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紙の本
退職勧告 新装版 (祥伝社文庫)
著者 江波戸哲夫 (著)
組織改革で昇進したはずが、社内失業者と化していた三矢不動産部次長の大下。彼の許に突然届いたのは解雇通知だった。仕掛けられた罠に大下は立ち向かうが…。表題作ほか、非情で身勝...
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退職勧告 新装版
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商品説明
組織改革で昇進したはずが、社内失業者と化していた三矢不動産部次長の大下。彼の許に突然届いたのは解雇通知だった。仕掛けられた罠に大下は立ち向かうが…。表題作ほか、非情で身勝手な企業に挑む男たちを描く全7編を収録。〔平成9年刊の加筆・修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
収録作品一覧
人生の歯車 | 7−47 | |
---|---|---|
退職勧告 | 49−88 | |
ゲームオーバー | 89−129 |
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紙の本
テーマがあるサラリーマン小説短編集
2019/12/04 14:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルは退職勧告となっているが、中身は江波戸が書いた短編小説集である。7編の短編から構成されている。短編全てが退職に関係するものでもない。いわばサラリーマン小説として気楽に読める短編である。ただし、進退に関するものであることはたしかで、サラリーマンとしては身につまされる話ばかりである。
いずれの短編も現代のサラリーマンライフを背景としてモノで、それぞれの主人公がそれぞれの組織で奮闘するところが描かれている。サラリーマンを7名集めて、それぞれのエピソードを語らせれば、それで本書が出来上がったと言われても、もっともだと思うであろう。
江波戸のサラリーマンを描く小説は、様々なケースがあり、似たものは意外に少ない。それだけにサラリーマン群像を見ているように思える。どの組織でも個性があるのだが、そのわずかな違いが実は勤務するサラリーマンにとっては重大事であったりする。そこを集めて小説にしたと言えないこともない。
それだけに、テーマを立ててオムニバス形式にすることも可能であろう。先日読んだ『定年待合室』は定年退職者、あるいは定年を目前に控えたサラリーマンがテーマである。本書はサラリーマンとしての仕事、地位からの引き際がテーマと言えるかもしれない。
いずれにしても、江波戸の小説は時代と社会背景を反映しているので、これに共鳴するサラリーマンやOBは多いであろう。少しでも苦難を味わった人々に勇気を与えて欲しいものである。