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商品説明
令和元年10〜11月に真室川町立歴史民俗資料館で開催された「野村純一・敬子先生のどんぺからんこ 生き続ける昔話展」の展示・記念イベントに寄り添った人々の文章をまとめる。【「TRC MARC」の商品解説】
令和元年一〇月から一一月にかけて、真室川町立歴史民俗資料館で「野村純一・敬子先生のどんぺからんこ 生き続ける昔話展」が開催され、野村純一・敬子ご夫妻の著作と採訪ノートが展示され、五〇年前の録音が披露された。一〇月一九日には遊学館で「令和むかし話ワールド」の記念イベントも実施され、「真室川の民話」の講演(真室川の昔話に果たした野村純一・敬子夫妻の60年の定点観測・研究・活動を東京学芸大学石井正己教授が顕彰した)を行い、野村敬子さんが案内役を務めた「語る楽しさ 聴く悦び」では多くの語り手が昔話を語った。
一連の催しをそのままにせず、広く紹介したいと考え、出版に動きはじめた。本書には展示・記念イベントに寄り添ってくださった多面的に活動されているか方々の文章をいただいて1冊とした。昔話を町おこしの中核に据えた真室川の奇跡ともいえる事例であり、その意味で真室川は『昔話の聖地』である。口承文芸学の到達点でもある。
そうした状況の中で、新型コロナウイルス感染症が拡大して、打ち合わせも思うようにできなくなった。しかし、私たちは、閉塞感の深い時代にあって、この一冊は未来を照らし出す灯火になると考えた。
「自然災害」を「気象災害」「地質災害」「生物災害」の三つに分類すると、感染症は「生物災害」に含まれる。感染症が洪水や地震と並ぶのは、それが人間と自然の関係、具体的には人間と野生動物の接近によって発生するからに他ならない。世界の感染者が一〇〇〇万人、死者が五〇万人を越えてしまった今、目前の対処だけでなく、私たちはもっと総合的な認識を深める必要がある。そして、そうした視点から、語り継がれてきた民話を改めて読み直さなければならないと思うのである。【商品解説】
目次
- 目 次
- 記念誌刊行に寄せて 新田隆治 7
- 巻頭言 新型コロナウイルス感染症の時代と民話 石井正己 9
- 詩 霧の朝 しまなぎさ 14
- 第一部 「令和むかし話ワールド」を実施して
- 講演 一〇〇歳時代の人生と口承文芸 野村敬子 18
- 講演 真室川の民話 石井正己 36
- 学びのまちの実現を目指して 門脇昭 56
著者紹介
野村 敬子
- 略歴
- 編著者略歴
野村敬子(のむら けいこ)
山形県真室川町生まれ。國學院大學で臼田甚五郎先生に師事。女性をテーマに口承文芸の実感・実証的研究。『真室川昔話集』(岩崎美術社)「アジア心の民話シリーズ」責任編集、フィリピン・韓国・台湾を編む。『渋谷ふるさと語り』(渋谷区)、『語りの廻廊─聴き耳の五十年─』『栃木口語り─吹上 現代故老に聴く─』『中野ミツさんの昔語り』『間中一代さんの栃木語り』『老いの輝き 平成語り─山形県真室川町─』『令和元年 真室川昔話発信ノート』(以上、瑞木書房)『女性と昔話』(自刊)、他。
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