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紙の本
回帰 (幻冬舎文庫 警視庁強行犯係・樋口顕)
著者 今野敏 (著)
爆弾による自動車爆発が起き、刑事の樋口顕は情報収集に乗り出す。その最中、娘の照美がバックパッキングで海外に行きたいといい…。警察組織と家庭の間で揺れ動く刑事の奮闘をリアル...
回帰 (幻冬舎文庫 警視庁強行犯係・樋口顕)
回帰 警視庁強行犯係・樋口顕
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商品説明
爆弾による自動車爆発が起き、刑事の樋口顕は情報収集に乗り出す。その最中、娘の照美がバックパッキングで海外に行きたいといい…。警察組織と家庭の間で揺れ動く刑事の奮闘をリアルに描く。【「TRC MARC」の商品解説】
これは日本で初めて起こったテロ事件なのか? 事件は現場ではく会議室でも起きている!! 捜査と家庭に追われる刑事の奮闘を描く!!
四谷にある大学の門近くで自動車の爆発事故が起こった。
死者と怪我人を出したこの爆発は、やがて「爆弾」が仕掛けられていたことが判明する。
警察はテロと断定し、警視庁刑事部捜査一課の樋口顕は情報収集に動き出すが、
上司である天童隆一管理官から「かつての部下、因幡が『テロを防ぎたい』という
電話をかけてきた」と打ち明けられる。
国際テロ組織に入った噂のある因幡からの電話は、今回のテロとの関連するのか?
そんな最中、樋口の娘・照美が、バックパッカーで海外旅行に行きたいという。
公安も捜査に乗り出す中で、テロ捜査と家庭の間で奮闘する樋口は何を思うのか――。【商品解説】
著者紹介
今野敏
- 略歴
- 一九五五年、北海道三笠市生まれ。上智大学在学中の七八年に「怪物が街にやってくる」で問題小説新人賞受賞。
卒業後、レコード会社勤務を経て、執筆に専念する。
二〇〇六年、「隠蔽捜査」で吉川英治文学新人賞を受賞。〇八年、「果断 隠蔽捜査2」で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞をダブル受賞。一七年、「隠蔽捜査」シリーズで吉川英治文庫賞を受賞する。
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人権を無視して国を守っても仕方がない
2019/09/28 09:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
シリーズも長年月にわたると、調整が必要になる。
サザエさんみたいに人物設定をそのままにしているわけにいかない。
樋口も、全共闘のあおりを受けた世代という設定では、もう現役でいられない。
でも、現場にいない樋口は樋口じゃない。
まあ、そのへんは気にしないことにして、
樋口の真骨頂、あるいは今野敏の真骨頂が、このくだり。
樋口の内面思考である。
「人々が民主主義を獲得するまでに、どれくらいの苦難があったか。
それが失われたときに、民衆はどんな悲劇に直面するのか。
それを今、考える人が少なくなりつつあるような気がする。」
秩序維持のために強権を与えられている警察が
民主的理念を忘れたらいかに暴力的になるかを
今野敏は、登場人物になんども語らせる。
テロ捜査のために人権を軽視する公安部の捜査官にむけて
樋口は言う。
「人権を無視して国を守っても仕方がない。その先にあるのは、いったいどういう国なのか、考えてみたことはあるのか」
「守るべきは、国家の体裁ではなく、国民なのではないか」
まことに正論。
しかし、こんな樋口は警察では異端であるとの設定。
異端ではあるが、認められ信頼されている。
今野敏の小説の中では、警察にも良心があると安心できるのだ。
現実もその通りである、ということを望む。