紙の本
安心感を得られる
2020/12/30 10:21
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投稿者:UMA1001 - この投稿者のレビュー一覧を見る
玉石混合の情報の中で、何を信じれば良いのか迷うことが多いが、がん治療において指針となる本だと思う。悪徳商法に引っかからないように注意していきたい。
・保険が適用される治療法こそ、さまざまな試験、検証をクリアしたものであり、高額の補助も出ている最高の治療法
・余命というのはあくまで平均。早く亡くなる方もいれば長く生存する人もいる
・緩和ケアは最後の手段ではなく、治療法の一つである
・がんのリスクが高い食べ物::加工肉、赤い肉、四つ足動物の肉、塩分、アルコールはゼロが良い
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Twitterで告知されて気になっていた本。
データを交えつつ分かりやすく書かれていると、感じた。
トンデモ医療が蔓延っている中、見分けるポイントにしっかり触れているのも、今の時代に非常に重要なことだと思う。
#最高のがん治療
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多数ある癌の治療方法について、3人の専門家が検証してまとめたもの。
教育レベルと収入が高い人ほど怪しいがん治療法に騙されると言い切っています。
癌に侵されて意気消沈している時ほど、怪しい治療法にすがってしまうのは非常に理解出来るので、健康である今のうちにこの本の内容を事前に理解して、万が一に備えておくのが重要だと思った。
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医療のことは医療のプロに任せておけば安心、な理由が腑に落ちた。日本の保健医療のシステムすごいな、とあらためて思う。患者さんがエセ情報に騙されないよう、真摯に懇切丁寧に説明してくれているのがひしひし伝わってくる。
保険のきかない高額医療って「効き目があるけどコストがかかりすぎるからまだ承認されない治療」のことだと誤解してました。
「教育レベルと収入が高い地域に住む人ほど、標準治療ではなく代替療法を受けている人の割合が高い」というアメリカの研究報告は興味深い。生兵法は怪我の元ってやつですね。代替療法で近親者をなくされた方には読ませられない…。
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「原因と結果」の経済学
世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
に続き、エビデンスを日本に根づかせるための素晴らしい本
すべて、
著者の思い込みや自分が扱った例のみではなく世界の研究から引いている
引用文献も明示している
わからないところはわからないと明示している
素晴らしい
本書で指摘されているマーカー検査を以前してしまったことがある。対して調べもせずやったほうがいいのかなと思ってしまって。
難しいけれども少しずつこういう正しい知識を積み上げていきたい。また自分のデータ分析の仕事にも取り入れていきたい。
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これは分かりやすくて良い。『最高の』って謳っているのは誇張ではないし、言いたい放題のトンデモ本を向こうにするには、それでもまだインパクトが足りないくらい。スペシャリスト3人の共著というのも、公平性を担保する意味でも有効に思える。構成や展開、文章も間違いなく及第点で、まさに皆が読むべき一品に仕上がっている。
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本当に丁寧に、分かりやすくがん治療について解説しているなと思った。
炎上しないように、誤解を与えないように、吟味に吟味を重ねて練り上げられた本なのではないか。
そもそも、この本に辿り着きしっかりと内容を把握できる人は怪しげな自費診療や民間療法に騙されないのでは?とも思ったが、その慢心が悪徳医師や業者に付け入られるスキを産むのだなと反省した。
もし自分ががんを発症し心が揺らいだ際、今一度読みたくなる本である。
悪徳業者がビジネスとして民間療法を行うのはまだ分かるが、患者に誤った情報を平気で与える医師はどういう気持ちなのだろう。職業的な倫理観をそこまで欠落できる思考がよく分からない。
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がんに対する基礎的な理解、ベースの知識として読んでおいてよかったと思う。標準治療は、現状における、最良の治療法であるということが客観的によくわかった。
また、がんには、のんびりや超のんびりのものもあり、過剰診断になることもあるが、これが診断時にはよくわからないというのがやっかいだなと思いつつ、そういった傾向のある癌として、甲状腺癌や前立腺癌があげられるのも知識として有用だと思った。
また、検査についても、メリットがデメリットを有意に上回るおすすめのものと、特に差が見られないものについても言及があり、どんな検査を基本的にうければいいのかわかった。
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がん治療についての基礎知識を教えてくれる本。
自由診療より、保険診療が最強だと説明してくれる。
がんについて、正しい知識を事前にもつことが、大切であり、それに対して、この本は適していると感じた。
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癌になってから読んだ本の中で、
いまのところ、これが一番でした。
癌治療に伴う情報や判断の仕方、
まだ癌じゃなくても予防のために
どんなことに気をつければいいか、
患者側から知りたいことが書いてあります。
治療については、診察の時に先生が
ちゃんと説明してくれますが、
診察時間も限られているし
やはり緊張してか、聞き漏れも出てきます。
そんな中、治療に向き合うにあたり、
この本はとても役に立ちました。
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標準治療、という保険対象の治療が今のところ最善のガン治療。
