紙の本
思ったより読みやすかった
2021/05/11 17:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:makiko - この投稿者のレビュー一覧を見る
小難しいことが書いてありそう…と思いましたが、平易な文章で読み進めやすい本でした。モジュールとかコンタクトトレーシング等、カタカナ語が多いのは気になりました。
著者がデータの力で資本主義から更に進んで最大多様の最大幸福を実現しようという考えて色々なプロジェクトに関わっていらっしゃるのは、素直にすごいと思いました。ただ、著者の目指している社会は、かなり知的能力の高さを求められそうな感じがしました。ITに疎く、メールすら使えない人は、自己のデータの開示範囲を指定するとか、どこにデータを預けるかとか、決められないのでは?そういう人を取りこぼさずデータ立国する方策についても聞いてみたいと思いました。『ケーキを切れない非行少年たち』の著者と対談してくれたら面白そう。
投稿元:
レビューを見る
いままさに戦っているデータサイエンティストの立国論ということで期待感が高すぎた
データは取扱注意だが大切だよ
以上のことを特に言っていないのでは?
残念
投稿元:
レビューを見る
筆者はとても賢く、色々なことに興味が旺盛な好奇心の塊なような人なのだろう。ここでは、データのよい活かし方が、well being と better co-being を促し、より良い社会、しいてはより良い国家を作れることを提唱してると思うのだが、筆者の多趣味が逆にテーマを希薄化し、誰に何を訴えようとしているのかボヤけた一冊になってると感じた。筆者の財政論、芸術論、所得分配論、専門のヘルステック論、イノベーション論、ダイバーシティ論と多く出てくるため、読み終わった後にどうしたらいいのかわからない。また、相当な意識高いインテリ層レベルに響くかもしれないが、日本では少数派なため、もったいない気がした。内容が前向きに世の中をよくするもののため、視線を下げることも必要かもしれない。でなければもったいない。テーマをフォーカスした次の著書に期待したい。
投稿元:
レビューを見る
お金によって価値が可視化される資本主義、多数決によって物事が決められていく民主主義から、『最大多数の最大幸福』を目指す社会へ。まだ理解しきれていない部分も多くあるけど、テクノロジーの進化、データの活用によって、ひとりひとりがそれぞれの幸福を追求できる社会は夢ではないのでは、という希望を感じることができた。より自分が正しいと思えることに、自分の時間とお金を使っていきたいなと思った。
投稿元:
レビューを見る
p9 最大多数の最大幸福から最大多様の最大幸福へ
p16 多層型民主主義 それぞれ異なる多様な価値を大切にする、大小様々なコミュニティが、それぞれの価値観を大切にしながら共存していく状態
p59 データが価値を失うとき 信用が失われたとき
p62 面白法人カヤック まちのコイン 使えば使うほど、仲良くなるお金 ビーチクリーニングに参加するといった体験をすると、その地域内の飲食店で使えるコインを獲得できる
p67 共有価値が無数に存在する中で、響き合い、輝きあうコミュニティ これが新しい、共創的な地方自治
p119 アントファイナンシャルとテンセント
AlipayとWeChat Pay
投稿元:
レビューを見る
今日5月13日の朝刊の一面には「デジタル庁、9月発足」の記事が出ています。そこでは行政の利便性というテーマばかりが語られています。マイナンバーカードの登録も個人情報に対する疑念から動かなかったものがこのコロナ禍でポイント付与がつくので登録が進むという便益性を押し出した導入が進められています。しかし、本書にはデータこそが社会変革の武器なんだ、変わらなくてはならないのは経済合理性を至上とする価値観からの脱却なのだ、という一見、DX=効率性というイメージと真逆のメッセージによって構成されています。「最大"多様”の最大幸福」を実現する手段こそがデータなのだ、そのためのデジタル化なのだ、という著者の想いには大きな共感を感じました。政府のデジタル政策についても本書のようなメッセージがセットでアピールされるといいのに…と思ってしまいました。斉藤幸平の『人新世の「資本論」』的に言えばデータこそが、コモンズなのだと感じました。ユニークな存在感でアンダーコロナのメディアの中で光が当たっている著者ですが、このまっすぐな主張はこれからの社会の背骨になるはずです。さかのぼって「共鳴する未来」も即読みします。
投稿元:
レビューを見る
データの共有はこれからの生活にどう関わるのか、データサイエンティストによる概要をまとめた一冊。
著者がヘルスケア関係を中心に活動されているので、医療関係の実践的な話もあるものの、どちらかというと概念的な面が強い本と感じた。
GDPが絶対でなくなる、共感型社会といった他の本でも見たことのある話題に結びつくのが興味深かった。
投稿元:
レビューを見る
貨幣、経済合理性から多様な価値が可視化されるデータ共鳴社会へ
通常は、ドット一つを打つだけではなかぬか達成感は得られませんが、未来の姿を共有しておけば、ドットが美しい作品につながることがあらかじめわかっていれば、モチベーションにつながる。
こうした持ち寄りの善意で小さなプロボノが増えれば縁が作れるかもしれない。
投稿元:
レビューを見る
デジタル化には米国型、中国型そしてEU型の三つがあると説明します。そして、EUのGDPR(一般データ保護規制)を絶賛し、これを前提に企業は善行を積むようになり新しい民主主義が生まれるとして、デジタル化された明るい未来を描きます。ところが日本のデジタル化についてはEUのGDPRにも課題が多々あるので米国や中国の良いところを取り入れるべきとの提言もあります。GDPRの具体的な問題点に踏み込まず持論のあるべきデジタル化を語られても、それはそれで良さそうではありますが、なかなかついていくのが難しい印象でした。また、ガバメントクラウドなど政府のデジタル化の安全保障への言及がないところも気になるところです。それにしてもLINEx厚生労働省「新型コロナ対策のための全国調査」って、LINEなんか使って大丈夫なのだろうか?
