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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
幼い頃に家を出ていき疎遠だった父の死を知り、遺言状にあった“名前のついた坂リスト”の場所を巡る、思い出と歴史を辿るノスタルジックなお散歩小説。味のあるイラストマップと共に、色んな時代の色んな土地にトリップした様な気分が味わえ楽しめた。
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色んな坂が出てきて、坂の描写は面白かったです。地図も可愛く、ガイドブック的な要素がありました。
ストーリーとしてはそれほど深みはなく、気軽に読めますが、もう少し入り込めるものがあれば良かったなと思いました。
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関西で生まれ育った私は、25歳で関東に転居しました。当時の勤め先は五反田でしたが、地面の起伏が激しく、平らな土地は少なくて、とにかく坂だらけだと驚きました。それまで住んでいた大阪市内は、川を越える橋以外、ほとんど平らでしたから。坂ばかりだと、歩くのに体力が必要で、目的地が駅から10分以上だと出掛けるのが嫌になりました。
そんな私も、年月を経て、犬を飼ったりなどして、歩くのが大好きになりました。また、タモリさんが副会長を務める「日本坂学会」の会員であるとも自認しています(勝手に‼︎)。
主人公・蓉子の父親は、名前のある坂にしか住みたくなく、それも数年ごとに転居を繰り返すという変わった人でした。蓉子が8歳のある日、父親は出掛けたまま帰って来ず、そこから母娘二人で暮らしていました。そこへ父親の訃報が。後日、手渡された遺言書には、父親が歴代住んだ坂の名前が書かれていて、やがて蓉子は、その坂を一つずつ訪れるようになり──。
1章にひとつ(15章だけはふたつ)の坂をめぐる連作短編の形の小説です。変人といっていい父親の人生をなぞるようにして、少しずつ蓉子は何かを感じていきます。読むことで、一緒に歩いたような気になります。でも、せっかくだから、自分でも歩いてみたいです。だったら、文庫本になってからの方が持ち運びやすいなぁ…あ、でも、文庫になったら、せっかくの地図のページがすごく小さくなっちゃうなぁ…(-_-;)
ちなみに、ドキュメンタリー? エッセイ? と思えてしまうのですが、フィクションです(^_^)
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父の遺言に坂の名前が記され、数年後に娘さんが坂を訪れるって話。
父の面影を探しに自分探しの様な…
坂の名前となった由来は「そうなのか」と思った感じ。
ある東京には坂道が多いが地形までは頭に入らない。挿絵として地図もあった近場に住んでる読者には興味が湧くかも知れません。
数回引っ越しを経験してる私、この本を読んで今どんな町になってるのかな…と思いながらの読了となりました。
エッセイみたいは小説でした。
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都内にある実在の坂を巡る物語。
1.幽霊坂
2.闇坂
3.狸穴坂
4.梯子坂
5.胸突坂
6.別所坂
7.王子稲荷の坂
8.くらぼね坂
9.異人坂
10.桜坂
11.三折坂
12.明神男坂
13.氷川坂
14.本氷川坂
15.相生坂、赤城坂
16.蛇坂
17.蓬莱坂
幼少期に別れた父が遺言に残した、かつて住んだことのある町の坂を、蓉子が巡る。
都内の名所も織り交ぜながら、坂に込められた父の思い、娘としての父への思いを整理していく。
物悲しくも、温かい物語。
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父親の面影を辿るように坂を歩く主人公。
テーマはいいと思ったが、ストーリーに特に盛り上がりがあるわけではないので、少し退屈してしまったかな。
でも、実際に訪れてみたいと思わせてくれた。
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坂巡り楽しそう。
物語という感じが少ないので★3つですが、個人的には好きな一冊。ブラタモリ的というか。
昔の人達は今の自分たち以上に、地形を選んだりその特徴を利用しながら生きてきたんだよね。坂道って、そういう歴史をわかりやすく感じさせてくれる場所なのかな。
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これは再読必至。この本を片手に坂道散歩をしないと完結しない。間違いないほしおさんの文章に加え、装丁や坂道イラストも可愛く楽しい一冊。
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坂が好きといったらなんか変ですが、基本地図が好き。
東京は確かに坂が多い場所。
それに特化した番組もあったような・・・
母と2人暮らしの主人公。
父親が異常に坂好き。離婚前も離婚後も坂のそばにばかり住んでいた。
父親が亡くなった後に主人公はその1つ1つの坂を巡ってみる事に。
坂のある地域の説明イラストが丁寧に書かれている。
細かすぎて、どこだかよくわからない感じで・・・
その土地を知ってる人ならわかるんだろうけど。
坂をとおして父親を、そして母親を知っていくお話。
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坂道の地図イラストが秀逸で、エッセイ(実話)を読むように引き込まれてしまいました。主人公を著者のように読んでしまった私は、途中から違和感を感じてしまいました。
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図書館で借りたもの。
アラフォーで母とふたり暮らしの蓉子。幼い頃家を出ていった父の訃報をきっかけに、東京中の坂を転居して回った父の足跡を辿り始め…。
風景ばかりの描写は、目がすべるというか、頭に入ってこなくて…。
こんなに時間がかかったのは久しぶり。
