「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
読割 50
紙の本
古典について (講談社学術文庫)
著者 吉川幸次郎 (著)
中国古典文学の泰斗、吉川幸次郎の眼に、江戸の学者、伊藤仁斎や本居宣長らの著作はどう映ったのか。日本書紀の時代から連綿と続く大陸文化の受容史を紐解き、本場をも凌ぐ江戸の漢学...
古典について (講談社学術文庫)
古典について
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
中国古典文学の泰斗、吉川幸次郎の眼に、江戸の学者、伊藤仁斎や本居宣長らの著作はどう映ったのか。日本書紀の時代から連綿と続く大陸文化の受容史を紐解き、本場をも凌ぐ江戸の漢学が達した境地を描き出す。【「TRC MARC」の商品解説】
日本書紀の時代から、この国の基盤には大陸から摂取した文明の影響がありました。営々と築き上げられてきた日本の漢学文化は、中国古典の碩学、吉川幸次郎(1904-80年)の目にどのように映じていたのでしょうか。
ふとしたことで手にした本居宣長『うひ山ぶみ』によって、宣長の「信徒」となったと告白する著者は、江戸時代に日本の漢学の全盛を見ます。伊藤仁斎や荻生徂徠を生んだ元禄・享保期の儒学と、戴震や段玉裁、王念孫ら清朝の儒学に共通性を見出して、それを「近世の覚醒」と名付け、日本における覚醒が実は100年近くも大陸に先んじていたことを指摘します。
江戸時代に頂点を極めた漢学が、明治になって文化そのものが根本から変容していくことを万葉集の偏重に象徴的に見る第1部「古典について」、古代から江戸末期にいたる日本の漢学受容という類のない通史をコンパクトに描いた第2部「受容の歴史」、そして著者が愛してやまない儒者たちを素描した第3部「江戸の学者たち」。日本思想の基層をなす漢学という視座から、この国の学問的伝統を再発見する極上の教養書です!
【目次】
1 古典について
古典について――あるいは明治について
一 明治の記憶/二 明治への距離/三 明治の得失/四 万葉と古今/五 詩における理知/六 学術の文章/七 美と真の共存/八 注釈の学/九 辞典の学/一〇 日本書紀/一一 書紀学の変遷/一二 東洋史学/一三 太平
2 受容の歴史
受容の歴史――日本漢学小史
一 日本における外国文明の受容/二 そのインドその他との対比/三 文学および文学教育における受容/四 学問一般における受容/五 外国文明受容の心情/六 外国文明受容の歴史/七 受容の歴史のはじめ/八 空海その他/九 菅原道真/一〇 受容の中だるみ/一一 中国新文明の受容/一二 五山の禅僧/一三 江戸時代における受容の教育/一四 江戸時代における外国書の輸入と覆刻/一五 家康の政策/一六 藤原惺窩/一七 林羅山/一八 朱舜水その他/一九 伊藤仁斎 その一/二○ 伊藤仁斎 その二/二一 荻生徂徠 その一/二二 荻生徂徠 その二/二三 荻生徂徠 その三/二四 荻生徂徠その四/二五 江戸末期における受容/二六 むすびと希望
3 江戸の学者たち
仁斎と徂徠――論語古義と論語徴
伊藤仁斎
古義堂文庫
仁斎と小説
古義堂
伊藤仁斎の墓
二つの伊藤仁斎論――スパアとツァトロフスキ
伊藤東涯
安積澹泊
本居宣長――世界的日本人
一冊の本――本居宣長『うひ山ぶみ』
学問のかたち
中京の二学者――河村秀根と岡田挺之と
息軒先生遺文続編の序
解 説(小島 毅)
【商品解説】
著者紹介
吉川幸次郎
- 略歴
- 1904-80年。兵庫県生まれ。京都帝国大学文学部中国文学科卒業。京都大学名誉教授。日本芸術院会員を務め、文化功労者として顕彰された。専門は、中国文学。主な著書に『漢の武帝』、『中国文学入門』、『杜甫ノート』、『本居宣長』、『吉川幸次郎全集』(全28巻)など、訳書に『尚書正義』(全4巻)、『杜甫詩注』(第1期全10巻)など多数。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
日本思想の基層をなす漢学という視座から、我が国の学問的伝統を再発見できる一冊です!
2021/05/04 13:01
2人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『漢の武帝』、『中国文学入門』、『杜甫ノート』、『本居宣長』などの著作で知られる吉川幸次郎氏の作品です。同書の中で筆者は、日本書紀の時代から、我が国の基盤には大陸から摂取した文明の影響があったと述べています。ふとしたことで手にした本居宣長『うひ山ぶみ』によって、宣長の「信徒」となったと自ら告白されている著者は、江戸時代に日本の漢学の全盛を見たと言い切ります。伊藤仁斎や荻生徂徠を生んだ元禄・享保期の儒学と、戴震や段玉裁、王念孫ら清朝の儒学に共通性を見出して、それを「近世の覚醒」と名付け、日本における覚醒が実は100年近くも大陸に先んじていたことを指摘します。そして、江戸時代に頂点を極めたこの漢学が、明治になって文化そのものが根本から変容していくことを万葉集の偏重に象徴的にみられると述べておられます。日本思想の基層をなす漢学という視座から、我が国の学問的伝統を再発見する極上の教養書です。