投稿元:
レビューを見る
産業革命以降、石油や石炭を基幹資源として、貨幣、モノを中心とした資本主義をエンジンに物的な成熟を迎えた
その過程において人は産業や企業のいわば歯車、部品、一部の構成要素として活用され、全体主義の中から利己主義的な振る舞いなどの問題も存在した
21世紀に入り情報革命がおきたことで、情報の生成、蓄積、伝達、共有のレベルが爆発的に上がった
そうなったことで、従来のエネルギーや貨幣中心の価値から、情報価値が相対的に上がってきた
情報革命が起き、データを活用し高度な分析、アルゴリズム/ソリューション/オペレーションの開発ができるようになったことで、人類は個別最適化の手段を得られるようになった
最大多数の最大幸福から最大多様の最大幸福へ
ロックやルソーがかつて掲げた市民社会、真の意味での民主主義。データ知性により相互によりよい社会を共創していける時が、情報革命によってようやく機が熟した
企業主導のデータ覇権アメリカ型
個人の尊重重視の保守EU型
国家主導の一元管理中国型
日本は3つのいずれにも寄らない価値共創型を志向する
データは所有しない、takeしない
データは共有する、shareする
投稿元:
レビューを見る
データの活用で、真に個々人が活かされる社会を作り出す。データ活用の方向性と、プライバシーや監視社会に至る可能性などの課題など、大きな流れを解説したつつ、データ活用による社会課題の解決に期待を込めた1冊です。
ただ、今のロシアの行動や、独裁国家の動きをみていると、データが市民のためにフェアに活用される社会の実現は程遠い感もしてくる。データ活用社会の大前提は、平和で開かれた社会なんだとあらためて考えさせられます。
投稿元:
レビューを見る
SNSや TVで成田悠輔が話題だが、医療界隈においてはこの人が同じ役割を担っていそうな感じがする。データを利用していかに個人が理想を叶えていけるかについて熱く語られていて、面白かった。今後、医師として、医学知識を学ぶだけではなく、いかにデータを利用して予防医学を推進するかのフェイズにいるように思う。病気直し、ではなく、病気にならない、あるいは重症化しないためのデバイスを普及させていくことになる中で、保守的・排他的にならず柔軟に受け入れられる姿勢でありたい。
投稿元:
レビューを見る
前書からの延長である本です。時事的に最新のもの状況を捉え直して書かれた本だと思います。
前著では良いものとして扱ったものが時間の流れでイマイチと捉え直したことは交換を持てます。
対象はやはりデータについて知りたい人や全体的な理解を進めたい人だと思います。21年の本ですが、23年時点から見直すと得られる示唆はまた変わるかとは思います。
投稿元:
レビューを見る
データ共鳴社会、ジョンロック。筆者のモナリザへの並々ならぬ愛は伝わった。医療業界のデータサイエンティストという技術的な肩書きからは想像できないくらい上位レベルの立国論が語られる。データを正しく人間社会の幸福化のために活用する社会の実現をどうすべきかを論じているのだと思うが、正直自分の前提知識ではあまりついていけなかった。一つ一つの文章に矛盾やズレた内容は無いと思うのだが、全体像を捉えるのが難しく、どういうシステムをイメージしているのかがよく分からなかった。