紙の本
国道16号線周辺を再評価
2021/06/25 14:53
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投稿者:チップ - この投稿者のレビュー一覧を見る
副題の「日本」を作った道 はオーバーだと思うが、国道16号線周辺が戦後「日本」に大きく貢献した事は間違いないと思う。
大河ドラマなどの影響で家康が江戸に入る以前は寂れた漁村だったというイメージが定着していた「江戸」だが、実際にはもっと発展していた可能性は目からうろこだった。
大変面白い本だった。
紙の本
関東暮らしの方へ
2022/10/26 19:50
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ぜひ、関東暮らしの方、読んで頂きたいですね。自分は、すでに関東からは引っ越していますけど……。国道16号線は、関東に在住の方には、身近な国道です。その国道沿線を、歴史からひもとくという……かなり、おもしろいですよ、このあたりに住んだことのある方には。
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国道16号線沿いには、日本の文化形成に寄与した人物、土地、産業等が集まっているという前提に立ち、多種多様なジャンルについて解説がなされている。
歴史、産業、地形、音楽文化など、多様なジャンルの話が、国道16号線を媒体に幾重にも繋がっていく。
不思議と、読んでいるうちにどんどん引き込まれていく。国道16号線沿いを走ってみたい気持ちになる。
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神奈川から東京、埼玉、そして千葉をつなぐ国道16号線を舞台に、日本国誕生につながる地下のプレートの動きから、縄文、鎌倉、戦国、江戸、自由民権運動に、永ちゃん、ユーミン、金妻、そしてコロナに至るまで、時代を横断し読者の好奇心を刺激するキーワードを交えた考察でたたみかけてくる。
ブラタモリ好きにはたまらない一冊。
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首都圏を旅しているような本。
ユーミンの曲を聴きながら読むのもよいかと。
百貨店の進化、百貨店興亡史と併せて読了
クロニクル編集術とジオグラフィック編集術の協働
時間軸と空間軸の相互編集とでも呼べばよいか。
1)内容の要約
国道16号線は、首都圏をぐるりと取り巻く330キロの全国一混
雑する道である。本書はその歴史、地理、経済、音楽文化などの背
景について個人的な発見や著名人の見解など多様な情報を折りまぜ、
かつてない熱量で綴る。メディアの世界で活躍する著者だからこそ
多くの視点から16号線を紐解き、実際に歩き、何かを見つけ、声に
出して歌う。すると、自分たちの暮らす土地が、故郷が、これから
住もうとする場所が、もっともっと好きになるはずだと語っている。
新型コロナウイルスが猛威を振るうなか刊行された本書のラスト
では、アフターコロナこそ16号線が「都市が大好き」「自然が大好
き」という一見相矛盾する人間の両方の本性を満たしてくれる最適
解を持ったところとして評価されると記している。
2)キーセンテンスの引用
・90年代のバブル崩壊以降、16号線沿いにモータリゼーションを
前提とした大型ティスカウント小売店が数多く展開された裏には、
日米間の小売業の規制緩和をめぐる綱引きがあった。
・16号線エリアの地形は、プレートの移動と衝突、海面の上昇と低
下、火山の爆発と火山灰とでできあがった。小流域がつらなり、台
地が点在し、その間を大きな川が流れ、巨大な湾を形成し、リアス
式の半島が太平洋に突き出す。
・東京の郊外の景色を歌ってきた桑田とユーミンが、1970年代も
2020年代の今も、日本のミュージックシーンを引っ張り続ける。
・室町時代中期、鎌倉と16号線エリアの複数の城を拠点とし、巨大
河川の河口の岬に江戸城を建てた太田道灌は、江戸という中心と環
状道路16号線という、首都圏の地理的な政治構造を具現化した。
・生糸が重要な輸出産業に成長すると、「絹の道」の通る横浜から
相模原、八王子、埼玉、千葉につながる現在の16号線エリアの大地
と丘陵地の緑の「小流域地形」では、養蚕業を営む農家が増えた。
・動物の種はすべて、その成員にとって安全と食物の両方の面で好
適な生息場所を選ぶ。
・近現代の建築は地形をあまり意識せずに、都市を作り続けてきま
した。いま求められている建築は、例えば、流域や傾斜など積極的
