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紙の本
しんがり 山一證券最後の12人 (講談社文庫)
著者 清武英利 (著)
【講談社ノンフィクション賞(第36回)】山一證券が破綻し、幹部たちまで我先にと沈没船から逃げ出すなか、真相究明と清算業務を続けた社員たちがいた。彼らは社内から「場末」と呼...
しんがり 山一證券最後の12人 (講談社文庫)
しんがり 山一證券最後の12人
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商品説明
【講談社ノンフィクション賞(第36回)】山一證券が破綻し、幹部たちまで我先にと沈没船から逃げ出すなか、真相究明と清算業務を続けた社員たちがいた。彼らは社内から「場末」と呼ばれ、煙たがられた部署の連中だった−。2015年9月放送WOWOWドラマの原作。【「TRC MARC」の商品解説】
負け戦のときに、最後列で敵を迎え撃つ者たちを「しんがり」と言います。戦場に最後まで残って味方の退却を助けるのです。四大証券の一角を占める山一證券が自主廃業を発表したのは、1997年11月のことでした。店頭には「カネを、株券を返せ」と顧客が殺到し、社員たちは雪崩を打って再就職へと走り始めます。その中で、会社に踏み留まって経営破綻の原因を追究し、清算業務に就いた一群の社員がいました。
負け戦のときに、最後列で敵を迎え撃つ者たちを「しんがり」と言います。戦場に最後まで残って味方の退却を助けるのです。
四大証券の一角を占める山一證券が自主廃業を発表したのは、1997年11月のことでした。店頭には「カネを、株券を返せ」と顧客が殺到し、社員たちは雪崩を打って再就職へと走り始めます。
その中で、会社に踏み留まって経営破綻の原因を追究し、清算業務に就いた一群の社員がいました。彼らの一部は給与も出ないまま、「しんがり」を買って出て、無一文に近い状態になっています。この中心にいたのは、会社幹部に裏切られながら業務の監査をしていた人間たちで、証券会社では「カネを稼がない、場末の連中」と陰口を叩かれていた人々でした。・・・
山一證券の破綻を、記者会見で号泣した社長の姿とともに記憶している方も多いことでしょう。「社員は悪くありませんから!」という絶叫でした。
社長までが泣く、その大混乱にあって、「しんがり」の彼らはなぜ筋を通そうとしたのでしょうか。逆襲なのでしょうか、意地でしょうか、優しさなのでしょうか。
山一が消えたあとも、彼らは不器用な人生を送っています。しかし、決して不幸ではないと言います。「会社の破綻なんて人生の通過点に過ぎないよ」「潰れたって、何とかなるんだ」と。
一生懸命生きていれば、きっと誰かが見ていてくれる。――そんな彼らのメッセージは、どんな会社が潰れても不思議のない、リスク多き時代を生きる人々の励ましとなるのではないでしょうか。【商品解説】
目次
- 序 由緒正しき貧乏人
- プロローグ
- 1 場末部署
- 2 崩壊の予兆
- 3 巨額の債務
- 4 山一壊滅
- 5 特命チーム結成
- 6 社内調査
- 7 闇の深淵へ
- 8 蹉跌の原点
著者紹介
清武英利
- 略歴
- 1950年宮崎県生まれ。立命館大学経済学部卒業後、75年に読売新聞社入社。青森支局を振り出しに、社会部記者として、警視庁、国税庁などを担当。中部本社(現中部支社)社会部長、東京本社編集委員、運動部長を経て、2004年8月より読売巨人軍球団代表兼編成本部長。11年11月、専務取締役球団代表兼GM・編成本部長・オーナー代行を解任され、係争に。現在はノンフィクション作家として活動。著書『しんがり 山一證券 最後の12人』(本書)で14年度講談社ノンフィクション賞、『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』(講談社)で18年度大宅壮一ノンフィクション賞読者賞を受賞。主な著書に『奪われざるもの SONY「リストラ部屋」で見た夢』(講談社+α文庫)、『空あかり 山一證券”しんがり”百人の言葉』(講談社)、『トッカイ不良債権特別回収部 バブルの怪人を追いつめた男たち』(講談社)など。
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2021/12/01 23:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:腹回りの贅肉 - この投稿者のレビュー一覧を見る
あの頃私はまだ10代で、いったい何が起こったのかまったく分からなかった。何が起こったのか分からないなりにも、突然大企業が潰れて社長は号泣して会社勤めも安泰ではないのだということはハッキリと分かった。あの頃何が起こったのかを教えてくれる本