- 販売開始日: 2020/11/13
- 出版社: 亜紀書房
- ISBN:978-4-7505-1624-0
新編 志樹逸馬詩集
曲った手で 水をすくう こぼれても こぼれても みたされる水の はげしさに いつも なみなみと 生命の水は手の中にある 指は曲っていても 天をさすには少しの不自由も感じな...
新編 志樹逸馬詩集
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商品説明
曲った手で 水をすくう
こぼれても こぼれても
みたされる水の
はげしさに
いつも なみなみと
生命の水は手の中にある
指は曲っていても
天をさすには少しの不自由も感じない
(「曲った手で」)
大きな困難の中にあって、生きることの喜びと光を求め続け、言葉を紡ぎ続けた伝説の詩人。
キリスト教信仰に裏打ちされたひたむきで純粋なことばたち。長く入手困難だった詩作品が、ついによみがえる。
これまでに刊行された二冊の詩集『志樹逸馬詩集』(方向社、1960年)、『島の四季』(編集工房ノア、1984年)に収録された全詩に加え、遺稿ノートから未公刊の詩を選んで編む。
付録の投げ込み栞(若松英輔、込山志保子執筆、8ページ)を電子版では巻末に収録しました。
【もくじ】
詩集『島の四季』
詩集『志樹逸馬詩集』
未公刊詩選
解説(若松英輔)
年譜(込山志保子)
栞(若松英輔、込山志保子)
著者紹介
志樹逸馬
- 略歴
- 1917~59年。山形生まれ。13歳でハンセン病を発病。長島愛生園で養鶏の仕事のかたわら、生涯を通して園内外の雑誌に作品を多数発表。ノートおよそ60冊の遺稿を遺す。
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志樹逸馬がよみがえる
2020/07/30 13:57
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:水彩色鉛筆 - この投稿者のレビュー一覧を見る
らい病で隔離施設におわれた
志樹逸馬の詩集。
当たり前のことを
当たり前の言葉で
しごく短く綴っているだけなのに
自分には絶対書けないと思う。
余白部分が愛おしくなる
本当の詩集。
温かな無限の世界
2020/06/25 12:04
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:弥生丸 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「人が求めるから神があるのではない
求めることを知らないものにも神はある」
書店で見たこの二行詩と、深緑色に押し花のような銀箔押しの美しい装丁に惹かれ購入。
十三歳でハンセン氏病を発病。以後、四十三歳で没するまで療養園という閉ざされた世界に生きる。しかし、この詩人の感性は無限の広がりを持つ。自然への慈しみから内面の深奥まで、詩人の言葉は陽光のように降り注ぐ。
閉ざされた世界で生きた人の、生への無限の情景に思いを馳せながら読みたい。
美しい詩集
2020/01/02 20:53
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:やっこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しい詩集です。装幀も美しいのですが、志樹逸馬さんの言葉も美しい。決して難しい言葉はありません。志樹さんは、日常の言葉をこんなにも深く味わっていらっしゃるんだと思いました。わたしも、彼と同じ視座に行けたらいいなと思いました。