にその土地の「地形」を考えていくものです。「地形に戻す建築」
の時代なんです。
・巨大都市東京の緑を走る国道16号線は、「都市が大好き」「自然
が大好き」という一見相矛盾する人間の両方の本性を満たしてくれ
る最適解を持ったところなのだ。
・地理を知る。自然を知る。歌を知る。ただ知るだけじゃなくて、
実際に歩き、何かを見つけ、声に出して歌う。すると、自分たちの
暮らす土地が、故郷が、これから住もうとする場所が、もっともっ
と好きになるはずだ。
3)著書の背景
首都圏をぐるりと取り巻く330キロの全国一混雑する道である
国道16号線は、日本誕生から、頼朝、家康、ユーミン、そして令和
までをつなぐ地形であるとして記した日本文明論。ニュータウン、
ショッピングモール、音楽、アミューズメント施設、暴走族、米軍、
日本軍、飛行場、港、生糸、街道、幕府、城、馬と牧、古墳、貝塚、
遺跡、昆虫、河川、地層、プレート…。それぞれの時代のそれぞれ
の営みは、16号線という環状道路が走る、世界でもここにしかない
ユニークな地形の上で展開されてきた。4つのプレートがぶつかる
ことで、黒潮の流れに突き出た2つの半島、急峻な丘陵地といくつ
もの台地、大きな河川が注ぐ巨大な内海の東京湾、後輩部に広い低
地の関東平野、そして大地と丘陵地の縁に無数の小流域が並んだ関
東の地形が出来上がった。その地形を馬蹄形につなぐと16号線にな
る。2020年11月15日発行。
4)著者情報
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授(メディア論)。
1964年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、日経マグロウヒル社
(現・日経BP社)に入社し「日経ビジネス」記者を経て単行本の
編集に従事。『小倉昌男 経営学』『日本美術応援団』『社長失格』
『アー・ユー・ハッピー?』『流行人類学クロニクル』『養老孟司
のデジタル昆虫図鑑』などを担当。「日経ビジネ スオンライン」立
ち上げに参画、のちに同企画プロデューサー。TBSラジオ、ラジオ
NIKKEI、渋谷のラジオでパーソナリティとしても活動。2018年3月、
日経BP社を退社、同4月より現職に。著書に『インターネットが
普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』(小林弘人と
共著、晶文社)、『「奇跡の自然」の守りかた』(岸由二と共著、
ちくまプリマー新書)、『混ぜる教育』
以下、商店(百貨店)をテーマとしたメモ
大きくは成り立ちは呉服屋系と鉄道系があって、
立地は商店街系とターミナル系がある。
最新設備を兼ね備えたビルディングタイプ
文化芸術の牽引役
都市の急速な近代化で発展
2000年以降に呉服屋系を中心として再編。
国道16号線沿いはショッピングモールと競合して衰退
今後はリアルとECの融合、不動産業の追求、ニッチ分野
鉄道系はドミナント戦略、地方は顧客のストーリー合致
まちなかウォーカブルとの連携や商店街との共存
高齢者と子育てのターゲット
1611年 松坂屋誕生
1637年 三越誕生
1662年 白木屋誕生
1717年 大丸誕生
1831年 高島屋誕生
1852年 パリの流行品店ル・ボン・マルシェが最初か
定価、現金、返品可能などの新しい商習慣
1858年 ニューヨークのメーシーズ
1863年 ロンドンのホワイトリー
1879年 ドイツのガレリアカウフホーフ
1886年 伊勢丹誕生
1887年 高島屋本店脇に貿易部新設
1892年 小包郵便の取り扱い開始
1894年 日清戦争で景気高揚
1898年 三越出張販売
1896年 高島屋京都でショーウィンドウ
1904年 三越 デパートメントストア宣言
1910年 大丸 京都四条の空き地で大丸ガーデン開催
1913年 阪急 宝塚唱歌隊を結成
1914年 三越 鉄骨鉄筋コンクリート造の本店新館
1923年 関東大震災より生活必需品販売で大衆化
1927年 三越 三越ホール678席
1929年 阪急百貨店梅田
1929年 松坂屋上野 初のエレベーターガール
1932年 地下鉄三越前駅開業
1934年 東横百貨店渋谷
1937年 百貨店法による出店規制
1951年 オンワード商標登録 委託販売へ
1953年 三越 クレジットカードの前進システム
1956年 第二次百貨店法による出店規制
1957年 ダイエー誕生
1958年 ヨーカドー誕生
1961年 欧米視察団 チェーンストア文化流入
