping Us Hooked
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https://diamond.jp/category/s-Irresistible