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【感想】
・東京で暮らしている人暮らしたい人、坂に関心がある人、ここに出てくる「父」に興味を抱いた人ならいい感じで読めるかもしれない。
・関西在住のぼくは土地には関心抱けなかったので父にシンパシーを少し感じたのが読む動力やった。引っ越し繰り返したい気分はあるし「坂」という縛りもおもしろい。
・中の一つか二つが、坂じたい、地図も含めてフィクションやったらおもろいと思うんやけどたぶんぜんぶ実在なんでしょう。
【一行目】
坂をのぼっている。東京の三田にある聖坂という坂だ。
【内容】
・名前つきの坂限定で引っ越しを繰り返した「父」の痕跡を探して娘だった主人公が東京の坂をめぐる小説。登場人物はフィクションで坂に関する記述はエッセイという感じ。
▼簡単なメモ
【アサさん】赤城坂にある料理屋の女将。晩年の父と一緒に暮らしていた。
【隠れている】《人間も大事な部分は隠れて見えない。》p.36
【仮の家】《このままでは一生仮の家に住み続けることになる。自分の人生も仮のもののように思えた。》p.90
【気が重い】《だが、気が重いというのは、行きたいという気持ちの裏返しなのかもしれない。行きたいという思いが強くなりすぎると、裏返って気が重くなる。》p.154
【坂】《ああ、楽しいぞ、と思う。坂を歩くのは楽しい。先の予測ができないから。》p.33。《坂が好きなのはかぎられた部分だから》p.80。《坂というのは、あるところにはたくさんあり、ないところにはないのである。》p.267。《道というものは案外残る。区画整理で道の場所が変わることはあっても、坂はそう簡単に移動できない。》p.274
【桜】《桜の下を歩くとき、人は花のことしか考えなくなる。》p.153。《桜の下にいるとき、わたしたちは時を旅するのだと思う。》p.153
【父】タカシさん。引っ越しを繰り返す男。必ず坂、それも名前のある坂にある建物で暮らす。萩原朔太郎に似たルックス。蓉子が八歳のときに別れ、すでに亡くなっている。《いつかどこかの坂をのぼりきったとき、あるいはくだりきったときにそこにそこに父がいたりするのだろうか。》p.73。《父親っていうのは、坂に立ってるものなのよ。》p.78。《自分は持っているものを全部捨てながら生きてきた、って言ってた。最後に自分も捨てる。そしたらすっきりするだろうなあ》p.245。《お父さんはさ、ずうっと坂をくだってる人だったんだよ。》p.258。《わたしたちではなく坂を選び、あっさりと出ていった。手ぶらのような格好で。》p.278
【東京タワー】《わたしの人生は坂でできてるようなもんだ。だけど、どれもここから見たら短くて、のぼってるかくだってるかさえよくわからない。》p.48
【母】《母は別にやさしいわけでも寛容なわけでもなく、たいていのことはどうでもいいと思っているだけなのだ。無関心というのとはちがう。面倒なことを要求されても、自分に対応できることなら文句は言わない。世界と自分の間にきっちりと線を引いて、そこから外に出てわざわざ戦うということをしない。ただしだれかが線の内側にはいってこようとしたときは猛然と戦う。》p.79。《のぼるのも好きじゃないけど、くだるのも好きじゃない。同じ場所に踏みとどまっていたい。》p.261
【引っ越し】引っ越しを頻繁に繰り返すことには憧れる。定住したくないという気持ちがどこかにある。
【むかしの人】《むかしの人はもういない。いないように見える。でもちがうのかもしれない。みんな、自分がいなくなったことにも気づかずに、こんな晴れた日にはふわふわとあの路地を歩いているのかもしれない。》p.66
【ユリエさん】連句会で知り合った七十半ばくらいの女性。《もうあと何年生きられるかわからないから、今のうちにやりたいことがたくさんあるのよ。だから、いつも時間が足りないの。いやよねぇ》p.75
【蓉子】語り手。編集者。アラフォーと思われる。母と二人暮らし。結婚する気は今のところないようだ。
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関東平野はずっと平地で広い印象
でも四ツ谷にいた時には、アップダウンがある裏道散歩が面白かった
階段があるような路地もあったし小さな神社もいい感じだった
歩いてみると分かるのかもしれない
物語を追いながら自分も坂を歩いた気分
知らない町だったけど楽しい
ネット上で辿ってみてもいいかも
百段階段
過去に華やかだった空間が今はもうない
…という事はよくある事だけど
ここは本当に現在も現役らしくて驚く
Google earthで確認してしまった
よいなぁーさすが東京っていうところかな
“桜の下にいるとき、わたしたちは時を旅するのだと思う”
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アラフォーで母と二人暮らしの富野蓉子。父・タカシは引っ越し好きの変人で、亡くなるまでに移り住んだ家は20箇所を超える。蓉子は父の足跡を辿り始める。坂をめぐりながら土地に刻まれた記憶をたどり、坂のある風景が、父の、母の、そしてわたしのさまざまな人生模様を描き出す――。
変わりゆく“坂の街" 東京が舞台のお散歩小説。地図が読めない私としては、坂の周辺マップをみながら物語を読み進めるのに時間がかかった。東京在住の方ならこの本を片手に坂めぐりができるのでしょうか。された方がいたらすてきだなあと思いました。
本文で気になった部分
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のぼり坂とくだり坂の数は同じ。どんな坂でも、のぼりでもあるし、くだりでもあるんだ。上から見るのと、下から見るので違うだけ。
おりていくだけ、止まったままどちらが正しいとは言えない。たぶんどちらも正しいし、正しくない。正しい、なんて言葉もまぼろしにすぎない。
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『人生の上り坂と下り坂は、人それぞれだけど…』
坂道マニアの父を回想しながら、主人公がゆかりのある坂を巡るエッセイ風小説。坂周辺の手書きマップが秀逸!これだけでも読む価値あり。見方を変えれば上りにも下りにもなる坂道。人生の坂道の数は等しくないけど、上りも下りも楽しみたいですね!