1963年 西友ストア誕生
1969年 玉川高島屋ショッピングセンター開業 場所貸
1969年 代官山ヒルサイドテラス誕生
1971年 変動為替相場制
1973年 大規模小売店店舗法
1973年 渋谷パルコと西武劇場開業
1974年 セブンイレブン一号店 豊洲に開業
1975年 渋谷パルコ2開業 ニッチなニーズ
1975年 西武 池袋最上階に美術館
1976年 ルミネ新宿誕生
1978年 ラフォーレ原宿誕生
1979年 渋谷109誕生
1980年 無印良品 西友のPBとして誕生
1981年 渋谷パルコ3開業 雑貨などのライフスタイル
1981年 ららぽーと船橋ショッピングセンター誕生
1982年 本厚木ミロード誕生
1985年 バブル突入
1988年 新神戸OPA
1989年 マイカル本牧開業
1990年 株化大暴落
1991年 トイザらス日本上陸
1991年 改正大店法
1995年 三井アウトレットパーク大阪鶴見
1998年 ユニクロフリースブーム
1999年 コストコ日本上陸
2000年 ECの台頭始まる
2000年 立地法 まちづくり3法
2001年 西武とそごう包括的業務提携
2003年 伊勢丹メンズ館誕生
2004年 zozotown運営開始
2005年 伊勢丹が北海道丸井今井へ資本参加
2005年 伊勢丹が福岡岩田屋を子会社
2006年 ラゾーナ川崎誕生
2006年 西武そごうセブン&アイの傘下に
2006年 IKEA船橋に一号店
2007年 大丸松坂屋経営統合
2007年 阪急と阪神経営統合
2008年 H&M上陸
2008年 三越伊勢丹統合
2011年 テラスモール湘南誕生
2011年 マイカル経営破綻
2015年 丸井 百貨店から不動産業へ転換
2015年 ダイエー イオンの完全子会社
2016年 そごう柏千葉パルコ閉店
2017年 銀座シックス開業
2017年 三越千葉閉店
2017年 Amazonホールフーズ買収
2018年 三越 日本橋本店大幅リニューアル
2018年 名古屋丸栄、伊勢丹松戸、十字屋山形、山口井筒屋宇部が閉店
2018年 米シアーズ経営破綻
2018年 英ハウスオブフレーザー経営破綻
2019年 大丸心斎橋店開業 67%が定借
2019年 百貨店が20年間で100店舗の減
2019年 大丸山科、伊勢丹府中、伊勢丹相模原、岐阜ヤナゲンが閉店
2019年 米バーニーズ破産法申請
2019年 英デベナムズ経営破綻
2020年 山形大沼、新潟三越、高島屋港南台、西武大津、西武岡崎、そごう徳島、そごう西神が閉店
2021年 そごう川口閉店
2021年 マツキヨとココカラファイン経営統合
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<目次>
第1章 なしにろ日本最強の郊外道路
第2章 16号線は地形である
第3章 戦後日本音楽のゆりかご
第4章 消された16号線~日本史の教科書と家康の「罠」
第5章 カイコとモスラと皇后と16号線
第6章 未来の子どもとポケモンが育つ道
<内容>
いやぁ、すごい風呂敷を広げたな、というのが感想。地学・地理・日本史・社会学・音楽・映画と雑多な知識を16号線に当てはめた感じ。鎌倉を16号線沿いというのは少し無理があるし、第6章はちょっと消化不良の感もある。ただそれぞれの項目はもっと詳しく学問的に踏み込めば、もっと面白くなりそう(第6章なんて現代的だし)。モスラがカイコガだとは知らなかった…。
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国道16号線はパルコのマーケティング(?)雑誌アクロスが80年代に「第四山の手ゾーン」として着目してから世代論や消費論、ライフスタイル論の最前線のキーワードでした。それが21世紀に入り、団塊の世代の高齢化やバブルの崩壊などで後衛化しているようにも見えます。その象徴が本書でも取りあげられている2014年のNHKの「ドキュメント72時間」での「オン・ザ・ロード 国道16号線の‟幸福論”」で、黄昏のエリア的取り扱いでした。しかし、本書は、昭和から平成・令和へ移り変わりというタームではなく、もっとタイムラインの長い中での国道16号線エリアの秘密を解き明かそうとしています。旧石器時代の遺構から太田道灌以前の関東を経由し、この場所の豊かさをそもそもの地形とそこに集まる人という観点が新鮮でした。そこにペリー来航以来のアメリカとの関係や生糸の輸出という産業的視点、またユーミンに代表される文化的視点を重ね合わせていく手法は、著者が言及するジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」が示した地理的条件が文明を規定する、というフレームの援用です。