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踊る熊たち 冷戦後の体制転換にもがく人々
著者 ヴィトルト・シャブウォフスキ (著),芝田 文乃 (訳)
引退した熊は自由であることがつらくなると、後ろ足で立って踊り出し…。ブルガリアに伝わる「踊る熊」の伝統の終焉と、ソ連崩壊後の旧共産主義諸国の人々の今を、ポーランドの気鋭が...
踊る熊たち 冷戦後の体制転換にもがく人々
踊る熊たち:冷戦後の体制転換にもがく人々
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商品説明
引退した熊は自由であることがつらくなると、後ろ足で立って踊り出し…。ブルガリアに伝わる「踊る熊」の伝統の終焉と、ソ連崩壊後の旧共産主義諸国の人々の今を、ポーランドの気鋭がレポートする。【「TRC MARC」の商品解説】
自由とは新たな挑戦だ
ブルガリアに伝わる「踊る熊」の伝統の終焉と、ソ連崩壊後の旧共産主義諸国の人々の声。リシャルト・カプシチンスキをはじめ、優れたノンフィクション文学の書き手を輩出してきた国ポーランドの気鋭による異色のルポルタージュ。
第一部では、2007年にブルガリア最後の「踊る熊」たちがいかにして動物保護団体に引き取られたか、そして生業を奪われた飼い主のロマたちが陥った困難な状況について、さまざまな立場の関係者を取材する。第二部ではソ連崩壊以降のおもに旧共産主義諸国(キューバ、ポーランド、ウクライナ、アルバニア、エストニア、セルビア、コソボ、グルジア、ギリシャ)を訪ね、現地の人々のさまざまな声に耳を傾ける。そこに共通するのは、社会の変化に取り残されたり翻弄されたりしながらも、したたかに生き抜こうとするたくましさである。
第一部と第二部はそれぞれ同じ章立て。共産主義の終焉から資本主義に移行しきれない国、またはEUに組み込まれたことで経済危機に陥った国の人々の混乱と困惑を、隷属状態から逃れても「自由」を享受しきれない「踊る熊」たちの悲哀に見事になぞらえ、重ね合わせている。【商品解説】
著者紹介
ヴィトルト・シャブウォフスキ
- 略歴
- 〈ヴィトルト・シャブウォフスキ〉1980年ポーランド生まれ。報道記者。欧州議会ジャーナリズム賞、リシャルト・カプシチンスキ記念PAP賞等を受賞。
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大変重い本
2023/04/11 09:42
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じゅね - この投稿者のレビュー一覧を見る
表紙の写真が、まず哀しい。内容もいわゆる「食料を与えるか、それとも魚の釣り方を教えるか?」のようなもの。
紙の本
踊り続ける熊と資本主義に戸惑う東欧の人々
2021/04/30 20:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Takeshita - この投稿者のレビュー一覧を見る
珍しくまた興味深いテーマの本だ。ブルガリアには熊使いを生業にするロマの人々がいて、彼らは森から子熊を取ってきて調教し、後ろ足立ちや踊り、顔を手で覆う仕草などの芸を教え込む。歯は抜き、鼻輪と綱を入れて各地を巡回して稼ぐ。EU統合後これら商売は動物虐待として禁止され、熊は森の公園に移される。しかし自由になった熊はガンになり、鬱になったりでもう自然には戻れない。熊は人を見ると後ろ足で立ち上がっていつまでも踊る、餌をもう貰えなくてもだ。一方仕事を失ったロマは欧州各地に散らばり貧困層やホームレスになる。その他セルビア、コソボ、ギリシャ、ウクライナなどを著者は取材して回り、資本主義の効率性と突然与えられた自由に戸惑う東欧の人々の姿を描き出す。する事がなく独り立って踊り続ける熊は社会の激変にに戸惑う東欧の人々の姿なのだ。