標準治療と認められるためには様々なテストを乗り越えてようやく認可されるもので、効果として統計的に信頼性が高い。
逆にネットにある標準治療以外の、保険適用外の治療は、一部患者がたまたま治るなどの場合があるかもしれないが、効果があると言えるほど統計的なデータはない。
標準治療はしっかり受けて、その上で追加の治療をどうしていくか。費用を何に使うかは考える必要あり。
何にでもすがりたくなる中で、しっかりと正しい判断することは難しいかもしれないが、そんな時こそ思考停止せずによく考えて、その人の幸福があがる選択をするべきように思う。
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これは面白い。
医療データ分析の専門家である津川友介は良いね。
話が分かりやすい。
権威ある医者でも、けっこう、一級のエビデンスに基づかない、個人的体験を、もっともらしく、話してる場合がある。
ある、と言うより、そういうケースが、意外と多い。
そこに
医療データ分析を持ち込むことによって
純粋に、どの程度のエビデンスに基づいて言われている話なのか、明確にできる。
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保険が適用される治療法「標準治療」こそ最高の治療法。
教育レベルと収入が高い人ほど怪しいガン治療法に騙されているというアメリカの研究。日本人も同様の傾向。
津川友介…医療データ分析の専門家。カリフォルニア大学の医学部で助教授。
勝俣範之…がん治療に特化した腫瘍内科医という専門医。腫瘍内科とはガンの総合内科のようなもので、抗がん剤や検査相談、治療方針の決定など、最初から最後までサポート。国立がん研究センターに20年在籍後、日本医科大学で腫瘍内科を立ち上げ。
大須賀覚…新薬開発の専門家。アラバマ大学助教授。日本にいた頃は脳神経外科医。
***
第1章 最高のがん治療の決められ方
嘘の体験談で大金を稼ぐ業者たち
数人に効果があるように見えてもほとんど期待できない
がん治療薬を選抜する4つのプロセス
基礎研究…マウスや細胞実験は全てコレ
臨床試験フェーズ1…まずは安全性のチェック
臨床試験フェーズ2…少人数で効果を確かめる
臨床試験フェーズ3…標準治療と比較
標準治療を受けていないガン患者は死亡リスクが高い
第2章 最高のがん治療では何をするのか
3つの標準治療…手術、放射線治療、抗がん剤治療
抗がん剤の3つの副作用
吐き気…80%はなくせる
脱毛…冷やせば抑えられる
白血球減少…免疫力が落ちてしまう
日本は腫瘍内科医が少なく外科医が抗がん治療している
日本での治療薬の承認の遅れはわずか0.4年
緩和ケアは第4の治療法
標準治療はがん診療連携拠点病院で受けられる
第3章 食事やサプリで癌は治るのか
食事やサプリは治療の主役ではなく脇役。
加工肉や4本足の肉、生成された炭水化物、脂肪分を多く含む西洋風の食事は死亡率が46%高かった
コーヒー、繊維、ナッツは大腸がん患者の生存率アップ
よく見る4つのサプリ
ブロメライン…がんの治療効果が認められない
エージアック…科学的根拠なし
レートリル…生産中毒を起こす危険性あり
サメや牛の軟骨…科学的根拠なし
第4章 どうしてガンができるのか
偶然発生するガンが意外と多い
ガンは過去の生活習慣のせい、は言い過ぎ
自責の念、心の呵責につけ込むトンデモ医療もある
第5章 トンデモ医療はどうやって見分けるのか
本に書いてあるから正しい、と信じるのは危険
科学的根拠に基づいた8つの情報源
トンデモ医療を見分ける6つのポイント
自由診療、どのガンにも効く、免疫力アップ、
個人体験談、マウスや細胞実験レベルのデータ、
予防効果があっても治療にも効くわけではない
第6章 どうやってガンを見つけるのか
受けるべきガン検診は推奨グレードAかBの下記5つ
グレードC以下は死亡率減少と不利益が同程度
胃がん…X線検査、内視鏡検査
大腸がん…便潜血検査
肺がん…非危険群に胸部X線、危険郡は+喀痰細胞診
子宮頸がん…細胞診(従来方、液状検体法)
乳がん…マンモグラフィー単独、マンモ+視触診
急速進行するガンは定期検診では間に合わない可能性
しかし急速ガンには抗がん剤がよく効く
進行しないガンもある、過剰診断になることも
同じ種類のガンでも進行速度が異なる場合がある
現在、がんの進行速度は診断時には見分けがつかない
民間検診 腫瘍マーカー検診…感度が低すぎる
民間検診 PSA検診…死亡率を減らさない
民間検診 PET検査…見逃しが多い
第7章 ガンを防ぐために普段の生活で何が出来るか
加工肉や4本足の肉の摂取が増えると大腸がんリスク増
塩分摂取量が1日10グラム以上は胃がんリスクが2倍
糖質制限にがんを減らす科学的根拠は無い
肥満はがんになるリスクを確実に上げる
長期喫煙者でも喫煙したらリスクは下がる
アルコールはがんになるリスクを上げる可能性がある
運動は大腸がんと乳がんのリスクを下げる
ストレスがガンの原因となる科学的根拠は現在無い
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結局標準医療が一番ということ。逆に言うと標準医療になっていないものにはならない理由があるということですね。
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医療データ分析、抗がん剤治療、新薬開発の分野でのトップ研究者が、あまりにもデマ・ガセが多いがん治療において、明確なエビデンスに基づく最高の質のものをレクチャーしてくれる啓蒙的な一冊。
本書でも繰り返される点であるが、日本は国民皆保険制度によって自己負担額が低廉に抑えられているため、保険償還の対象となる標準治療に実際どれだけのコストがかかっているか、裏返せばその真のプライシングというのが見えにくい。それが故に、”低廉な標準治療”≒”安かろう悪かろう”という誤ったイメージを持ちやすい。それが端的に出ているのは、教育レベルや収入が高い人ほど、デマ・ガセが跋扈する治療法を選びやすい、というアメリカの研究にもよく表れている。
本書では、保険償還の対象となる標準治療がどれだけ厳しいプロセスを経て選び抜かれたかを示しつつ、その対極にある自由診療・代替療法などのエビデンスのなさと問題点がクリアにまとめられており、適切な治療を知る上でのレファレンスとして万人に推奨できる。