そういう意味で本書のサブタイトルの『「日本」をつくった道』は決して戦後日本という意味ではなく、まさに日本そのももを意味していて気合十分です。ついつい歴史が西日本の朝廷中心、中国からの文明の影響重視になる中で、東日本中心の日本史を訴えているのかもしれませんね。ただ本書のさらにユニークなのはそういうでかい話だけではなく、著者が長年続けている保護活動が発想、着眼のベースになっているところ。第6章に書かれているウェブサイト『WILD MOND GO!GO!』の『あなたの住んでいる「流域」と「川」を探して「流域地図」をつくろう』とかワクワクします。自分が暮らす土地への愛への誘いが、本書のはじまりなのだと思います。
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国道16号という着眼点が興味深い。
地域を描く場合、面で書くのが一般的であるが、点と点を線で結びながら面で風俗を描く試みは面白い。
地形から始まり、縄文時代、とんで埼玉、ユーミン、シルクロード、ロードサイドシティの興廃、ポケモンから最近のコロナ禍まで、テーマが飛び飛びになっている。
テーマのそれぞれはトピックとして深堀されているが、トピック間の関連はそれ程強くない。
点と点は興味深いものの、点と点を繋ぐ線=国道の結束が強く見えないのが、雑多に見える理由と思われる。
とはいえ、個々のトピックは歴史好きには堪らない。
国道16号沿いとカテゴリされている今の住まいを思い浮かべながら、三浦、横須賀、柏などに繋がる視座の高い着眼点。点を動的に捉えようとする試みは野心的ではあり楽しく拝読した。
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東京郊外をぐるりと一周している国道16号線。
関東に住んでいれば、ご存知と思います。
便利な環状道路なので、常に渋滞しています。
実はこの「道」こそが、縄文・弥生時代から
始まる日本史で重要な役割を演じてきた、と
いうのが本誌の要旨です。
「え?でも東京って、江戸時代に徳川家康が
来て造り上げた都市であって、その前はひな
びた寒村だったのでは?」という説に対して
も説明しています。
それは、その時の為政者であった徳川家康が
「家康という偉大な人がこの都市をここまで
発展させた」という伝説を作りたかったため
に事実をゆがめた、という内容です。
さらに音楽に代表される文化の発展も、16
号線は重要な役割を果たしているといいます。
確かに16号線沿いにはかつての米軍の施設が
数多くあり、その近辺のライブハウスで腕を
磨いたミュージシャンはあまたいます。
極め付けは天皇との関わりです。
「一体どんな関係があるの?」と興味を持っ
た人は本書を読むべきです。
新しく斬新な国家文明論の一冊です。
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p26 開国当初、ヨーロッパで蚕の微粒子病が蔓延 生糸産業が大打撃 中国は英国とのアヘン戦争で、太平天国の乱で国内混乱、生糸の生産減少 八王子の養蚕業 生糸生産 横浜に運ばれ、世界に輸出 八王子と横浜を結ぶ道 絹の道 16号線に進化
p37 1960年代から大型商業施設を16号線沿いに積極展開 そごうグループ総帥の水島廣雄 千葉、柏、八王子、横浜、大宮、木更津、多摩、柚木 8店舗 残ったのは横浜、大宮、千葉
p94 ミヤマクワガタ 深山(ミヤマ)
p103 ユーミンの実家は、八王子に1912年に創業した荒井呉服店
江戸末期から盛んになったシルク=生糸・絹産業は、明治期に日本経済を支える巨大ビジネスになった
p152 律令の定めにより、諸国には馬や牛を育てる牧がもうけられた その管理は国司がおこなう 武蔵国には4箇所の牧があり、一つの牧には百、数百の馬が育てられた
p165 開国時日本の主な輸出産品は、生糸、蚕種、茶の3つ 1876から1933年まで、生糸は日本の輸出品のトップを維持した その外貨で、鉄、機械、兵器を購入
1969年 戦後のピーク
p175 生糸は品質がばらつきあり そこで渋沢栄一 1872 官営富岡製糸場を作る
p185 三多摩はもともと神奈川県 自由民権運動の中心地 神奈川県知事が東京への移管をを直訴 1893年に東京府に編入
外国人は絹のみちをとおって多摩に、都心より先に西洋がもたらされた
