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紙の本
江戸川乱歩と横溝正史 (集英社文庫)
著者 中川右介 (著)
日本の探偵小説を牽引した2大巨頭、江戸川乱歩と横溝正史。太陽と月にも喩えられる日本文学史上稀な関係はどのように生まれ、育まれたのか。2人の大作家の歩みを辿りながら日本の出...
江戸川乱歩と横溝正史 (集英社文庫)
江戸川乱歩と横溝正史
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商品説明
日本の探偵小説を牽引した2大巨頭、江戸川乱歩と横溝正史。太陽と月にも喩えられる日本文学史上稀な関係はどのように生まれ、育まれたのか。2人の大作家の歩みを辿りながら日本の出版史をも描き出す対比評伝。〔2017年刊の加筆・修正〕【「TRC MARC」の商品解説】
江戸川乱歩「君、こんど『犬神家の一族』というのを書くだろう。ぼく犬神だの蛇神だの大嫌いだ」
横溝正史「復活以後の江戸川乱歩こそ悲劇のほかの何者でもない」
日本の探偵小説を牽引した二大巨頭、江戸川乱歩と横溝正史。
盟友として、ライバルとして、お互い認め合い、時に対立しつつ、
一方が作家として執筆するとき、他方は編集者として支えた。
太陽と月にも喩えられる日本文学史上稀な関係は、どのように生まれ育まれたのか。
二人の大作家の歩みを辿りながら、日本のミステリ史のみならず、
日本の出版史をも描き出す、空前の対比評伝!
「江戸川乱歩と横溝正史――二人を太陽と月に喩えることができるかもしれない。
乱歩が旺盛に書いている間、横溝は書かない。横溝が旺盛に書いていると、乱歩は沈黙する。
天に太陽と月の両方が見える時間が短いのと同様に、
二人がともに旺盛に探偵小説を書いている時期は、ごくごく短いのだ」〈本文より〉
「おそらくは、親友でもありライバルでもあった。
だが、何よりも面白い探偵小説を求める同志だった。
二人がなぜ探偵小説を書いていたのかと言えば、
面白い作品がないので自分で書いていたに過ぎない。
乱歩は誰よりも横溝に読んでほしかったし、
横溝もまた乱歩に読んでもらおうと書いていた」〈「青春と読書」2017年11月号より〉
●目次
第一章 登場――「新青年」~一九二四年
第二章 飛躍――『心理試験』『広告人形』 一九二五年~二六年
第三章 盟友――『江戸川乱歩全集』 一九二六~三一年
第四章 危機 『怪人二十面相』『真珠郎』 一九三二~四五年
幕間 一九四〇年~四五年
第五章 再起――『黄金虫』『ロック』『宝石』 一九四五~四六年
第六章 奇跡――『本陣殺人事件』 一九四六~四八年
第七章 復活――『青銅の魔人』 一九四八~五四年
第八章 新星――『悪熊の手毬唄』 一九五四~五九年
第九章 落陽――乱歩死す 一九五九~六五年
第十章 不滅――横溝ブーム 一九六五年~八二年
【著者略歴】
中川 右介(ナカガワ ユウスケ)
作家、編集者。1960年東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。出版社勤務の後、アルファベータを設立し、代表取締役編集長として雑誌『クラシック・ジャーナル』、音楽家や文学者の評伝や写真集の編集・出版を手掛ける(2014年まで)。その一方で作家としても活躍。クラシック音楽への造詣の深さはもとより、歌舞伎、映画、歌謡曲、漫画などにも精通。膨大な資料から埋もれていた史実を掘り起こし、歴史に新しい光を当てる執筆スタイルで人気を博している。主な著書に『カラヤンとフルトヴェングラー』『歌舞伎 家と血と藝』『角川映画1976-1986』など。【商品解説】
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戦後探偵小説の壮大な歴史絵巻
2022/11/29 08:24
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TAROLEB - この投稿者のレビュー一覧を見る
乱歩と横溝のことはかなり丁寧に書き込まれていますが、それ以上に戦前から戦後に掛けて、推理/探偵小説がどのように生まれて発展してきたのかが非常に細かく書かれています。膨大な資料を読み込んであり、且つそれを時系列的に追い掛けているので、ボリュームに比してあっという間に読了しました。乱歩と横溝の友情はこの本で初めて知りました。両巨匠がこんなに濃い絆で結ばれているとは。個人的には、大好きな映画字幕翻訳家である清水俊二さんの名前が出てきて本当に嬉しかったです。
紙の本
学術的な緻密さもある対比評伝読み物
2022/04/21 10:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の探偵小説の第一人者、江戸川乱歩と横溝正史。年の差こそあれ、同時代に生きた推理小説作家二人の友情やライバル関係を出版会の動きとともに紹介した評伝。読み物だが、かなり細かく文献にも当たり、推理するように未解明部分を調査研究して埋めており、研究論文的な趣もあった。