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1月20日新着図書:【千葉・埼玉・東京・神奈川を周回上に結ぶ国道16号線にまつわる様々な雑談を描いた1冊です。16号線の歴史や地理的な話、分かります。ちなみに千葉県内では、君津辺りからはじまり、千葉・八千代・柏・野田などを通過します。】
タイトル:国道16号線: 「日本」を創った道
請求記号:680:Ya
URL:https://mylibrary.toho-u.ac.jp/webopac/BB28178719
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車を持っておらず、関東の地図のイメージは電車の路線図である私にとっては、関東を俯瞰して見る良い機会になった。八王子から横浜のラインは意識したことがなく、なるほど!と感嘆。色んな事がてんこ盛りで面白く拝読しましたが、なんだか少し読みにくい気もしました。
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書き方がくどいと思ったら、連載ベースでした。でも、直せよとは思いましたけど。
沿線事情を複数知っていれば、楽しめると思います。
P19 国道16号線を走っても、川越市のの旧市街は見られません。旧道レベルなら知りませんけど。
P26 太平洋を渡ってきたアメリカの黒船=ペリー艦隊 と仮定すると、東インド艦隊だからすくなくとも、太平洋横断ではなくて、大西洋、インド洋、東シナ海からの太平洋かと。
P33 朝の電車は渋滞で通常より時間がかかりますが。
P37-38 大宮にはそごうもダイエーもありました。西武との合併がスルーされてます。
P43 中途半端なモータリゼーション対応がそごう、マイカルの失敗。これは、実感無し。そごうは駅前だったし。
P51 大店法への対応は、コンビニ展開もそのひとつかと。
P76 「小流域」論
P85- 16号線エリアならでは、というか独自性
P91 樺太って、たぶん要注意地名?
P93 関東と首都圏の定義は?
P110 進駐軍相手に日本人が演奏や歌唱は知ってましたが、都心部の将校クラブみたいな場所だけだとばかり。接収した基地や駐屯地でも演奏してたのね。
P113 日劇で紅白をやったのははじめて知りました。
P135 「翔んで埼玉」の原作のイメージが40年近く経っても、地域の序列やイメージが通用するのは、原作を読んでいないのでなんとも。
P144 江戸は家康が一から~は創作ですって。
P150 道路の重要性は、古代ローマでは既に。
P185 三多摩の神奈川から東京府への移管?水源って聞いたけど?政治絡みって。
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64・65ページの図が全ての根拠。
その発見は素晴らしいのだが、全てをそこに寄せすぎの感もある。
ただ、 「流域思考」(岸由二)については、さらに知りたくなる。
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16号線エリアは古代から現代まで日本文化の中心だった。地形、音楽、生糸などから地域を語る壮大な試み。
筆者に限らず国道16号線沿いのエリアが、郊外消費の典型という説にはおおいに同意。ロードサイド店舗や比較的若い子育て世代が多く暮らすベッドタウン。
本書はその説をさらに広げて、16号線沿線エリアが、古代から現代まで常に日本の政治文化で重要な役割を果たしてきたことを語っていく。
貝塚など多くの遺跡、戦国時代の多くの城、横浜開国と養蚕。陸軍基地その後の米軍基地から広まった音楽文化、ポケモンまで、ジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」を目指したとのこと。
テーマは面白いがちょっと手前味噌な内容、やや薄い内容であるように思えてならなかった。日本最大の関東平野。今より海面が高かった頃、ちょうど16号線沿線ご海岸、貝塚が多いのは当たり前だし、丘陵かと平野の境目なら城も多いだろう。都会からある程度の距離があれば住宅の価格もお手軽で子育て世代が増えるのも当たり前。
壮大な試みは良いがちょっと説得力には欠け、筆者の自己満足の感は否めない。
巻末の参考文献の多さからも分かるように、筆者の博識と研究意欲は素晴らしい。本書の多岐に渡るテーマを支える筆者の宝は高く評価したい。
ある意味16号線沿線っぽいチェーン店の味のような当たりでもハズレでもないソコソコな一冊でした。